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リモートメンテナンス導入を成功に導く三つのポイント

レンテックインサイト編集部

IT Insight リモートメンテナンス導入を成功に導く三つのポイント

画像素材:Adobe Stock

遠隔地からも機器・設備の保守・管理やトラブル対応が行えるリモートメンテナンス。コロナ禍で非対面のやり取りが推奨されるようになったこともあり、導入は一層進んだように思われます。

しかし、現場で行うメンテナンスとリモートメンテナンスでは、当然ながらできることに違いがあります。リモートメンテナンス導入を成功に導くには、それに合わせた準備とリサーチが必要になります。

本記事では、リモートメンテナンス導入に向けて押さえておきたいポイントを三つのポイントを解説します。

リモートメンテナンスのメリットと普及の背景

最初にリモートメンテナンスとは何かをもう一度おさらいしておきましょう。情報通信技術の発達により、遠隔地の拠点や他社工場などに設置した機器のデータをほぼリアルタイムで取得することが可能になりました。そこで現れたのが、リモートメンテナンスです。現地にわざわざ足を運ばなくて済むこと、常時機器のデータがモニタリングできることで以下のようなメリットが得られることが期待されます。

  • エンジニアの派遣等、移動コストの削減
  • 非対面による感染症リスクの軽減
  • 定期点検・予防保全等のメンテナンスが容易
  • トラブルの自動検知、通報で対処が迅速化
  • トラブルへの即時対応による顧客メリットの増加
  • 消耗品の部品手配などインサイドセールスの可能性

リモートメンテナンスの概念自体は10年以上前からありますが、5Gの通信環境がより高速・大量のデータ通信を実現すること、コロナ禍を経て非対面のサービスの価値が高まったこと、IoTへの産業界の注目が高まっていることなどから、今後はさらに一般的になるはずです。

さて、ここからはリモートメンテナンスのポイントを三つのポイントで見ていきましょう。

ポイント1:「できること・できないこと」を把握する

新しい施策を導入する場合の常として「できること・できないこと」を正確に把握しておくことがカギとなります。それでは、できないことにはどのような事象が該当するのでしょうか。

物理的な故障の修理

基本的に、リモートメンテナンスは機器・設備やPLCにIoT端末を接続し、データを取得することで行います。そのため、対応できるメンテナンス内容には限りがあり、ハードウエアの不具合では現地に足を運んで修理しなければならないことがほとんどです。
しかし、そもそもハードウエアの不具合なのか、リモートでオペレーションを行うことで解決できないかなどの判断ができるとできないとでは、コストは大きく変わってきます。
また、リモートメンテナンスによる予防・保守によって不具合を未然に防げることは、ハードウエアのメンテナンスコスト改善にも貢献します。

対応外の設備のモニタリング

そもそも旧式の機器・設備やPLCの場合データ取得自体が難しい場合もあります。
基本的にはIoT端末を通じてデータを取得できる機器・製品であることを確認してから、リモートメンテナンスの導入に進むことが推奨されます。ただし、旧式の機器であってもメーターから画像認識で読み取った数値をデータに変換するなど、データを取得する方法はあります。

ポイント2:“サイバー攻撃の発生”を前提としたセキュリティ対策を

リモートメンテナンスの導入にあたっての疑問点として最も割合が高いのが「セキュリティ面に不安はないのか」というポイントでしょう。製造業でのリモート通信が一般化すれば、工場へのサイバー攻撃も当然増加すると考えられます。

リモートメンテナンスに伴うセキュリティ対策で重要なのが“必ずサイバー攻撃は発生する”という前提で考えること。ウイルスの侵入があるとすればどの経路が考えられるのかを洗い出し、問題を未然に防ぐためのルールと、検知した場合の対応策を設定していきましょう。

経済産業省が独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と策定したでは、10項目でサイバーセキュリティ責任者が遂行すべき指示がまとめられています。まずは同資料に付属の「サイバーセキュリティ経営チェックシート」で自社のサイバーセキュリティのあり方について振り返ってみてもいいかもしれません。

ファイアーウォールやUTM(統合脅威管理)、機器の登録などによる具体的な対策を講じる際も、まずはリスクの発生源を把握しておくことが役立ちます。

ポイント3:情報量と使いやすさのバランスが現場への定着に関わる

機器からデータを取得でき、またセキュリティ対策をガイドラインに従い徹底したとしても、リモートメンテナンスの仕組みが上手く現場に定着しなければ意味はありません。例えば通信状況などの影響によりデータが欠落してばかりでは、結局参考にならず現地に足を運んだ方が早いという判断になってしまいます。

安定してデータが得られることはもちろん、データからは得られない情報も取得できるようカメラ映像などで多角的に情報を収集できる仕組みが望ましいです。昨今は、のデジタルツインによりバーチャル上で工場を再現するサービスも登場しています。

とはいえ、情報過多もユーザビリティにとってはマイナスです。設定や画面のシンプルさなどUI・UXについてもリモートサービス導入時には必ず確認しておきましょう。

三つのポイントを順に確認することで理想像が見えてくる

リモートメンテナンスの普及が今後も進むことを見越して、注意すべき三つのポイントについて解説してまいりました。
ご紹介した三つのポイントを順番に検討していくことで、手戻りが少なく自社にとって最適なリモートメンテナンスの対象、あり方が浮かび上がってくるはずです。セキュアかつ、メリットが最大限得られるリモートメンテナンスの形を探っていきましょう。

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