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コロナ禍における製造業企業の動向と政府の取り組み

レンテックインサイト編集部

製造業企業のコロナ禍での動向と、それに対する政府の取り組みについて解説いたします。

製造業企業は、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大によって大きな打撃を受けました。それに対して日本政府はさまざまな企業支援策を実施しています。アフターコロナで製造業が成長するためには、政府がどのような取り組みを実施しているかを知り、有効に活用していきたいところです。

コロナ禍における製造業企業の動向

製造業も含めた日本経済は、新型コロナウィルスの影響により大きく減退しました。主な要因としては、感染拡大を抑えるための緊急事態宣言によって、企業や個人の経済活動が大きく制限されたことが挙げられます。

内閣府の発表によると、2020年4月〜6月期の国内総生産(GDP)増減率は、年率換算で28.1%減を記録。この落ち込み幅は、2009年のリーマン・ショック後の年率17.8%減を超えており、統計を遡れる1995年以降で最大の落ち込みとなりました。

コロナ禍において、製造業企業は次のような対応を迫られることになり、大きな影響を受けてしまいます。

  • 海外とのサプライチェーンが寸断されたことによる供給問題への対応
  • 世界各国でのロックダウンや経済活動の自粛による需要急減への対応
  • 異業種によるマスクなどの医療機器の生産

しかし、その後の経済は徐々に持ち直しており、2020年7月〜9月期は年率換算で16.1%増、2020年10月〜12月期は12.7%増と回復傾向にあります。特に輸出を増やした製造業が回復を牽引しており、大企業の中には過去最高益を更新する企業が増加しました。

また、中小製造業の近況も回復傾向にあります。株式会社NCネットワークが2020年12月に実施したアンケートによると、工場の稼働率が「かなり混んでいる」、「比較的混んでいる」と答えた中小製造業の割合が、10月に実施した同アンケートに比べると10%以上増加しています。工場の稼働率に「かなり余裕がある」と答えた企業も13%減少しており、中小企業も含めた製造業全体が回復傾向にあるといえるでしょう。

コロナ禍の製造業に対する政府の動き

政府は、コロナ禍で苦境に陥る事業者に向けたさまざまな支援策を打ち出してきました。2021年現在でも、経済を早期に回復させるために支援策が継続されており、新たな補助金の創設などの取り組みが進められています。

政府の支援策の中には、製造業も受けられるものが数多くあります。特に、新型コロナウィルスの影響を受けた中小企業や小規模事業者向けの支援策が充実しているので、できる限り活用しておきたいものです。ここでは、資金繰り、設備投資・販路開拓、経営環境の整備の3つに分けて、製造業向けの主な支援策をご紹介します。

資金繰り

政府は、資金繰りに悩む事業者に向けた支援策をいくつか行っています。

例えば、政府系金融機関・民間金融機関の両方で実質無利子・無担保・据置最大5年の融資が受けられます。状況に応じて複数回の利用も可能であり、売上減少に伴って当面の運転資金を調達したい事業者などが活用できます。

また、新型コロナ対策資本性劣後ローンという制度もあります。これは、長期間元本返済がなく、民間金融機関が自己資本とみなすことのできる資本性劣後ローンを供給することで、事業者が金融支援を受けやすくする取り組みです。貸付期間が20年、10年と長期なため、長期的な事業の継続と成長のために活用できます。

設備投資・販路開拓

政府により、製造業企業の設備投資や販路開拓を支援する施策がいくつか打ち出されています。ここでは、3つの支援策をご紹介します。

1つ目は、ものづくり補助金です。新製品やサービスの開発、生産プロセスの改善といった目的での設備投資を支援する制度であり、中小企業が活用できます。国内事業のみの場合は一般型で最大1,000万円、海外事業の拡大・強化を目的とする場合はグローバル展開型で最大3,000万円の補助を受けることができます。

2つ目は、事業再構築補助金です。この制度は、アフターコロナを見据えた企業の思い切った事業再構築を支援するものであり、最大で1億円の支援を受けられます。コロナ禍で売上が減少していること、新分野への展開や業態転換を行うこと、といった補助を受けるための条件が多々ありますが、大きな変革を目指す企業であれば活用しておきたい制度です。

3つ目は、IT導入補助金です。中小企業・小規模事業者がITツールを導入するときに活用できる制度であり、最大で450万円の補助を受けられます。通常の補助率は導入費用の1/2以内ですが、生産性向上とともに感染リスクの減少につながるITツールを導入する場合は補助率を2/3まで引き上げて、優先的に支援を受けることができます。

アフターコロナを見据えたDX

製造業企業がコロナ禍の危機を乗り越えてアフターコロナで躍進するためには、デジタル技術を活用したDXによって企業変革力を強化することが重要です。

コロナ禍では、サプライチェーンの寸断や、激しい需要変動、非対面での円滑なコミュニケーションなどが課題になりました。これらの課題を克服した環境変化に柔軟な企業が、変化の激しい時代で競争力を維持することができるでしょう。

DXを進める上で、ITツールの導入を支援するIT導入補助金の制度が役立ちます。生産管理や原価管理といった、管理業務の手間の削減や業務の効率化に貢献する製造業向けのツールも補助対象になっているので、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

政府の支援を活用して企業の変革を

コロナ禍で製造業企業は大きな影響を受けましたが、徐々に回復傾向にあります。また、政府によるさまざまな支援策も継続されているため、今後も回復傾向が続くと考えられます。コロナ禍を乗り越えて製造業が復活し、更に成長していくことに期待したいです。

また、製造業にとっては、アフターコロナを見据えたITツールへの投資が重要です。補助金を有効に活用することが、製造業がDXを推進することに繋がると捉えることができます。

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