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コロナ禍で需要の高まった測定器

レンテックインサイト編集部

コロナ禍で需要の高まった測定器の特徴や用途について解説します。

2020年から爆発的に感染が広がった新型コロナウイルスの影響で、一部の測定器の需要が高まっています。新型コロナウイルスを完全に抑えることは難しく、今後も上手く共存していかなければならない可能性があるため、どのような測定器が必要とされているのかを知っておくと役に立つでしょう。

パルスオキシメーター

医療の現場では、パルスオキシメーターと呼ばれる測定器の需要が高まりました。

パルスオキシメーターは、動脈血の酸素飽和度(SpO2)を測定する機器であり、新型コロナウイルス患者の重症度を測るために活用されています。これは、新型コロナウイルスによる肺炎で重症化すると、肺から血液中に酸素が行き渡らなくなって酸素飽和度が低下するためです。

医療従事者は、新型コロナウイルス患者の酸素飽和度の数値を基にして、軽症・中等症Ⅰ・中等症Ⅱ・重症の4段階に分類しています。軽症の患者が突然重症化する症例も報告されているため、パルスオキシメーターで定期的に酸素飽和度の測定を行うことが、重症化した場合の素早い処置につながります。

パルスオキシメーターは、プローブ(センサー)と機器本体で構成されており、測定時はプローブ部分を患者の指先に装着します。プローブの発光部から出る波長の異なる二つの光を指先に当てて拍動する動脈の血流を検知し、酸素飽和度と脈拍数を計算するという仕組みです。

パルスオキシメーター自体は一般的に広く普及しています。難しい操作が必要なく、1万円以下で購入できる機種もあるため、家庭で利用することも可能です。しかし、測定結果を基に正確な診断をすることは容易ではないことから、医療従事者の判断を仰ぐことが推奨されています。

主要なメーカーの中には、パルスオキシメーターの生産能力をコロナ前の約20倍に引き上げると発表している企業もあります。コロナ禍で供給不足になっている状況がよく分かるのではないでしょうか。

二酸化炭素濃度計

二酸化炭素濃度計は、飲食店や商業施設などの室内での換気状況を調べる目安として用いられる測定器であり、新型コロナウイルスへの感染防止対策として需要が高まりました。いわゆる3密(密閉・密集・密接)を避けて換気を行い、室内の空気を衛生的に保つことが感染防止に効果があるとされているからです。

二酸化炭素濃度を測定する方法は数多くありますが、その中でも測定精度の高いNDIR方式が推奨されています。NDIRとは、非分散型赤外線の略称であり、特定の波長の光を吸収する二酸化炭素の特徴を利用した測定方式です。高性能な機種だと、二酸化炭素濃度が基準値を超えた場合にスマートフォンなどに通知してくれるものも登場しています。換気状況を常に見える化することで、密を回避してお客様に安心感を与えられるとして注目されました。

政府や自治体は、飲食店や商業施設に対して二酸化炭素濃度計を設置するように求めています。その影響で一部メーカーの測定器が品薄になったこともあり、全国的に需要が高まっているといえるでしょう。

また、オフィスビルで会議室の換気状況を測定するために設置されるなど、飲食店や商業施設以外での活用シーンも広がっています。二酸化炭素濃度計の需要は、しばらくは収まらないだろうと予測できます。

体温計・サーマルカメラ

体温計やサーマルカメラも、感染防止対策として需要が高まった測定器の一つです。検温によって新型コロナウイルス感染の恐れのある人を検知する目的で、店舗やオフィスなどの入り口に設置されました。

検温の方法としては、接触式の体温計・非接触式の体温計・サーマルカメラの3種類が主流となっています。しかし、体温計を使って検温する場合、人的コストがかかることや、外気の影響を受けて測定精度が落ちる可能性があるといった課題があります。

そこで注目されているのが、サーマルカメラを用いた検温です。特に、多くの人の検温をしなければならないオフィスや商業施設での需要が高まっています。サーマルカメラのメリットは次の通りです。

  • 非接触で検温ができるため、衛生的である
  • 無人で検温を行える
  • 測定精度が高く、スピードも早い
  • 検温以外の機能を追加できる場合がある

サーマルカメラのデメリットは導入コストが高いことであり、コロナ禍での感染対策だけが目的だと割高に感じることがあるかもしれません。しかし、最近ではAIを搭載することによって顔認証による入退室管理にも応用できるサービスも登場しています。検温以外の機能が付いたことでアフターコロナでも引き続き活用できるため、企業での導入がしやすくなるのではないかと期待できます。

昨今では人々の健康意識がさらに高まっており、体組成や基礎代謝を計測する体重計や、健康状態をモニタリングできる腕時計型デバイスなどが注目されています。自らの健康状態を習慣的に把握できるという意味でも、サーマルカメラによる検温のニーズは高まると考えられます。

時代に応じて測定器の需要が変動する

コロナ禍という緊急事態の中で、本記事で紹介したように特定の測定器の需要が急激に高まる結果になりました。職場環境を整えるという観点から、アフターコロナでも活用できる測定器もあるため、必要に応じて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、今後も時代の流れに応じて測定器を活用しなければならなくなる可能性があります。随時必要な知識を身に着けて、測定器を有効に活用できるようにしておきたいものです。

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