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情報システム部門が押さえるべきサーバールーム構築・運用のポイント

レンテックインサイト編集部

情報システム部門が押さえるべきサーバールーム構築・運用のポイント

多くの企業でクラウド化が進められる一方、セキュリティやBCP、コスト最適化などの観点からサーバールームを保有することにも一定の価値が認められています。ITシステムやネットワークの重要性が高まるとともにサイバー攻撃の被害は日本でも数多く報告されており、サーバールーム構築・運用で押さえるべきポイントを振り返るタイミングが来ているのではないでしょうか。

現代の企業や情報システム部門はサーバールームの何に気を配るべきか。サーバー本体、ケーブル、データセンター・クラウドとの関係などさまざまな観点から押さえていきましょう。

サーバールームに求められる条件4ポイント

サーバールームは、社内のシステムやデータを保管し、オンプレミスとしてのIT利用の中枢となる空間です。基本的にはオフィスの一角に設置されることをイメージしますが、データセンターとしてサーバールーム専用の施設が用意される場合も求められる条件はおおむね共通します。

それでは、サーバールームに求められる条件を4つのポイントで見ていきましょう。

入退室管理・記録体制の確立

企業の基盤システムや機密情報が集積した場所であるサーバールームに対しては、システム・物理の両面でセキュリティ対策の徹底が求められることはご存じのとおりです。外部の人間が簡単に立ち入れない場所を確保し、施錠確認を徹底することはもちろん、入退室の管理と記録ができる仕組みを構築しましょう。ID・パスワードやICカードで管理しているだけでは、共連れ侵入や管理者の気のゆるみといったリスクが防げません。入室記録のないものの退室を許可しないアンチパスバックなどの対策を施した上で、侵入を即座に検知し、対策に移れる仕組みも確保しておくことが不可欠です。

温度・湿度管理

熱や湿気に弱いサーバー機器のダウンや故障を防ぐにあたって温度・湿度を適切な範囲(18~28℃・45~60%推奨)に保つことはセキュリティに比肩する重要事項です。低温や低湿度による結露・乾燥もインシデントの原因となるため、季節を問わず温度・湿度を一定の範囲に保つための空調設計と問題発生時にアラートがなされる温度・湿度監視システムの構築は欠かせません。サーバーの廃熱と冷却システム、サーバー周辺の空気の流れ、サーバールーム全体の屋外廃熱のそれぞれについて設計し、場合によっては水冷、液浸、コールドプレートなどほかの冷却方式に目を向けることも求められます。

ほこり・停電・火災などの対策

細かなほこりや塵がコンピューターの大敵となる場合があることはご存じのとおりです。空調設備も含め、サーバールームの定期的な清掃が求められますが、入退室が制限されており、常に稼働することが求められるサーバールームはメンテナンスが十分に行われていない場合も少なくありません。日ごろからIT部門でのメンテナンスを仕組み化する、あるいは専用のクリーニングサービスを活用するといった対策が求められます。また、万が一電源が落ちた時に備えて無停電電源装置(UPS)や火災が発生した時のために消火設備を用意しておくのも基本的な対策です。
UPSについて詳しくは「製造業が必ず考慮すべき電源問題 停電の脅威にいかに対処すべきか」を参照ください。

スペースの効率的な利用と騒音対策

サーバールームは成長の途上にある企業で、サーバーやネットワークの管理体制の整備やBCP対策に取り組む必要が生じたために設置されることとなります。特に賃貸オフィスなどでスペースが不足するケースは多く、その後の拡張性も見越して最適な設置方法を見極める必要があります。スペース利用の効率性やコストの観点からここ10年近くはラックマウント型のサーバーが、タワー型やブレードサーバーと比較してシェアを伸ばしています。ラックの積み上げにおいてはスペースの有効活用とともに、上下の隙間をなくすなどの空調設計や台数の増加による騒音対策にも気を配ることが求められます。

ネットワーク機器やケーブル配線のポイントは?

サーバールームの構築・運営にあたっては、サーバー本体だけでなくネットワーク機器やケーブル配線などの知見も重要です。サーバー本体に比べてケーブリングの設計は重視されにくく、ケーブルの役割やネットワーク構成がブラックボックス化していたり、ケーブルの本数が多すぎることで温度管理に影響をおよぼしたりするケースも見られます。

サーバールームはただ稼働すればよいだけでなく、後の拡張性も考えてレイアウト・配線を設計することが求められます。例えば、架上配線は配線の作業性が高いですが、ケーブルが床下に収められる床下配線に比べ、見た目に煩雑になったり侵入者にとって構造が理解しやすかったりといった問題点もあります。そこで、入退室管理を徹底するとともにケーブルの色分けやラベリング、あるいはDCIM(Data Center Infrastructure Management)ソフトウエアなどを活用して、機器とネットワークの状況を物理・システムの両面から管理する取り組みが推奨されます。

サーバールーム構築の柔軟性を高めるリース・レンタルの可能性

自社のIT利用の中心であり、有形・無形を問わず高価な資産が多く設置されるサーバールームの構築・運用を適切に行うことは容易ではありません。そこで、データセンターを利用してホスティング、ハウジングといった形で専用の施設に自社のデータを集約したり、クラウドに移行したりといった流れが近年で進められてきました。

しかし、既存のシステムとの兼ね合いやどうしても自社内で管理しておくべきデータがあるなどの理由から、ほかの選択肢と組み合わせてサーバールームが利用されるケースが増えています。高価なサーバーの調達コストを平準化し、フレキシブルにオンプレミスでデータを管理するにあたって有効な手段としてリース・レンタルが挙げられます。

初期コストを抑えられるだけでなく、経理や資産計上の面でのメリットでリースが選ばれる場合も少なくありません。2026年度以降に実施されるリース会計基準の改正の動きはあるものの、サーバー利用の選択肢を購入以外にも広げることは重要です。

データセンターやクラウドが伸長するからこそオンプレミスの知見は希少なものに

サーバールームの構築・運用のポイントについて解説してまいりました。データセンターやクラウドなどの市場が伸長する昨今ですが、サーバールームに求められる条件やリスクを押さえていなければ、それらのサービスを適切に利用する判断は難しくなります。クラウド時代だからこそ、オンプレミスのサーバー利用に関する知見を積極的に押さえていきましょう。

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