本記事ではRaaSとはどのようなサービスなのかを解説しながら、RaaSの登場でロボット運用がどう変わるのかをご紹介します。
ロボットは製造業を中心に活躍するハイテクソリューションですが、活用にあたっては導入コストの問題や業務プロセスの刷新など、多くのハードルを乗り越えなければなりません。
このような負担を解消するために登場したのがRaaSと呼ばれるサブスクリプションサービスで、効率的なサービス提供により、従来と比べてそのハードルを大幅に低くすることができます。
ロボットの活用において課題とされてきたのが、導入コストの問題です。ロボットはハイテク機器であるため、どうしても導入時の費用を抑えることが難しく、十分な予算の確保が求められます。
また、ロボットの運用には専門の知識も必要であり、ロボットを扱うために従業員に研修を受けさせたり、新しく知識のある人材を確保したりする負担も強いられることも問題視されてきました。
このようなロボット活用の課題を解決するために近年活用が進んでいるのが、RaaSと呼ばれるサービスです。
RaaSはRobotics as a Serviceの略称で、ロボットを開発、および提供するロボティクス企業から、ロボットを活用したい企業が必要なときに必要なだけロボットを貸し出してもらえるサブスクリプション形式のサービスです。
今までロボットの導入は、本体を購入して運用するというオンプレミス形式が一般的でしたが、RaaSの登場により、ロボット導入の課題もサブスクリプションサービスの利用で解決できるようになったというわけです。
RaaSを活用することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。最大のメリットは、やはりロボット導入に伴う全般のコスト削減が進むことでしょう。
サブスクリプション料金さえ払えばロボットを必要な分だけ確保できるので、自社で購入するのに比べてはるかに導入コストを抑えることができます。
また、RaaSはロボットの導入コストだけでなく、その周辺のコストについても解消可能です。例えばロボットの維持管理コストもサービスベンダーが負担してくれるので、自社でその責任を負う必要はありませんし、時代のニーズに合わせた最新のロボットを、買い替え負担なく利用することもできます。
これらのコストをRaaSの利用によってまとめて解消し、人材の確保や育成に時間や予算を割けるようになるでしょう。
RaaSの利用にあたっては、主に「時間ベースでのリース契約」と「タスクベースでのリース契約」の二つの契約方法があります。それぞれでどのような契約を結ぶことになるのか、あらかじめ確認しておきましょう。
時間ベースでのリース契約は、契約企業がどれくらいの期間、ロボットを使用するかによって、料金が変動するタイプの契約です。
RaaSがどのようなサービスなのかとりあえず試してみたいといった試験運用や、短期間での運用に適している契約プランといえます。ロボットを使ってどんな業務をこなせるか、ということを確認したい際にも適しているでしょう。
タスクベースのリース契約は、あらかじめロボットに任せる業務範囲を確定し、ロボットの実行したタスク量に対して料金が変動するタイプの契約です。
あらかじめ業務範囲が決まっているため、ロボットの扱いに慣れている企業や、明確なロボット導入の目的が定まっている企業にとって適した契約といえます。
RaaSの概要と、導入によって期待できるメリットについて解説しました。
RaaSはロボットをより身近に体験し、業務効率化をスムーズに進める上で重要なサービスの一種です。 コストパフォーマンスに優れるRaaSは、大企業はもちろん、中小企業がハイテク化を進める上でも非常に便利なサービスであるため、大企業との技術的ギャップを埋めたり、ビジネスを新たに創出したりする大きなきっかけにもなるでしょう。
中小企業大国である日本でRaaSの拡充が進めば、いずれは技術レベルの底上げが進み、グローバルスタンダードに引けを取らない産業大国としての復活も見込めるはずです。