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設備トラブルの原因調査に使える計測器とは?データロガー・流量計の活用例

レンテックインサイト編集部

測定器 Insight 設備トラブルの原因調査に使える計測器とは?データロガー・流量計の活用例

生産設備や空調設備、給排水設備などでトラブルが発生した際、現場を確認する時点では、設備が正常な状態に戻っていることがあります。

異常が短時間しか発生しない場合や、特定の運転条件でのみ問題が起こる場合は、目視点検だけで原因を特定するのは困難です。

こうした設備トラブルの調査では、温度、圧力、流量、電流などの変化を計測し、異常が発生した時間帯の状態を客観的に確認する必要があります。過去の記録がない場合は、発生状況を聞き取って測定項目を決め、再発時の状態を捉えられるよう計測器を設置します。

本記事では、設備トラブルの原因調査に使用される主な計測器と、データロガーや流量計の具体的な活用例を、冷却水などの流体を扱う設備を中心に解説します。

設備トラブルの原因調査では「異常の見える化」が重要

設備トラブルの原因を特定するには、異常が発生した瞬間に設備がどのような状態だったのかを数値や時系列のグラフとして把握することが重要です。

例えば「製品の仕上がりにばらつきが生じる」「ポンプの吐出量が不安定になる」といったトラブルは、点検時に異常が再現されるとは限りません。作業員が現場に到着した頃には、設備が正常に動作していることもあります。

そのため、目視や作業員の経験だけに頼るのではなく、温度、圧力、流量、電流などを継続的に測定し、異常発生前後の変化を記録することが大切です。

設備トラブルの原因調査に使われる主な計測器

設備トラブルの調査では、異常の内容や設備の構造に応じて計測器を使い分けます。

流量計、温度計、圧力計、電流計などで測定し、必要に応じてデータロガーで継続記録することで、原因を多角的に確認できます。

データロガー

データロガーは、各種センサーから取り込んだ測定値を、一定の間隔など、設定した条件で自動的に記録する機器です。

対応するセンサーや入力機能を備えた機種では、温度、湿度、電圧、電流、圧力、振動などの値を取り込み、記録できます。測定項目に適合するセンサーとデータロガーを組み合わせて使います。

長時間にわたって設備の状態を記録できるため、発生時刻が分からない異常や、数時間に一度しか起こらないトラブルの調査に適しています。

流量計

流量計は、配管内を流れる水や油、薬液、ガスなどの流量を測定する機器です。一定時間あたりの流量を測定するほか、積算流量を確認できる機種もあります。

流量を実測することで、ポンプの能力低下やフィルターの目詰まり、バルブの開度異常、配管内部の閉塞など、流量低下の原因を絞り込む手がかりを得られます。

温度計・圧力計・電流計の組み合わせ

設備トラブルでは、一つの異常が複数の測定値の変化として現れることがあります。例えば、冷却水の流量低下に伴って設備の温度が上昇するなど、複数の測定値が連動して変化する場合があります。

温度計、圧力計、電流計などを組み合わせて測定すれば、異常の発生箇所や影響の広がりを段階的に確認できます。単一の測定値だけで原因を判断せず、複数のデータを照合することが重要です。

データロガーで時間変化を記録する調査例

データロガーは、設備の状態変化を継続的に記録できるため、発生条件が分かりにくいトラブルの調査に適しています。流量計などの測定値を記録する場合にも使われます。

代表的な例が、モーターや制御盤、軸受などの温度上昇です。温度センサーを取り付けて長時間記録することで、運転開始からどの程度の時間で温度が上昇するのか、周囲温度や設備負荷の記録と照らし合わせて関係があるのかを確認できます。

モーターの停止やブレーカーの作動を調査する場合は、過負荷などの原因を調べる手がかりとして、電流値の記録が役立ちます。

停止直前に電流が急上昇している場合は、過負荷や機械部分の抵抗増加、異物のかみ込みなどが考えられます。また、想定していないタイミングで電流が急激に低下している場合は、電源や配線、制御信号などに異常がないかを確認します。

ただし、電流値だけで原因を特定せず、電圧や設備の動作状況など、ほかの情報と併せて判断することが重要です。

また、対応するセンサーを、必要な記録速度を持つデータロガーへ接続して圧力や振動を記録すれば、エア供給圧力の一時的な低下や、回転機器の振動増加なども確認できます。異常発生時刻と測定データを照合することで、点検時には再現できないトラブルの原因を絞り込みやすくなります。

タブレットのグラフを確認する人

流量計で流体の供給状態を調べる調査例

流量計は、配管や流体ラインに関係する設備トラブルの調査に有効です。

例えば、冷却設備の温度が安定しない場合は、冷却水の流量を測定します。設定値より流量が少なければ、ポンプの能力低下、ストレーナーやフィルターの目詰まり、バルブの開度不足などが考えられます。

また、洗浄設備や薬液供給設備では、流量のばらつきによって洗浄品質や製品品質が変化することがあります。

このような場合に流量を継続的に測定すれば、特定の時間帯だけ供給量が低下していないか、設備の運転切り替えによって流量が変動していないかを確認できます。

流量など複数の測定データを同時に記録するメリット

流量計と、温度・圧力・電流などを測るセンサーや計測器を、対応するデータロガーに接続することで、各測定値の関係を時系列で確認できます。別々の機器で記録する場合は、時刻をそろえて照合することが大切です。

例えば、冷却水の流量低下が疑われる設備では、流量と設備の温度を同時に記録します。流量の低下に続いて温度が上昇していれば、冷却能力の不足との関連を検討する手がかりになります。

ポンプ設備では、流量、吐出圧力、モーター電流を同時に測定する方法が有効です。流量が低下した場合、圧力や電流が正常時とどう変わったかを照合し、配管の閉塞やポンプ内部の異常などの候補を絞ります。閉塞時の電流変化はポンプの形式や運転条件によって異なるため、電流の増減だけで原因を判断しないことが重要です。

測定値の時間的な関係を比較し、単一項目だけでは絞りにくい原因を調査できる点が、組み合わせて使用するメリットです。

設備トラブル調査で計測器を選ぶときのポイント

計測器を選ぶ際は、調査目的と設備の運転条件から必要な測定項目・性能を決める必要があります。条件に合わない機器を使用すると、原因の絞り込みに必要なデータを取得できない可能性があります。

測定したい項目を明確にする

まずは、発生している現象から原因について仮説を立て、何を測定すべきかを整理します。例えば、設備の温度が上がる場合、冷却水の流量不足やモーターの過負荷など、複数の原因が考えられます。

そのため、温度だけでなく、流量や電流も測定する必要があるかを検討します。異常の発生条件や設備構成を整理し、仮説の検証に必要な測定項目を選ぶことが重要です。

測定範囲・精度・記録間隔を確認する

計測器を選ぶ際は、設備の通常値と異常時の想定値が、機器の測定範囲に収まるかを確認します。

測定範囲が合っていないと、必要な精度で記録できない場合があります。また、許容入力や耐圧、使用温度などの仕様を超えると、計測器やセンサーを損傷するおそれがあります。

必要な精度も調査目的によって異なります。大まかな傾向を把握する場合と、わずかな流量差や温度差を比較する場合では、求められる性能が異なる点に注意が必要です。短時間の異常を捉えるには、変化の速さに合う記録間隔も必要です。想定する異常の継続時間と必要な測定期間に合わせて、記録速度と保存容量を確認します。

設置場所や配管条件に合う計測器を選ぶ

現場では、設置スペースや流体の種類、周囲温度などによって使用できる計測器が変わります。

流量計の場合は、流体が水なのか薬液なのか、気体なのかによって適した測定方式が異なります。配管の直管部分を一定以上確保する必要がある機器もあるため、設置条件の事前確認が必要です。

また、狭い場所や高温環境、粉じんや水分が多い環境では、センサーの寸法や耐環境性能、防水・防じん性能も確認します。

短期調査ならレンタル活用も選択肢になる

設備トラブルの原因調査では、計測器を数日から数週間だけ使用するケースもあります。このような短期調査では、購入に代えてレンタルを活用する方法があります。

レンタルであれば、必要な期間だけ機器を利用できるため、購入する場合と比べて費用を抑えられることがあります。複数種類の計測器を組み合わせて使用したい場合や、普段は使用しない高性能な機器が必要な場合にも有効です。

設備トラブルの原因調査にはデータに基づく確認が欠かせない

設備トラブルの原因調査では、目視や作業員の経験だけに頼らず、計測器を使って異常発生時の状態を記録することが重要です。

一つの測定項目が原因を絞り込む手がかりになる場合もありますが、複数の計測器を組み合わせることで、各データの関係を確認し、複合的なトラブルの原因を特定しやすくなります。

調査する現象と測定項目を明確にした上で、測定範囲や精度、設置条件に合った計測器を選定する必要があります。

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