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ウエアラブルデバイスで用いられる測定技術

レンテックインサイト編集部

測定器 Insight ウエアラブルデバイスで用いられる測定技術

ウエアラブルデバイスの高機能化を支えているのは、各種センサーを用いた測定技術です。本記事では、ウエアラブルデバイスの用途や活用されている測定技術について解説します。

ウエアラブルデバイスはスマートフォンの代わりやヘルスケア機器として普及しつつあります。2021年現在では、腕時計型やメガネ型などの高機能なウエアラブルデバイスが登場しており、ビジネスシーンにおいても活用されるようになってきました。

ウエアラブルデバイスの用途

ウエアラブルデバイスは、手首や腕、頭などに装着して使用するコンピューターです。ウエアラブルデバイスの最大のメリットは、その名の通り「身に着けられる」という点であり、そのメリットを最大限に生かせる次のような用途で活用されています。

スマートフォンの代わり

通話機能やメッセージの通知、音楽再生、電子マネー決済など、スマートフォンよりもさらに手軽なデバイスとしての用途。

ヘルスケア機器

活動量計や心拍計、睡眠計など、着用者の行動記録や健康管理に役立てる用途。

リアルタイムな情報提供

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、マニュアル・マップの表示など、着用者へさまざまな情報を提供する用途。

2021年現在は腕時計型やメガネ型が中心ですが、今後は指輪型やコンタクトレンズ型など、より小型化したウエアラブルデバイスの登場が期待されています。

ウエアラブルデバイスに搭載される測定技術

ウエアラブルデバイスには小型化したセンサーが多数搭載されており、その各種センサーを用いた測定技術によってさまざまな機能が実現しています。ここでは、ウエアラブルデバイスによく搭載されている「加速度センサー」「光センサー」「生体電位センサー」の三つのセンサーを取り上げて、どのような用途で活用されているのかをご紹介します。

これらのセンサーによって多くの機能がすでに実現していますが、将来的に実現が期待されている機能もあります。ウエアラブルデバイスの未来を知るためにも、センサーに関する新しい情報をお伝えします。

加速度センサー

加速度とは、単位時間当たりの速度の変化のことです。加速度センサーは物体の加速度を検知するセンサーであり、それによって物体の傾きや動き、振動、衝撃などを測定できます。

加速度センサーを活用すれば、ウエアラブルデバイスは活動量計としての機能を持つようになります。例えば、着用者の歩行による加速度の変化を検知して歩数を測ったり、身長や体重などの身体情報と組み合わせて消費カロリーを計算したりすることが可能です。

加速度センサーは他にも、就寝・起床時間の推定による睡眠時間の記録や、移動距離の推定による位置情報サービスなどにも役立てられており、ウエアラブルデバイスには欠かせないセンサーとなっています。

光センサー

光センサーは、照射した光の変化を検出するセンサーです。ウエアラブルデバイスでは、光センサーを活用して血流量や心拍などを測定しています。その原理は、皮膚に照射した光が血管に当たって反射するのを検出するというものです。血液内にあるヘモグロビンには特定の光を吸収する特性があり、照射光と反射光の変化を検出すれば血流量や心拍を測定できます。

また、光センサーは上述した加速度センサーと同様に睡眠管理にも活用されています。加速度センサーで睡眠時の身体の動きを、光センサーでは心拍を測定し、二つのセンサーで取得した情報を組み合わせれば、睡眠時間だけでなく睡眠の質まで推定が可能です。

光センサーの用途は幅広く、開発中の次世代センサーでは体内深部温度や血糖値、血中アルコール濃度といったさまざまな身体情報を測定できるようになるとされています。実用化されれば、着用者の健康管理や病気の予兆検知に大いに役立つことでしょう。

生体電位センサー

生体電位センサーは、人間の身体のような生体が活動する際に発生する電気現象を測定するセンサーです。心電図や脳波、筋電図を測定する目的でウエアラブルデバイスに搭載されています。

生体電位センサーは、加速度センサーや光センサーと同様に着用者の健康管理に役立つものです。将来的には、脳波を基にAIが集中度や疲労度、ストレスなどを推定したり、筋肉の動きを検知して動作予知やロボットスーツの遠隔操作に役立てたりすることが期待されています。

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測定技術の進化がウエアラブルデバイスの普及を支えている

本記事でご紹介した通り、ウエアラブルデバイスには多種多様なセンサーが搭載されており、それらが活躍することで高機能化を実現しています。ウエアラブルデバイスがここまで普及した理由の一つは、測定技術の進化にあるといっても過言ではないでしょう。

現時点では腕時計型やメガネ型が主流ですが、今後はより着用者の負担にならないような小型のウエアラブルデバイスが登場すると予測できます。スマートフォンが一気に普及したように、いずれは誰もがウエアラブルデバイスを身に着ける時代が来るかもしれません。ウエアラブルデバイスと、それを支える測定技術の進化が期待されています。

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