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プログラミング初心者でも分かる Pythonの代表的な用途と始め方

レンテックインサイト編集部

DXや、その前段階であるデジタライゼーション、デジタイゼーションが求められる現代(※)。エンジニアリングに限らず、マーケティング、営業、事務作業などさまざまな用途でプログラミングを活用してみたいと考える方は多いでしょう。
中でも、IoTやデータ分析、アプリケーション開発、機械学習など、さまざまな分野への応用できる汎用性の高さ、そして学習のしやすさから、人気の高いPythonに触れてみたいと考える方は多いはずです。
本記事では、製造業での活用という観点を交えつつ、Pythonの概要やメリット、始め方などをご紹介します。

※DXやデジタイゼーション、デジタライゼーションについて詳しくは『DXの本当の意味 デジタイゼーションとの違いや事例、日本企業に求められる理由とは』をご参照ください。

Pythonの特徴と、多くの人気を集める理由

Python(パイソン)は、多様な用途に対応したライブラリの豊富さと記述のシンプルさにより、人気の高いプログラミング言語です。オランダ出身のプログラマー、Guido van Rossum氏により開発されたのは1991年のこと。汎用性の高さやシンプルな記述性、データサイエンスや機械学習といった分野との相性の良さから、人気を高めつづけ、今ではトップクラスのユーザー数を有する人気言語となりました。

ものづくり分野では、統計解析やアプリ・システム開発はもちろん、Raspberry Pi(ラズパイ)Arduino(アルドゥイーノ)といった廉価なマイクロコンピューターと組み合わせての“身の丈IoT”開発などにもよく活用されています。2022年にはRaspberry Pi 財団(ラズパイ財団)により、子どもや若いプログラマーを対象にした無料のPython入門講座がリリースされました。

Pythonの利便性を支える重要な要素として、豊富な「ライブラリ」の存在が挙げられます。「ライブラリ」とは、統計解析、Web・アプリ開発、機械学習など特定の目的に合わせて作成された機能のまとまりを意味します。

Pythonでは「pip install ライブラリ名」でインストールしたライブラリやモジュールをimport文で呼び出し、便利に活用することができます。

ライブラリ名とともに見る、Pythonの代表的な用途

ここからはPythonでどんなことができるのかを、具体的なライブラリ名とともに見ていきましょう。

メール送受信やデータ取得、入力などの自動化

Pythonにはメールの送受信用の「smtplib」「MIMEMultipart」や、Webページの情報の取得を行う「Beautiful Soup」、Excelファイルの読み書きに関する「openpyxl」といったライブラリが存在します。
これらを用いることで、一定のルールに従ったメールの自動送信や、Webページの情報収集やExcel操作の自動化などが可能になります。

データの解析やグラフの作成

Pythonの統計解析でよく用いられるライブラリとして挙げられるのが「pandas」「NumPy」「matplotlib」などです。例えば、温度や流量といった計器データを、時系列を分刻み、月ごとなど指定の期間で表示し、歩留まりや良品率などほかのデータとかけ合わせ、自在にグラフを作成するといった活用ケースが想定されます。

IoTに関するセンシングや機器の操作

前述の通り、DIY精神を持って低コストでスタートする身の丈IoTとPythonの相性の良さはよく知られています。SPI通信用の「Spidev」、GPIOピン操作に関する「RPi.GPIO」「pigpio」など数多くのライブラリが用意されており、センサーとRaspberry Piを接続して、温度データや振動データを計測したり、信号をコントロールしてブザーを鳴らしたり、といった操作が行えます。

機械学習による予測や不良品検知

近年注目を集める機械学習用のライブラリとしては「scikit-learn」「TensorFlow」などが代表的です。既存のデータを学習させて、今後の生産量や売り上げを予測させる、画像を認識して不良品を検知させる、などの利用法をイメージされている方も多いでしょう。

もちろん、上記のライブラリ名はあくまで一例であり、実際は用途に合わせてそれぞれを組み合わせ、試行錯誤することで目標を少しずつ達成していくことになります。その人気からサンプルコードやリファレンスがあふれており、独学しやすいのもPythonのメリットの一つです。

Pythonの始め方には主に三つのパターンがある

Pythonはオープンソースのプログラミング言語であり、PCさえあれば無料で今から学び始めることができます。

そのスタート方法として主流なのは、以下の三つです。

1.公式サイトからダウンロードする
2.データサイエンス向けの開発環境Anacondaをダウンロードする
3.Google Colaboratoryではじめる

シンプルにゼロからPythonの開発環境を構築するのが一つ目の選択肢で、二つ目のAnacondaでは「Jupyter Notebook」や「JupyterLab」といったPython記述用の統合開発環境(IDE)がまとめてインストールされます。また、Google Colaboratoryは、Webブラウザ上でPythonを記述できるGoogleのサービスです。

初心者であれば、パッケージ化された環境が提供されるAnacondaや、インストールの必要さえないGoogle Colaboratoryは魅力的です。ただし、Anacondaは、200名以上の営利企業での利用する場合、Google Colaboratoryは一定以上の利用時間や性能を求める場合、有償版の利用が必要になるといったような料金が発生するため、使い方には注意が必要です。

まずは無償の入門講座を利用してPythonを実行してみよう

人気のプログラミング言語Pythonについて、魅力や利用イメージ、始め方などをまとめてご紹介しました。全くの初心者の場合、プログラミングというとハードルが高く思えますが、公式サイトや各メディア、公的機関などから入門講座が数多く提供されています。まずはそれらに従って、プログラムを記述し、実行してみてはいかがでしょうか。

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