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製造業が必ず考慮すべき電源問題 停電の脅威にいかに対処すべきか

レンテックインサイト編集部

2022年3月、宮城・福島で発生した地震の影響により大規模停電が発生しました。またその後も電力不足により、一時関東・東北地方の一部で電力需給ひっ迫警報が出されました。自然災害をはじめとする停電リスクが存在する一方、IoTなど電力需要は増加する状況下で、いかに備えるかが問われます。
本記事では、IoT時代の停電問題について取り上げ、UPSなど有効なBCP対策についてまとめて解説します。

IoT時代の電源問題……停電対策はなぜ重要?

脱炭素の取り組みが進み、製造業のエネルギー源としての電力の割合は増加を続けています。我が国は世界有数の電力の安定供給で知られますが、同時に災害大国でもあり、また世界情勢の変化による資源不足なども考えられることから、電源に関するBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)に取り組むことが重要になってきています。

特に、工場内にサーバーが分散配置されるエッジコンピューティングや、センサーにより機器からデータを24時間365日通信するIoTの大敵となるのが停電や電圧低下です。機器が稼働せずダウンタイムが発生してしまうだけでなく、重要なデータが消失してしまう可能性もあります。

たとえ瞬低・瞬断であっても生産ラインやデータにもたらされる影響は非常に大きなものになるかもしれません。2018年9月の北海道胆振東部地震では、日本初の大規模停電(ブラックアウト)により甚大な経済的損失が生じたとのことです。

また、リモートワークが増加する中で、工場よりも脆弱な傾向にある家庭用電源で「ブレーカーが落ちる」などの原因により、通信が止まってしまう・データが失われてしまうリスクも高まったと考えられます。

電源確保にまつわるBCPはものづくり企業にとって考慮すべき課題の一つといえるでしょう。

UPSとは? メリットや機能を解説

停電や瞬断の備えとして真っ先に挙げられるのが「UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)」です。装置とコンセントの間に設置する電力維持のためのシステムであり、一般に電力を交流に変換するためのインバータ部と、蓄電池部で構成されています。

また、「常時インバータ給電方式」「常時商用給電方式」「ラインインタラクティブ方式」といった種類が存在し、「常時インバータ給電方式」は常にインバータを経由して電力を供給するため瞬断の心配がなく、「常時商用給電方式」は停電や過電圧の検知時のみインバータ給電に切り替えるため瞬断のリスクを伴う分小型で低コストな傾向にあります。「ラインインタラクティブ方式」は「常時商用給電方式」がトランス(変圧器)を伴うものとお考え下さい。

UPSの主な目的はインシデント発生時に機器をデータの消失や故障といったリスクから守ることです。そのため、バックアップ可能な時間は数分~10分程度と長くありません。その間に機器を安全にシャットダウンする、非常用電源に切り替えるなどの対処を行うことが求められます。
自動シャットダウンや電圧低下のアラートなどの機能を備える機器が多いのもそのためです。また、落雷や機器の発する電波によるノイズ干渉対策にもUPSは有効です。

UPSの活用方法と“攻め”のUPS利用の可能性

7,000ボルトを超える特別電圧で電力を受ける場合、常用線と予備線の用意される2回線以上の受電方式が採用されることになるでしょう。その場合、停電のリスクが低下することを踏まえて瞬時電圧低下補償装置が用いられる場合もあります。こちらはUPSとは異なり、瞬低あるいは瞬停にのみ対応する装置となります。コストとリスクを照らし合わせて、いずれを利用するかを判断することが求められます。

また、大規模災害時には停電は数日~1週間など長期間続くことも考えられます。それに備え、発電機や非常用電源を用意しておくことも企業のBCPとして重要です。大規模な電力全てを賄うことは不可能なため、災害時にどの電力を優先して確保するのか事前に検討しておくことが求められます。電力を的確に割り振りつつ、機器の故障やデータの損失を防ぐためにも、UPSを上手に使い、必要な機能のみを残すことを検討してみてください。

また、インシデント発生時の信頼性と合わせて、通常時の効率や機能にも目を向けるのが賢いUPSの利用において重要です。具体的にはUPSの消費電力やバッテリー寿命、リモートコントロール性、耐環境性能などに目を向けましょう。設備や空調など設置環境の省エネに生かすという攻めのUPS利用も広まりつつあります。

「最悪」の事態を想定し、「最良」の備えを

IoT・エッジコンピューティング時代の停電対策について取り上げてまいりました。最悪の事態を想定し、事前に最良の備えを行うことがBCPの基本です。「備えあれば憂いなし」を合言葉に、貴重なデータや機器を守ることのできる万全の体制を整えましょう。

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