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インフラ検査で活躍するロボット

レンテックインサイト編集部

ロボット Insight インフラ検査で活躍するロボット

昨今では、インフラの検査やメンテナンスでロボットを活用する事例が増えています。インフラの中には人の立ち入りが困難な箇所も多いため、ロボットの活用が効果的です。本記事では、インフラ検査で活躍するロボットをご紹介します。

インフラ検査におけるロボットの重要性

日本では、道路・橋・トンネルといった各種インフラが高度経済成長期に集中的に整備されました。それらのインフラは、今後の約20年で建設後50年以上経過するものが加速度的に増加すると予想されており、一斉に老朽化が進んでいる状況です。

国土交通省が公開している「社会資本の老朽化の現状と将来」によると、2033年3月に建設後50年以上経過するインフラの割合は次のようになっています。

  • 道路橋(約73万橋):約63%
  • トンネル(約1万1千本):約42%
  • 水門などの河川管理施設(約1万施設):約62%
  • 下水道管きょ(約47万km):約21%
  • 港湾岸壁(約5千施設):約58%

このようにインフラの老朽化が懸念されている一方で、日本における建設技能労働者数は全体の1/3に相当する130万人が55歳以上と高齢化が進んでおり、労働力不足も深刻化しています。今後、インフラの検査やメンテナンスを担える専門的な人材が不足していくのは確実であり、効率化が求められている状況です。

そもそもインフラは、人が立ち入りにくい高所にあるものも多く、人の手で検査を行うのは危険が大きいという課題もあります。また、近年では地震や大雨といった自然災害が増加していますが、各種インフラを早急に復旧させるためには危険な区域に立ち入って調査をしなければなりません。

こういった背景から、人の代わりにインフラの検査やメンテナンスを担える存在としてロボットが重視されているのです。

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インフラ検査で活躍するロボットの種類

インフラ検査に関する課題を解決すべく、各種ロボットの開発が進められています。例えば、2014年から2018年にはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」において、ロボットの開発・実証実験が行われました。その後も官民を問わず、ロボットをインフラ検査に活用するための取り組みが進められています。

ここでは、インフラ検査において活躍が期待されているロボットの種類を三つご紹介します。

飛行型ロボット

飛行型ロボットとは、いわゆるドローンのことです。インフラ検査において、ドローンによる近接目視は効果的な選択肢の一つとなりつつあります。

例えば、橋梁の検査ではコンクリートの亀裂などの損傷がないかを隅々まで確認する必要があります。国土交通省は2013年の道路法改正によって、長さ2m以上の橋梁に対して5年に一度の近接目視を基本とする検査実施を義務化しました。高所での近接目視を実施するには足場などを仮設しなければならないケースが多く、作業者に危険も及びます。

しかし、ドローンを活用すれば、足場などの仮設に伴うコストや作業工数、人間が作業する際の危険リスクを押さえて検査を実施でき、広範囲の検査も短時間で完了できる点もメリットです。

吸着型ロボット

吸着型ロボットは、鋼材やコンクリートに吸着して動き回りながらインフラを検査するロボットです。磁力を用いる磁力吸着ロボットや、真空バキュームを用いた真空吸着ロボットなどの種類があります。

吸着ロボットはカメラやセンサーを用いて損傷の有無を確認します。また、機種によってはハンマーによってコンクリート内部の打音点検を行うことも可能です。それにより、ひび割れ、浮き、剥離などを遠隔で検査できます。

吸着型ロボットは、ドローンに比べると検査スピード自体は遅い傾向にあります。しかし、天候の影響を受けにくく安定した検査ができる、飛行申請の手間を省ける、カメラやセンサーを搭載しやすく高度な検査を行える、といったメリットがあり、用途に応じてドローンと使い分けられています。

ヘビ型ロボット

ヘビ型ロボットは、その名の通りヘビを模倣したロボットです。ヘビは手足がなく、紐のような単純な体ですが、うねりながら推進したり、木登りをしたりとさまざまな動きができます。このヘビの動きをロボットで再現することで、狭く見通しの悪い場所や高所、配管内などの無人検査が実現しつつあります。特に、狭い配管内の検査はほかのロボットでは代用しにくく、ヘビ型ロボットならではの用途として注目されている状況です。

機種によっては、防塵防水構造を採用し、水や砂、泥に対応しているものもあります。カメラやセンサーの小型化によって検査できる内容も増えているため、今後普及していく可能性が高いといえるでしょう。

インフラ検査におけるロボットの活躍に期待が高まる

昨今では、日本だけでなく世界中でインフラ検査にロボットが活用されています。ロボットによる検査にはさまざまなメリットがあるため、これから確実に広まっていくことでしょう。私たちの生活を支えてくれるインフラ検査ロボットの活躍に、期待していきたいところです。

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