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鋳造工場で働くロボット

レンテックインサイト編集部

本記事では、鋳造工場で活躍するロボットの種類や導入目的・効果などについて解説していきます。

国内の鋳造工場のメインは、日本にとって重要な自動車産業が占めています。
しかし近年では少子化による人手不足が深刻化しているほか、鋳造工場は熱やミストなどで安全面や悪環境が問題になっています。さらには中国などの新興国で安く安定した品質のパーツが生産されるようになっており、国内生産を継続するためにはロボット化を進める必要性が高まっています。

鋳造工場のロボットの種類

近年では各メーカーによってさまざまなロボットが現れていますが、共通する代表的な4種類のロボットについて解説していきます。

鋳造工場の多くは高温でミストが充満していたり、金型など重量物が絶えず運搬されていたりなど危険な環境が多いため、ロボット化が強く求められる環境だといえます。

給湯ロボット

給湯ロボットは溶けたアルミニウムや鉄を専用のラドルを使って鋳造機に供給するロボットです。従来はリンク機構を用いた専用の自動給湯機が用いられており、モーターのエンコーダーで給湯量を制御する方式が取られてきました。この方式の場合、リンク機構の摩耗などでずれが生じやすく給湯量のバラツキが発生してしまいます。また、メンテナンスを行う場合、高温の炉周辺での危険な作業になるという問題もありました。

その点、給湯ロボットはサーボモータを用いているため、ミクロン単位で繰り返し位置決めが可能で、給湯量のバラツキを抑えやすくなります。また、メンテナンスの際はロボット本体ごと予備機に交換することで、危険な炉周りでの部品交換をすることなく安全に作業を行うことができます。

搬送用ロボット

搬送用ロボットは鋳造機で凝固した製品を機外へ取り出し、水槽などの冷却装置・余分な湯道を除去する堰折機・払い出しコンベアなどの設備へ搬入出するために使われるロボットです。複数の設備間を移動するためにストロークが長い大型のロボットが用いられます。搬送用ロボットは高温環境下で使用されている上、生産数を確保するために移動速度が速い状態で、繰り返し動かす必要があり、耐熱性・耐久性に優れたロボットでなくてはいけません。

スプレーロボット

スプレーロボットは鋳造機に離型剤を噴霧するためのロボットです。ロボット化される前はノズルが複数設置されたスプレー装置が用いられていましたが、生産する品種ごとにスプレーの必要な位置が異なるため、それぞれ専用ユニットを製作し、装置を載せ替えるなどコストやメンテナンスの負担が大きい問題がありました。

ロボット化のメリットは、汎用のスプレーユニットを用いて適切なスプレー位置を教示者がプログラムで制御できることです。そのため品種ごとに専用ユニットを製作する必要がありません。プログラムを分けて作成すれば、スプレーユニットの載せ替えといった面倒な段取り替えが不要になります。

バリ取りロボット

バリ取りロボットは鋳造した製品についている余分なバリなどを除去するロボットです。
バリとは金型の隙間などに侵入して固まった薄い金属のことで、除去せずに製品についたまま流出すると製品の故障にも繋がります。

従来は作業者が手作業でベビーグラインダーなどを用いて除去する方法がとられていましたが、品質が安定せずに製品に傷をつけてしまうことや、バリが取り切れずに流出する問題がありました。また細かいバリで手などを怪我することや、除去したバリの粉塵を吸い込むなど健康被害も起きやすい作業でした。

その点、バリ取りロボットは、安定した品質の生産ができ、また防塵対応のロボットを導入すれば悪環境でも長期間使用できるといったメリットがあります。

鋳造工場で働くロボットに必要な特長

ここまで4種類のロボットについて解説してきましたが、鋳造工場で働くロボットはいずれも悪環境・高負荷で稼働されています。そのため高い耐熱性・防塵性・耐久性が必要になります。また多品種少量生産が進む近年の鋳造工場では、教示がしやすく時間がかからない、プログラムの管理が容易にできるといったユーザーフレンドリーも重要な要素です。

鋳造工場のロボット化は今後も進んでいく

鋳造工場のロボット化について、ロボットの種類や導入メリットなどを解説してきました。慢性化する人手不足や、品質向上・コスト対策などを考えてロボットを導入する工場が増えてきています。日本国内には産業用ロボットを手掛ける有力なロボットメーカーも多く、導入へのハードルは低い環境が整っています。鋳造工場が国内に残っていくためには人件費の安い新興国との競争に勝ち残っていく必要があり、そのためにも今後も更なるロボット化を進めていく必要があるのではないでしょうか。

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