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2022年、5Gはどこまで普及する?

レンテックインサイト編集部

測定器 Insight 2022年、5Gはどこまで普及する?

2020年に商用サービスの提供が始まった5Gは、2022年現在もサービスの拡大を続けています。5G対応のスマートフォンなどが増えてきた影響もあり、5Gの普及を実感している人も多いのではないでしょうか。

本記事では、5Gが2021年にどこまで普及したのか、また、2022年にどこまで普及する見込みなのかについて解説します。

2021年に5Gはどこまで普及した?

5Gの商用サービスは2020年3月に提供開始されましたが、当初は基地局の整備がほとんど進みませんでした。そのため、都市部のごく限られたエリアでしか5Gを使うことができず、特に地方在住の人はその恩恵を受けることはありませんでした。また、当時は一部のハイエンドなスマートフォンしか5Gに対応していなかったこともあり、5Gの注目度はそれほど高くなかったように感じられます。

しかし、2021年になると基地局の整備がかなり進み、5G対応エリアが急激に拡大しました。NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの5Gサービスエリアマップを見ると、各社で若干の違いはありますが、2022年3月時点で主要な都市部のほとんどが5G対応エリアとなっています。5G対応エリアをわざわざ探す必要があった2020年に比べると、都市部では意識せずに5Gを利用できるようになってきたといえるでしょう。

また、2021年には5G対応のスマートフォンが増加しています。5G対応で2万円台といった安価な機種も登場しており、ハイエンドな機種しかなかった2020年に比べると、5Gがより身近な存在になったことは間違いありません。

ただし、2021年になってもあまり進展がなかったのが、企業での5G活用です。5Gの商用サービスが提供開始された後、多くの企業が5Gを活用したソリューションに取り組んできましたが、その大半は今でも実証実験レベルにとどまっています。主な理由としては、企業がソリューションとして提供するにはまだまだ5G対応エリアが少ないことや、企業からのニーズが高い低遅延通信などが実用化できていないことが挙げられます。また、企業が独自に5G環境を構築できるローカル5Gに関しても、いまだ本格的な普及には至っていません。

2022年に5Gはどこまで普及する?

一般消費者向けではある程度の進展があったものの、2021年の5G活用はまだまだ限定的だったというのが正直なところです。しかし、2022年には企業での活用も含めて5Gが本格的に普及し始めると予想されています。

その背景には、5Gの普及を加速させたいという政府の意向があります。2021年12月21日の記者会見で、岸田文雄内閣総理大臣は5Gの人口カバー率を2023年度に9割まで引き上げると表明、その後総務省より2023年度末に95%まで高める方針が発表されました。現状の人口カバー率は都市部を中心に3割程度にとどまっていますが、デジタル技術によって地方を活性化する「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて、通信インフラの整備を進めるという方針です。その後、2021年12月28日には総務省が携帯電話事業者に対して5Gの基地局整備を加速させるように要請しています。

また、2021年度末までの期限だった「5G投資促進税制」が2024年度末まで延長されることも決定しています。「5G投資促進税制」は、5G関連の投資を支援する政策であり、投資額のうち一定の割合が法人税額から控除されることになります。その対象には、携帯電話事業者だけでなく、ローカル5Gへの投資を行う企業も含まれています。控除額は2022年から2024年度にかけて段階的に引き下げられる仕組みになっているため、政府の狙い通りに企業が投資を進めれば、2022年に5Gが一気に普及していくと予想できます。

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5G普及に向けた課題

2022年には本格的に普及すると期待されている5Gですが、いくつかの課題も残っています。

例えば、5Gの特長である「高速大容量」「超低遅延」「多数端末同時接続」を必要とするレベルのサービスがまだまだ少ない点です。通常のデータ通信であれば4Gで十分と考えているユーザーは多く、5Gの特長を生かせていません。自動運転・遠隔医療・メタバースといった、5Gでしかできないサービスが充実していかなければ、普及の妨げとなる可能性があります。

また、上述した「5G投資促進税制」のような国からの支援があるとはいえ、5G環境の構築には多額のコストがかかります。各企業が積極的にローカル5Gを構築するようになるには、さらなるコスト削減が必要になるでしょう。また、ローカル5Gの実用例はまだまだ少ないため、構築ノウハウが乏しいことも課題といえます。大手の通信事業者が中心となってローカル5Gの構築支援サービスを提供し始めているため、そういったサービスの活用がカギになると考えられます。

もう一つ、世界的な半導体不足という懸念材料もあります。半導体が入手できなければ、基地局で使われる電子機器や5G対応の端末が製造できなくなるため、5Gの普及が遅れる可能性もゼロではありません。実際に、楽天モバイルは半導体不足の影響で基地局の整備計画に遅れが生じていることを発表しています。現状、ほかの3社は影響なしとしていますが、今後の動向には注意が必要です。

5Gの本格的な普及は2022年から

5Gが徐々に普及しつつありますが、2022年にはさらに加速していくと考えられています。5Gによる「高速大容量」「超低遅延」「多数端末同時接続」を前提とするサービスや企業での活用事例も今後増えていくことでしょう。私たちの生活やビジネス環境に大きく影響する5Gの動向に、今後も注目していきたいところです。

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