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製造業が注目するデジタルツインとは?

レンテックインサイト編集部

製造業を中心にデジタルツインという技術が注目を集めています。2021年現在では、一部の先進的な国家や企業によって取り組みが進められている新しい技術です。デジタルツインが実用化されると製造業にとって多くのメリットがあり、今後普及していくことが期待されています。

本記事では、将来を見据えて今のうちに知っておきたいデジタルツインの基礎知識や活用メリットなどをご紹介します。

デジタルツインとは?

デジタルツインとは、IoTやAI、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの最新デジタル技術を活用して、デジタル空間上に現実とそっくりなバーチャルモデルを再現することです。「ツイン(双子)」という言葉が表すように、現実に近い環境をそのまま再現することによって、精度の高いシミュレーションを行うことを目的としています。

デジタルツインが従来のシミュレーションと大きく違うのは、リアルタイムでバーチャルモデルが変化することです。従来のシミュレーションの場合は、あらかじめ想定した条件を組み合わせてバーチャルモデルを作成するため、今まさに起こっている事象を捉えることはできませんでした。

それに対して、デジタルツインではIoTを活用して実際に動いている生産ラインや設備などから膨大なデータをリアルタイムで収集します。収集したデータをAIが分析し、バーチャルモデルを常に変化させることで、現実世界で起こっている事象を忠実に再現することができるのです。

デジタルツインの活用メリット

デジタルツインにはさまざまなメリットがあり、実用化が期待されています。主にドイツやアメリカなどの製造業企業で取り組みが進められていますが、日本では都市計画でデジタルツインが活用された例もあり、さまざまな分野に適用できる技術でもあります。

ここでは、製品開発、製造工程、アフターサービスの3つの観点から製造業におけるデジタルツインの活用メリットをご紹介します。デジタルツインが製造業を大きく変える可能性があると感じていただけるのではないでしょうか。

製品開発でのデジタルツインの活用

デジタルツインを活用することによるメリットが特に大きいと言われているのが、製造工程です。

生産ライン全体をデジタルツインで再現しておけば、製造プロセスで起こったトラブルをすぐにデジタル上で分析し、改善できるようになります。製造業のトラブルの中には、時間が経つと原因が分からなくなるものも多いです。しかし、デジタルツインであればデータを基にして過去の生産状況も再現できるため、原因を追求しやすくなります。

また、現実の生産ラインで人員変更やプロセス変更を試すことは難しいですが、デジタル上であれば容易にシミュレーションできます。そのため、需要に合わせて人員を再配置したり、リードタイム短縮のためにプロセスを入れ替えたりと、さまざまな方法で最適化を図れるようになります。

もう一つ、製造工程でのメリットとしてよく言われているのが、設備保全です。例えば、実際に動いているロボットの動作状況を遠隔で確認する、部品の劣化などの故障の予兆を検知して故障する前にメンテナンスを行う、といったことがデジタルツインによって実現できます。

アフターサービスでのデジタルツインの活用

デジタルツインは、製品のアフターサービスを充実させるためにも役立ちます。

例えば、製品に取り付けたセンサーによってユーザーの使用状況を分析し、最適な使用方法を提案したり、故障時期を予測してメンテナンスを実施したりする使い方が想定されています。これは、製造業が単に製品を売るビジネスモデルから、サービスを提供するビジネスモデルへ転換するきっかけになるといえるでしょう。

また、実際にユーザーがどのように使用しているかがデータとして蓄積されるため、顧客のニーズに合った新製品やサービスを開発するために役立てることができます。

デジタルツインは製造業を革新させる

デジタルツインは製造業を革新できる可能性が高く、注目を集めている技術です。トレンドであるDXにも深く関わる内容であり、今後も技術開発が進んでいくでしょう。

現在は先進的な技術ですが、いずれは、デジタルツインも一般に普及すると考えられています。デジタルツインの活用事例を学んだり、IoTによるデータ収集を始めるなどして、備えておきたいものです。

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