ホームITグリーンAIとは何か

IT Insight

グリーンAIとは何か

レンテックインサイト編集部

グリーンAIとは何か

近年、業務の効率化や労働力不足解消などを目的として、多くの企業で人工知能(AI)の利用が増え続けています。さらに、日常生活の中でも生成AIを使ったさまざまなアプリやサービスが登場しており、AIが活用される場面が増加しています。

AIは従来の働き方を変えるほど革新的な技術ではありますが、一方で電力使用量の増加が課題として挙げられています。電力使用量の増加は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出増加につながるため、対策が求められています。

本記事では環境問題に配慮したグリーンAIの概要や特徴、活用事例などを解説します。

グリーンAIとは

グリーンAIとは、気候変動などの環境問題に配慮し、持続可能な社会に貢献するAI技術のことです。通常のAIに比べてエネルギー消費量を抑え、資源の効率的な利用や環境保全につなげることを目的としています。

グリーンAIが求められる背景

気候変動に関する最大の国際会議であるCOPにおいて、AIの普及がもたらす環境影響について多角的な議論がされています。AIが今後普及し続けると、2026年の電力消費量は2022年比で2倍以上になるとも試算されており、既存産業に加えて新たな排出源となります。

ChatGPTやGeminiなどの生成AIモデルは特にデータ処理量が膨大であり、電力消費量が大きいAIです。大量のパラメータを最適化するため長時間稼働し、機械学習が完了した後もユーザーの質問に備えるため、データ処理が継続されています。

このままAIの普及が進めば、地球環境に対する影響が懸念されるため、エネルギーの効率化を実施することでの、環境問題対策への貢献が求められるようになります。

グリーンAIの特徴

グリーンAIには以下のような特徴があります。

まずAIの電力使用に関して、処理に必要な電力を削減することが重要です。例えば省電力仕様のハードウエアを使用する、軽量なモデル設計を選択することが挙げられます。また、データセンターの電力に太陽光発電など自然エネルギーを使用することも大切です。こうした再生可能エネルギーを利用することは、社会全体のサステナビリティの向上につながります。

グリーンAIとは何か 挿絵

グリーンAIの活用例

グリーンAIの考え方が取り入れられた活用例をご紹介します。

一つ目は、都市交通においてAIを渋滞予測や信号機の制御に導入し、無駄なガソリン消費を抑える取り組みです。従来はモニター監視や道路上での車両感知システムで手動調整されていましたが、AIは誤差の少ない予測により信号機を切り替えて交通渋滞を抑制にも貢献します。

二つ目は、漁業において魚の成長状態や行動パターンをAIで予測し、魚群の位置を高精度で割り出す取り組みです。これにより漁船は効率的な運航計画が立てられて、燃料の無駄遣いを減らすことが可能です。また漁獲量を最適化することで、獲りすぎによる将来的な資源の枯渇の予防にも繋がります。

三つ目は、自然災害の予知に関して、台風や豪雨、地震などの自然災害をAIで予測して被害を軽減する取り組みです。例えば、神奈川県で導入した災害予測システムは土砂崩れの予測や、避難のタイミングを自動アラート化することで被害の軽減に貢献しています。

グリーンAI導入の課題

グリーンAIの導入にはまだ課題が残っています。

AIのモデル開発には依然として大きな電力が必要とされており、環境負荷が高いことが挙げられます。また技術的には軽量化や省電力化を進めるために、従来のAIに比べて必要となる開発コストが増加するため導入の障壁となっています。

AIには持続可能な社会への貢献が必要

グリーンAIの導入は、技術力の向上や、社会全体の環境問題への関心の高まりから、今後拡大していくことが予想されます。MicrosoftやGoogleなどはAIの普及に必要なデータセンターに、再生可能エネルギーの導入を進めています。

導入にはコストがかかるという課題がありますが、グリーンAIは環境と技術の両立を達成するために必要な事であり、私たちが持続可能な社会を築いていくために考え続けることが重要です。

IT Insightの他記事もご覧ください

Prev

Next