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振動試験とは?試験の種類や不具合事例を分かりやすく解説

レンテックインサイト編集部

測定器 Insight 振動試験とは?試験の種類や不具合事例を分かりやすく解説

製品は輸送中や使用中にさまざまな振動や衝撃を受けており、接触不良や部品破損などの不具合が発生する可能性があります。こうした問題を未然に防ぐため、開発段階では実際の環境で発生する振動を再現し、製品の耐久性や信頼性を確認する「振動試験」を実施します。

本記事では、振動試験の目的や代表的な試験の種類、振動試験によって発見される主な不具合事例について解説します。

振動試験とは

振動試験とは、製品や部品に人工的に振動を与え、振動環境下でも求められる性能を維持できるかを確認する試験です。振動の例として、輸送時のトラック走行による揺れ、機械設備の稼働による振動、さらには航空機やロケットなど特殊な環境で発生する強い振動などが挙げられます。

こうした振動環境を試験装置によって再現し、製品の耐久性や信頼性を評価するのが振動試験の目的です。試験によって構造的な弱点や設計上の問題を事前に発見できるため、市場投入後の故障リスクを低減し、製品品質や安全性の向上につながります。

振動試験にはさまざまな試験規格が存在しており、対象となる製品や業界ごとに試験方法が定められています。電気・電子機器の評価では JIS C 60068シリーズ、輸送包装の評価では ISTAシリーズ や ASTM D4169 などの規格が用いられ、輸送中の振動や衝撃に対する耐久性について、客観的に評価します。

振動試験の種類

振動・衝撃に対する信頼性評価で用いられる代表的な試験として、正弦波振動試験、ランダム振動試験、衝撃試験があります。

正弦波振動試験

正弦波振動試験は、特定の周波数で周期的に変化する正弦波振動を製品に与える試験です。この試験には、一定の周波数で振動を与える方法と、周波数を徐々に変化させながら振動を与える方法(掃引試験/スイープ試験)があります。掃引試験では周波数を連続的に変化させることで、製品が共振しやすい周波数帯を特定できます。

製品の固有振動数に近い周波数では振幅が大きくなり、部品や構造に大きな応力が発生することがあります。そのため正弦波振動試験は、構造設計の妥当性確認や耐久性評価のための基本的な試験として多くの分野で活用されています。

ランダム振動試験

ランダム振動試験は、振幅や周波数が不規則に変化する振動を与える試験です。実際の環境で発生する振動は単一の周波数ではなく、さまざまな周波数成分が混ざった複雑な振動であることが多いため、そのような環境を再現するために使用されます。

特に宇宙機や航空機関連機器の評価では、この試験が重要な役割を果たします。ロケット打ち上げ時には広い周波数帯域にわたる強い振動が発生するため、ランダム振動試験によってその環境を再現し、機器の信頼性を確認します。

衝撃試験

衝撃試験は、短時間で大きな加速度を与えることで、瞬間的に発生する強い衝撃への耐性を確認します。例えば、輸送中の落下事故や機器の衝突、装置の誤操作などによって、製品には瞬間的に大きな力が加わることがあります。

衝撃試験ではこのような状況を再現し、製品が機能を維持できるか、また破損が発生しないかを確認します。輸送機器や電子機器、産業機器など幅広い分野で衝撃試験が実施されており、製品の安全性や耐久性を評価するための重要な試験の一つです。

振動試験とは?試験の種類や不具合事例を分かりやすく解説

振動試験で発覚する代表的な不具合事例

振動試験を実施すると、設計段階では気付きにくいさまざまな不具合が明らかになることがあります。特に電子機器や機械装置では、振動によって接触不良や構造破損などの問題が発生することがあります。

コネクタのフレッティング腐食(接触不良)

フレッティング腐食は、振動環境における電子機器の代表的な不具合の一つです。振動によってコネクタの接点同士がわずかに動くと、接触面で微小な摩耗が発生します。その結果、金属粉や酸化物が発生し、接触抵抗が徐々に増加します。

接触抵抗が増加すると、信号の瞬断や通信エラーが発生する可能性があります。さらに状況が悪化すると、装置の誤作動や機能停止などの問題につながることもあります。

特に車載機器や産業機器など、長時間振動にさらされる環境ではこの現象が発生しやすくなります。振動試験では、こうした接触不良が発生しないかを確認し、コネクタの構造や固定方法の改善に役立てます。

はんだ接合部やリード線の疲労破壊

振動環境では、電子基板上の部品が繰り返し揺れると、はんだ接合部やリード線に周期的な応力が加わります。この応力が長時間続くと、接合部に微細な亀裂が発生し、最終的には断線や部品脱落につながることがあります。特に大型のコンデンサやコイルなど重量のある部品は振動の影響を受けやすく、基板の共振によって応力が集中するケースもあります。

疲労破壊は初期段階では外観から確認しにくく、長期間使用した後に突然不具合として現れることがあります。そのため振動試験では、部品の取り付け方法や基板構造の妥当性を評価し、設計段階での対策につなげることが重要です。

ネジ・ボルトの緩みや脱落

振動環境では、締結されているネジやボルトが徐々に緩んでいくことがあります。繰り返し振動によって微小な回転やすべりが発生し、締結力が低下するためです。

ネジの緩みが進行すると、筐体のガタつきや異音の原因になるだけでなく、内部部品の破損や配線の断線など、より深刻なトラブルにつながる可能性があります。さらに脱落した部品が内部でショートを引き起こし、発煙や発火などの危険な事故につながるケースも報告されています。

振動試験では、こうした締結部の緩みが発生しないかを確認し、適切なネジの種類や締結トルク、緩み止め対策などを検討します。

振動試験による実環境での信頼性評価

振動試験は、製品や部品が実際の使用環境や輸送環境で受ける振動に耐えられるかを確認するための試験です。開発段階で振動試験を実施すると、潜在的な不具合を早期に発見し、設計改善につなげられます。

製品を安心して長期間使用するためには、適切な試験条件に基づいた振動試験を実施し、実環境に近い条件で信頼性を評価することが重要です。

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