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水の性質や成分を計測する水質計とは

レンテックインサイト編集部

測定器 Insight 水の性質や成分を計測する水質計とは

日本では、飲料水の安全確認、工場排水の法令遵守、農業の養液管理、水産業における生育環境の管理、温泉やプールの衛生管理など、さまざまな分野で水質管理が行われています。公共用水域の環境基準や水道水質基準などでは、pH、BOD、COD、DO、濁度、残留塩素など、用途に応じた管理項目が定められています。

水質計は、水の性質や成分を数値として把握するための計測器です。使用目的や測定対象によって必要な測定項目や機器の種類は異なるため、正確な測定を行うには、用途に合った水質計を選び、適切に使用・維持管理することが重要です。

本記事では、水質計の概要や測定できる主な項目、種類、測定原理、活用シーン、正しい使い方とメンテナンスについて解説します。

水質計とは

水質計とは、水の性質や成分を測定する計測器の総称です。測定できる項目には、pH、電気伝導率(EC)、溶存酸素(DO)、濁度、残留塩素、酸化還元電位(ORP)、硬度、CODなどがあります。

水質計は、飲料水の安全確認、環境保全、工業分野の品質管理などで重要な役割を果たす機器です。携帯型、卓上型、設置型・オンライン型などがあり、使用する環境や用途に応じて適切な機器を選ぶ必要があります。

水質計で測定できる主な項目

水質計で測定できる項目はさまざまであり、水の安全管理や環境保全などの目的によって必要な項目は異なります。ここでは主要な測定項目をご紹介します。

pH

pHは水の酸性・アルカリ性の度合いを示す基本指標であり、食品工場や医療現場、排水処理でも重要な管理項目となっています。水道水質基準では、pH値は5.8以上8.6以下とされています。pH測定ではガラス電極法が広く用いられ、JIS K 0102でも工場排水の試験方法としてガラス電極法が示されています。

電気伝導率

電気伝導率(EC)は、水が電気を通す能力を表す数値で、その値から水中のイオン量の多寡を把握できます。農業の養液栽培では肥料濃度管理や、工業用水の品質管理で利用されています。電気伝導率センサーは交流電圧を利用してイオン量を測定する方式が一般的です。

溶存酸素

溶存酸素(DO)とは、水中に溶けている酸素分子の濃度を示す指標であり、水産業や排水処理で重要な管理項目です。河川の生活環境に関する環境基準でも、DOは水質を判断する項目の一つとして示されています。測定センサーには膜式と光学式があり、用途に応じて連続測定にも対応できます。

水質計の種類

水質計は、使用形態や設置形態で分類すると、携帯型、卓上型、設置型・オンライン型などに分けられます。

携帯型やペン型の水質計は、軽量で起動が早く、現場で手軽に測定できる点が特長です。農業・水産業の現場、プールや井戸水の確認など、現場での簡易測定に向いています。上位モデルでは、複数の測定項目に対応できるタイプもあります。

卓上型の水質計は、安定した測定や複数項目の管理に適しています。温度補償機能や自動校正機能を備えた機種もあり、工場の品質管理や研究機関などで利用されています。一方で、価格が高く、持ち運びには向かない場合があります。

設置型・オンライン型の水質計は、工場排水、処理水、養殖施設、プラント設備などで継続的に水質を監視する用途に使われます。リアルタイムで変化を把握しやすく、異常時の早期対応にも役立ちます。

水質計の測定原理

水質計の測定原理は、測定する項目によって異なります。

pH測定では、ガラス電極を用いて水素イオン活量の差によって生じる電位差を測定する方法が広く使われています。ガラス電極は乾燥や汚れの影響を受けやすいため、保管方法や洗浄、校正などの管理が重要です。

電気伝導率の測定では、水中に含まれるイオンが電気を通す性質を利用します。電極間に交流電圧を加え、流れる電流から電気伝導率を求めることで、水中のイオン量を把握できます。

ORP測定では、白金電極などの金属電極と比較電極を用いて電位差を測定し、水の酸化還元状態を確認します。排水処理、塩素処理、プールや温泉の水質管理などで利用されています。

吸光光度法は、物質が特定の波長の光を吸収する性質を利用して濃度を分析する方法です。水質計では、残留塩素、アンモニア、リン、鉄などの分析に使われます。比較的扱いやすい一方で、試薬が必要になる場合や、共存成分の影響を受ける場合があります。

水質計の活用シーン

水質計の活用シーンはさまざまです。

工場排水の管理では、排水基準などに対応するために水質計が用いられます。基準を超えると行政指導や罰則の対象となる場合があるため、オンライン型の水質計で継続的に監視するケースもあります。

飲料水や井戸水などの安全確認では、必要に応じて定期的な確認や検査が行われます。pHや濁度、残留塩素などを測定するために、携帯型・ペン型の水質計が用いられます。

農業分野では、水耕栽培や養液栽培で水質管理が重要です。肥料濃度(EC)やpH、水温などを水質計で管理します。小規模農家では携帯型・ペン型、大規模施設ではオンライン型が利用されることがあります。

水質計の正しい使い方とメンテナンス

水質計を安定して活用するためには、正しい使い方とメンテナンスが重要です。電極の洗浄や定期的な校正を行い、センサーの寿命を把握して必要に応じて交換することが大切です。これらはJISや自治体の水質測定マニュアルなどでも示されています。

水質計は安全管理や環境保全に欠かせない計測器

水質計は、目に見えない水の性質や成分を数値として把握するための重要な計測器で、法令や各種基準、JISなどに基づく水質管理に活用されています。用途に合わせて適切な機器を選定し、正しく使用することが重要です。

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