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テスターの種類と用途

レンテックインサイト編集部

測定器 Insight テスターの種類と用途

私たちの日常生活において、電子機器は多くの場面で利用されており、その用途はますます拡大しています。電子機器は日常生活や職場環境を快適にする一方で、安全で効率的な利用が求められます。テスターは工場や家庭、店舗など多くの場所で、電子機器の利用のための電圧や電流計測に使われています。

また、電圧と電流の計測だけでなく多くの機能を持つテスターは、計測用途以外にも回路設計や修理の用途でも用いられます。用途に応じて適切な機器を選び、安全で正確に計測することが必要です。

この記事ではテスターの基本情報、種類、用途や使用方法などを解説します。

テスターとは

テスターとは、電気回路の電圧、電流、抵抗などの電気的な特性を測定するための装置です。

テスターが最初に登場したのは19世紀前半で、当時はアナログ式の「検流計」として電流の検出に使われました。その後19世紀中に電気の普及が進むにつれて、テスターは身近で利用されるようになりました。その後デジタル式のマルチメーターが登場し、高精度な計測器へと進化してきました。

現在ではマルチメーターとも呼ばれる電流だけでなく抵抗値や周波数などより多くの測定項目に対応したものが登場しています。その背景には、単純な計測だけでなく電子機器の開発や保全修理作業などテスターの活用の幅が広がっている状況があります。

しかし高機能なテスターは使い方が煩雑でコストが高いです。単純に電気が流れているかを確認するだけなら検電器を用いる方法があります。検電器は電流値を計測することはできませんが、配線に電気が流れているかを音や光で知らせてくれます。

テスターの種類

テスターには大きく分けてアナログ式とデジタル式があります。表示部に大きな違いがあり、アナログ式はメーターが表示されたシンプルな構成で、デジタル式はディスプレイに数字が表示されます。

アナログ式はメーター上で針が動作して電流値を示す方式です。直流・交流の切り替えや、測定レンジの変更等、測定できる電流の種類を変更できます。電池が不要でコストが安い点がメリットですが、測定項目が少なく機能が限られています。

デジタル式はディスプレイに電流値などをデジタル表示する方式です。アナログ式のように測定レンジを切り替える必要がなく、読み間違いが起きにくく使いやすいメリットがあります。測定項目もアナログ式に比べて多く、コンデンサ容量、周波数、デューティ比などを測定できます。一方で電池がないと起動できない、コストが高価、機能を使いこなせないなどのデメリットがあります。

テスターの構造・仕組み

テスターは主に本体、切替スイッチ、表示部、測定端子、電源から構成されています。

部品名 詳細・役割
本体 プラスチック製のケース。内部の電子回路と部品を保護する
切替スイッチ 電流や電圧など測定項目を切り替える
表示部 測定値を読み取る盤面
測定端子 測定部に直接当てて使うケーブル
電源 乾電池や内蔵電池

テスターは内部の電子回路に流れた電流を、電圧や抵抗値など調べたい項目に変換して表示します。例えば抵抗を測定する場合は、内部の電池を利用して測定対象に微小電流を流して抵抗値に換算します。

テスターの種類と用途 挿絵

テスターの用途

テスターは発電施設や工場などでの電気工事、自動車整備作業、家電製品の修理で日常的に使われています。 例えば最近普及が進んでいる太陽光発電パネルでは、発電状況を確認するために電流や電圧を測定する用途で使われます。また、工場では制御盤の配線工事で、施工後に各電線の電圧を測定して図面通りに配線作業が完了しているかを確認するといった使われ方があります。より身近な用途では、自動車やバイクのバッテリーの劣化を調べるためにテスターで電圧を測定し、一定以下であれば交換するという使い方があります。

テスター使用時の注意点

テスターの使用時には、感電などの事故を防ぎ、正しい測定をするためにいくつか注意すべき点があります。例えば、測定したい配線の被覆などに損傷があると、測定時にテスターから測定者に通電して感電する恐れがあります。そのため、測定時には配線の被覆や絶縁手袋の状態を確認する必要があります。また、水分の付着も感電の原因となるためあわせて確認しておきましょう。

テスターで正しく測定するためには、目的の測定モードに設定されているか、単位の読み間違えなどがないかチェックが必要です。また、テスターを高温や高湿度な環境で使用すると正しい測定値が表示されません。ノイズも測定値に影響するため、使用環境を確認しておく必要があります。

テスターは正しい使い方、種類を選ぶことが必要

テスターは利便性の高い機器で、さまざまな電子機器の登場により使用する場面が増加しています。これから活用する場合は使用用途や目的、環境などを考慮して適切なテスターを選定する必要があります。

テスターは機能や価格などを考慮して選ぶ必要があり、またそれぞれに適切な測定手順を守って安全に使うことが重要です。

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