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中国で半導体ファブレス企業の規模が拡大

産業タイムズ社

測定器 Insight 中国で半導体ファブレス企業の規模が拡大

 近年、世界的な半導体需要の拡大を背景に、中国においても半導体市場が拡大しています。調査会社のMordor Intelligenceによると、中国半導体デバイス市場の規模は2025年に2175億5000万ドルに達したとみられ、2026年には2334億6000万ドル、2031年には3321億7000万ドルに達すると予想されています。2026〜2031年におけるCAGR(年平均成長率)は7.31%となり、国家主導の資金供与、活発な民間投資、技術的な自立に向けた取り組みが市場の拡大を支えるとみられています。

 その中で中国のファブレス半導体企業の業績も拡大しています。CMOSイメージセンサー(CIS)やメモリー系、AI半導体とジャンルも幅広く、ハイシリコン(海思半導体)やウィルセミコン(韋爾半導体)などが規模を拡大しています。ただし、各社の推計売上高と調査会社の世界ランキングは、集計対象や算定方法をそろえて比較する必要があります。

2025年は1000億ドルを突破

 電子デバイス産業新聞の調べでは、中国ファブレスの売上高は2023年に5773億元、2024年は6460億元(前年比12%増)でした。そして2025年は8357億元(前年比29%増)に拡大しました。同紙の2026年4月30日号の公開情報では、2025年の売上高は約1224億ドルとされ、1000億ドルを超える規模となっています。

 トレンドフォースによると、2025年の世界のファブレス上位10社の売上高は合計3594億ドル(前年比44%増)でした。このランキングにはオムニビジョン(OmniVision)が8位、売上高33億1000万ドルとして掲載されています。一方、ハイシリコンは掲載されておらず、同社の2025年売上高を2500億元規模とする推計値を、そのまま同ランキングへ当てはめることはできません。

 ウィルセミコンについても、売上高は約300億元と見込まれていますが、グループ全体の売上高と、トレンドフォースが集計したオムニビジョンの売上高では対象範囲の確認が必要です。中国企業の規模を把握する際は、推計値か公表値かに加え、対象企業・事業と換算レートを確認することが重要です。

多様な半導体の設計に対応

 中国のファブレス企業は登録ベースでは約3900社、そのうち売上高が1億元を超えているのは830社あると言われています。これらの上位企業は、CIS、メモリー、CPU・GPU、AI半導体といった多様な領域で事業を展開しています。ハイシリコンは通信機器やスマートフォン、AI処理向けなどの半導体を設計しています。親会社のファーウェイが米国の規制によりスマートフォン事業で大きな打撃を受けた影響で、2021年売上高は前年の964億元から105億元に急落しました。しかし、2023年秋にファーウェイのスマートフォン事業が回復に転じ、ハイシリコンの売上高は370億元に回復しました。2024年は2016億元、2025年は2500億元規模に増加したものとみられます。

 CISなどを手がけるウィルセミコンは2019年にCIS大手のオムニビジョンテクノロジーズを買収し、現在は中国2位。中国では交通管制やセキュリティ管理に大量の監視カメラが設置され、今後は自動運転車の増加からスマートフォン用途以外の需要拡大の波に乗って成長を続けるものとみられます。

 メモリーやストレージ製品を手がける3位のロンシスは、1999年に深圳市で設立されました。フラッシュメモリーのOEMから始まり、2017年に米マイクロンから「レクサー(Lexar)」ブランドを買収し、メモリーファブレスとなりました。4位のハイゴン(海光信息技術)はCPUとGPUを設計しています。AMDと技術提携し、x86アーキテクチャーの「海光」やAIデータセンターやスーパーコンピューター向けGPU「深算」を展開しています。5位のビーウィン(百維技術)は、ストレージとメモリー製品を手がけ、米メタや中国スマートフォンのシャオミーなどを顧客としています。

 6位のギガデバイス(兆易創新科技)は、NOR型フラッシュで世界上位に位置します。また、中国のマイコン市場でもトップクラスのシェアを持っています。7位のスマートセンス(思特威電子科技)は、監視カメラ用CISで頭角を現し、2024年からファーウェイのスマートフォン向けにCISを供給するなど、中国CIS業界の有力メーカーとしての地位を確立しています。

 8位のユニグループ・グオシン・マイクロエレクトロニクス(紫光国芯微電子)は、ICカードやFPGA、メモリーなどを設計してきた企業で、現在は紫光集団の傘下にあります。9位のギャラクシーコア(格科微電子)はCISを手がける企業で、低画素領域から高画素タイプにシフトし、2023年には1300万画素のGC13A2を発表しています。

 10位のカンブリコン(寒武紀科技)は、商用ディープラーニングに利用されるAIチップを設計しています。中国科学院計算技術研究所からのスピンオフ企業として、2016年に北京で設立されました。11位のモンテージ(瀾起科技)はメモリーインターフェースのIC設計大手で、DDR5などで中国上位クラスの実績を有します。

 中国ファブレスの成長を支える要因の一つが、中国政府による半導体の国産化政策です。中国国内での設計・製造の連携が拡大すれば、中国ファンドリーへの発注量も増えると考えられます。ただし、国内で製造できる製品や生産能力などが条件となります。近年は家電や自動車メーカー自身がファブレス子会社を傘下に持つケースも多く、中国の半導体設計と製造の「自立自強」がどこまで進むのか注目されます。

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