ロボット Insight

ロボット活用の基礎知識~RFP作成編~

レンテックインサイト編集部

前回は、ロボット導入のための要件検討として、工場内のレイアウト検討、導入費用の試算、運用体制の構築についてご紹介しました。 今回は、ロボットSIerやロボットメーカーに提示するRFP(提案依頼書)の作成方法についてです。

RFP作成の流れ

RFP(Request For Proposal:提案依頼書)は、システムの導入や外部に業務を委託する際に、発注先候補の会社に提案を依頼するための文書です。 ロボットシステム導入の目的、要件、制約条件、予算、スケジュールなどを記載します。

RFPは、社内で検討した要件を発注先候補の会社に伝えて、要件をどのように実現するか、その場合の費用はいくらかということを提案してもらうためのもので、開発仕様書ではありません。

発注先候補の会社は、RFPをもとにして提案書を作成します。依頼元は、各社の提案書の内容について総合的に評価し、選定の材料として役立てます。

RFPを発注先候補の会社へ提出するまでの依頼元の流れは次のようになります。

【RFPの作成】

RFPを作成します。関係部署と連携し、合意を得ながら制作を進めます。

【発注先候補の選定】

ロボットSIer、ロボットメーカーから候補を複数社選定します。 候補先はWebサイトで導入事例などを検索し、調査することも可能です。

【RFPと発注先候補の社内承認】

作成したRFPを決裁者が検討し、費用対効果の判断のもと、内容を承認します。 決裁者にはシステムインテグレーターの費用のほかに、年間でかかる運用費用を想定して事業計画を提案する必要があります。

【ロボットSIer・ロボットメーカーへRFP提示】

発注先候補であるロボットSIer・ロボットメーカーへRFPを提示して提案を依頼します。RFPに関する不明点は速やかに解決し、 質疑応答は全ての発注先候補と共有するようにします。

【発注先の選定】

提案を総合的に評価して、発注先を選定します。

RFP作成の方法とは

RFPには具体的にどのようなことを記載すればよいのでしょうか。依頼元として記載するべき項目は次のものになります。

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(図:RFP 依頼元記載項目一覧)

また、発注先候補の会社に提案書に記載してほしい項目を記載します。発注先候補の各社の提案のレベルを揃えて評価しやすくするためのものなので、RFPには項目のみ記載します。

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(図:RFP 発注元記載項目一覧)

発注先の選定方法

発注先候補の会社ではRFPをもとに提案書を作成し、提出します。どの会社でもRFPに記載されている要件に対して実現可能な提案をするため、評価が難しく価格で決めてしまうことも少なくありません。

価格だけの判断にならないように、あらかじめ評価項目を決めておきましょう。 「プロジェクト体制」「将来の拡張性」「今までの開発実績」「提案内容の業務適合性」「運用のしやすさ」などでそれぞれ評価して、最終的に決定することが大切です。

どの評価項目を優先するかを決めて、提案通りに導入した場合のリスクも合わせて検討しておきましょう。

あいまいさを極力残さないRFPづくりを

発注先候補の会社は、社内の状況や工場の様子などをそれほど知らない状態で提案しなければなりません。また依頼元としても、各社の実力や対応の姿勢などははっきりわかっていません。

そのような状況のなかで一緒になって導入を進めていく関係を作るためには、RFPは極力具体的に記載するのがポイントです。 記載があいまいだと提案内容もあいまいになってしまい、コストが後で大幅にかさみ、スケジュールが遅れてしまう原因になります。

一緒に構築を進めていけるパートナー企業を正しく選定し、スムーズな導入を進めていくためにも、RFPについて社内で認識を深め、しっかりと作成することが大切です。

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