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遠隔でのコミュニケーションをスムーズにする「テレプレゼンスロボット」とは

レンテックインサイト編集部

IT Insight 遠隔でのコミュニケーションをスムーズにする「テレプレゼンスロボット」とは

コロナ禍により人々の行動の場が制限される中で、感染防止対策の一つとしてテレプレゼンスロボットが注目されるようになりました。 本記事では、医療現場や展示場などで働く、遠隔操作型コミュニケーションロボット「テレプレゼンスロボット」とは何か、市場動向や活用方法について解説します。

テレプレゼンスロボットとは

テレプレゼンスロボットは、遠隔地にいるユーザーがその場にいるかのような体験を提供するためのロボットです。主にビデオ通話の技術と組み合わされ、ロボットに搭載されたカメラ・マイク・スピーカー・ディスプレイ等を通じてコミュニケーションを行います。 遠隔操作が可能なものもあり、カメラの向きの調整やロボット自体の移動を遠隔操作し、遠く離れた場所でのその場にいるかのような対面でのやり取りを実現します。
テレプレゼンスロボットの移動機能を使えば、建物内を移動しながら会話することが可能です。そのため博物館、美術館などで案内係を担ったり、病院で患者の症状を確認したり、工場内で設備の故障診断を行うなど活用方法はさまざまです。

テレプレゼンスロボットの市場動向

テレプレゼンスロボットの市場動向はコロナ禍で大きく変化しました。コロナ禍以前は、テレプレゼンスロボットの活用方法は限られていて、特に日本は対面でのコミュニケーションが根強い文化として残っており、海外に比べてニーズがない状況が続きました。

ところがコロナ禍が発生してからは、状況が一変しました。特に医療機関ではコロナウイルスの感染防止のため、医療従事者が感染患者との接触を少なくするために、世界各国でテレプレゼンスロボットの活用が進みました。

それに伴い、病院以外にも街中で見かける機会が増えました。例えばテレプレゼンスロボットが水族館内を案内する見学するツアーが現れたり、学校の卒業式にテレプレゼンスロボットが出席したりする事例も聞かれるようになりました。

テレプレゼンスロボットの活用方法

テレプレゼンスロボットの具体的な活用方法を二つのパターンに分けて解説します。

●一般ユーザーが利用する場合

一般のユーザーがテレプレゼンスロボットを利用する機会としては、施設の見学などがあります。例えば展示会や観光施設に直接行くのではなく、ロボットが施設内をめぐりカメラ越しに見学することができます。

そのほかには介護施設に入居している家族と、直接の面会を避けてロボット越しに会話するといった例もあります。家族が遠隔地にいても簡単に面会できるというだけではなく、単なる画面越しのビデオ通話ではできない、周囲の状況を把握するなど、入居者の様子がより伝わりやすくなるメリットがあります。

●事業者が利用する場合

事業者がテレプレゼンスロボットを活用する例としては、オフィスビルの警備や点検があります。警備員が確保できない場合などに、遠隔からの警備が可能となり、省効率化を実現できる可能性があります。

その他には講演会や研修などで、講師が会場ではなく遠隔地から講演を行う例もあります。 講師の方が多忙な場合でも、移動負荷の軽減により柔軟なスケジューリングが可能となります。

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テレプレゼンスロボットの注意点

活用の場が広がるテレプレゼンスロボットですが、運用上で気を付けるべきポイントがあります。大きく三つのポイントを解説していきます。

●肖像権・プライバシーの侵害

テレプレゼンスロボットは移動しながらカメラで映像を撮影するロボットです。そのため移動中に映った映像が肖像権やプライバシーを侵害するリスクがあります。例えば施設内では移動式カメラが存在することをあらかじめ周知するなどの対応が必要となります。

●ロボットの転倒や接触事故

テレプレゼンスロボットは移動中に階段や段差で転倒する、歩行者と接触して怪我をさせるといったリスクがあります。リスクを回避するシステムが組まれているのが一般的ですが、ロボットのシステムの進入エリアを広げて自由度を高めるなどすると、リスクが増加するため注意が必要です。また転倒した場合の復帰方法をあらかじめ決めておくことも重要です。

●ロボットの迷子

テレプレゼンスロボットを操作のため接続したときに、現在地が分からず迷子になることがあります。現在地が分からないと目的地に到達するまでに手間や時間がとられてしまいます。

テレプレゼンスロボットは活用が広まる可能性がある

テレプレゼンスロボットはコロナ禍がきっかけとなり、技術の進化や用途の拡大が進められてきました。現在ではさらにバーチャルリアリティーを活用して、臨場感を与える技術の開発も進められています。そのほかにも温度や振動、力を感知するセンサーが搭載され、遠隔操作する人に感覚を伝える方法も現れており、新たな技術や活用方法が注目されるようになってきています。

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