ホームIT2025年問題(昭和100年問題)、2027年問題、2036年問題、2038年問題……コンピューター関連の20XX年問題まとめ

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2025年問題(昭和100年問題)、2027年問題、2036年問題、2038年問題……コンピューター関連の20XX年問題まとめ

レンテックインサイト編集部

「2000年問題」から20年以上が経ち、近年では平成から令和への改元対応に追われた記憶も冷めやらぬ中、次に懸念されているのが「2025年問題(昭和100年問題)」です。また、「2027年問題」「2036年問題」「2038年問題」など、ほかにも情報システム担当者が知っておくべき「20XX年問題」はさまざまです。
それぞれどういった問題で、どのような対応が求められるのでしょうか。今後訪れる「20XX年」問題についてまとめてご紹介します。

「2025年問題(昭和100年問題)」は、昭和換算で2桁しか対応していないシステムの限界

「2025年問題」は、昭和100年問題とも言われる通り、昭和元年(1925年)から100年を数える同年において、昭和換算で2桁しか対応していないシステムが障害を起こす可能性があることを指す「20XX問題」です。

西暦年号で下2桁しか対応していないシステムに不具合が起こることが予想された「2000年問題」や、昭和から平成、平成から令和への改元に伴う改修に伴い、多くのシステムは対応済みのはずですが、人員や危機感の不足からシステム対応を先送りにしていた企業もないとは言い切れません。

特に、期間の限られる中で見た目上の表示のみ新元号に対応したシステムも存在することが考えられるため、注意が必要です。

また、2025年といえば政府がレガシーシステム刷新の一つの目途としている「2025年の崖」や、団塊世代の引退に伴い日本の高齢社会が一段と進展する「2025年問題」の年でもあります。

同年を一つの指標に、自社のシステムを洗いなおすことが、「2025年問題(昭和100年問題)」の対策にもつながるでしょう。

「2027年問題」は『SAP ERP 6.0』の保守サポート期限の限界

2025年からたった2年後の「2027年問題」は、ERP(統合基幹業務システム)として多くのシェアを占めていた『SAP ERP 6.0』の標準サポートが2027年末に打ち切られることを指します。これは、2011年に発表されたEhP(エンハンスメントパッケージ)6以上を導入している場合の話であり、EhP5以下のユーザー企業の保守期限は2025年末まで。また、EhP6以上のユーザーには保守基準料金を2%追加することで保守期限を2030年末まで伸ばすプランも用意されています。

しかし、いずれにせよ、「2027年問題」が「2030年問題」に延びるだけであり、根本的な解決にはつながりません。SAPの最新版ERPである『SAP S/4HANA』の導入、あるいは他社製品への移行(マイグレーション)を選択することが、多くの企業に求められています。

※ERPについて詳しくは『ERP(統合基幹業務システム)とは? 用途やメリット、導入の注意点を解説』をご参照ください。

「2036年問題」はNTPで扱える値の上限値の限界

「2036年問題」は、UTC(協定世界時)1900年1月1日午前0時からの経過秒数で日時を表現するNTP(Network Time Protocol)が、2036年に上限値である42億9496万7295秒を迎え、オーバーフローを起こしてしまうことで生じます。NTPとは、インターネットなどで用いられているTCP/IPネットワークの時刻合わせで用いられているプロトコルのことです。

具体的にはUTC2036年2月6日6時28分15秒(日本時間における2036年2月6日15時28分15秒)がその境界日時とされています。この問題の対策としては、現在32ビットで対応しているシステムを64ビットに改修する、最上位ビットが0の場合は2036年2月6日6時28分16秒を基準として取り扱うよう読みかえる、といった方法が存在します。

「2038年問題」はUNIX時間で扱える値の上限値の限界

「2038年問題」は、UTC1970年1月1日午前0時からの経過秒数で日時を表現するUNIX時間が、32ビットで対応している場合にその上限値である21億4748万3647秒を超え、オーバーフローを起こしてしまうことで生じます。UNIX時間はその名の通りUNIXやC言語のtime_t型などで用いられており、多くのプログラムではすでに64ビットに置き換えられています。

具体的には、UTC2038年1月19日3時14分7秒(日本時間における2038年1月19日12時14分7秒)がその境界日時とされています。この問題の対策としては2036年問題と同じく64ビットへの改修や、時刻起算点の変更などが挙げられます。

「20XX年問題」への対応では“長期的目線”が求められる

2025年以降に起こりうる「20XX年問題」について概要をまとめてまいりました。それぞれ、当時のコンピューターが扱えるデータ量の限界や人員・予算不足などによって生じた構造的欠陥であり、直面した場合はその後数十年を見据えた対応が求められます。レガシーシステム刷新の機運が高まる昨今、今後も起こりうる「20XX年問題」への対応は重要なものとなるでしょう。

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