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サーバーのフェイルオーバーとは?種類やメリット・デメリットを解説

レンテックインサイト編集部

サーバーのフェイルオーバーとは?種類やメリット・デメリットを解説

サーバーで障害が発生すると、サービスの停止や業務の中断などにつながるリスクがあります。こうした状況でもシステムを止めず、運用を継続するために採用されているのが「フェイルオーバー」と呼ばれる仕組みです。

本記事では、サーバーのフェイルオーバーの仕組みや種類、導入するメリット・デメリットについて解説します。サーバーの可用性・信頼性を高めたいと考えている企業は、ぜひ参考にしてください。

フェイルオーバーとは

フェイルオーバー(Failover)とは、稼働中のサーバーで障害が発生した際に、自動的に処理を予備システムへ切り替える仕組みのことです。

フェイルオーバーは「フェイル(Fail)=失敗」、「オーバー(Over)=越える」の二つのワードが語源となっています。サーバーで障害が発生した際に、あらかじめ稼働状態にある予備システムへ切り替えることで、サービス停止やシステム障害の影響を最小限に抑えることが可能です。

スイッチオーバーとの違い

フェイルオーバーと混同されやすいのが「スイッチオーバー」です。スイッチオーバーとは、手動でシステムを切り替える方式のことを指します。

フェイルオーバーが「自動で切り替わる」仕組みであるのに対し、スイッチオーバーは予備システムをスタンバイ状態で待機させておき、手動でシステムを切り替えるのが特徴です。シンプルな構成でコストを抑えやすく、サーバーのアップデートやメンテナンスなどで利用されています。

ただし、スイッチオーバーは人の操作が前提となるため、障害発生から切り替え完了までに時間がかかる点がデメリットです。

フェイルセーフ、フェイルバックとの違い

フェイルオーバーは「フェイルセーフ」や「フェイルバック」などと混同されるケースも多く見られます。フェイルセーフとは、サーバーでトラブルが発生した際に、安全な状態へ移行したり、安全に停止させたりするための仕組みのことです。一方、フェイルバックは、障害発生時に待機系へ切り替わったシステムを、障害が復旧した後に主系へ戻す仕組みのことを指します。

サーバーのフェイルオーバーが必要な理由

フェイルオーバーを設定していない場合、1台のサーバーで障害が発生すると、システム全体が停止したり、サイトがオフラインになったりする可能性があります。

例えば、B2B向けのSaaS企業の場合、ユーザー企業が必要な情報にアクセスできなくなり、サービス停止のリスクにつながります。また、eコマースやゲーム企業では、サーバーが停止すると売上損失やユーザー離脱に直結します。

サービスの継続性を確保する上で、フェイルオーバーは非常に重要な仕組みといえるでしょう。

フェイルオーバーの種類

フェイルオーバーには、アクティブ・アクティブ構成とアクティブ・スタンバイ構成の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

アクティブ・アクティブ構成

アクティブ・アクティブ構成は、複数のサーバーを常に稼働させ続ける構成です。すべてのサーバーが稼働しているため、通常時は処理負荷を分散でき、高いパフォーマンスを維持できます。

また、いずれかのサーバーに障害が発生した場合でも、稼働中の別サーバーが処理を引き継ぐことで、サービスの継続性を確保できます。

アクティブ・スタンバイ構成

アクティブ・スタンバイ構成は、複数のサーバーを用意し、1台をアクティブ、ほかはスタンバイの状態にすることで冗長性を確保する方式です。スタンバイ側は通常は稼働していませんが、障害が発生した際にアクティブ側の処理を引き継ぐことでサービスを継続できます。

フェイルオーバーのメリット・デメリット

ここでは、フェイルオーバーのメリット・デメリットについて解説します。

フェイルオーバーのメリット

フェイルオーバーの最大のメリットは、システム全体の冗長性を確保できる点です。特に高い可用性が求められるシステムでは、予備システム側にも障害が発生する可能性を考慮し、複数レイヤーで冗長化を行うことが求められます。

また、障害発生時の停止時間を最小限に抑えられる点もメリットです。障害を自動で検知し、人の操作を待たずに切り替えが行われるため、短い停止時間でシステムの稼働を維持できます。

フェイルオーバーのデメリット

フェイルオーバーのデメリットは、導入コストが高くなりやすい点です。自動切り替えを行う仕組みや監視機能を備えた構成が必要となるため、初期費用が高くなりがちです。また、主系と待機系のサーバーを複数台用意する必要があるため、ハードウエアコストや運用コストも増加します。

フェイルオーバーを導入する際のポイント

すべてのシステムをフェイルオーバーで構成すれば、堅牢な仕組みを実現できます。しかし、その分コストは高額になるでしょう。フェイルオーバーの導入を検討する際は、下記のような要件をもとに導入の必要性を慎重に検討することが重要です。

即時復旧が必要かどうか

障害発生時にも全機能・性能を維持する必要があるか

人の手による復旧では間に合わないのか

これらの条件を整理した上で、「本当にフェイルオーバーが必要なのか」を判断しましょう。場合によっては、フェイルオーバー以外の手法の方が適しているケースもあります。

また、システムの規模やユーザー数によって求められる可用性レベルは異なります。小規模システムであれば手動の切り替えでも十分対応できるケースがありますが、大規模サービスでは自動化による即時復旧が必須となるケースがほとんどです。自社の業務プロセスや障害発生時の影響範囲を正しく把握し、最適な冗長化方式を選定しましょう。

重要なのは、目的や許容できる停止時間に応じて適切な仕組みを選択することです。システムの重要度や復旧要件に応じて、どの方式が最適かを見極め、用途に合った構成を採用しましょう。

フェイルオーバーを採用して、サーバーの可用性・信頼性を高めよう

今回は、サーバーのフェイルオーバーの仕組みや種類、導入するメリット・デメリットについて解説しました。

サーバーの障害はいつ発生するか予測できないものです。特にオンラインサービスやクラウド環境では、数分の停止が大きな損失につながるケースも珍しくありません。そのため、事前にどれだけ安定した冗長構成を整えられるかが、運用の品質を大きく左右するでしょう。

フェイルオーバーの仕組みを適切に取り入れることで、障害発生時でもサービス停止を最小限に抑え、システムの可用性と信頼性を大きく向上させることができます。自社のシステム要件や予算に合わせて最適な構成を選び、安定したサービス運営を実現しましょう。

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