ホームIT勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション

IT Insight

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション

レンテックインサイト編集部

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション

近年、働き方改革の推進により、企業における勤怠管理のデジタル化が急速に進んでいます。

ワークライフバランスの重視や残業時間の法的規制強化、テレワークやフレックス制度の普及により、従来の紙ベースやエクセルでの勤怠管理では対応が困難な状況が生まれています。

このような変化の中で、勤怠管理システムの導入を検討する企業が増加していますが、一方で「何を選べばよいか分からない」「システムを導入しても使いこなせない」といった課題も浮上しています。

そのような課題に対し、時計製造で培った精密技術をベースに勤怠管理ソリューションを提供し、柔軟なカスタマイズと手厚いサポートで差別化を図るのが、セイコーソリューションズ株式会社です。同社が提供する勤怠管理ソリューションの特長と、今後の展望について、DXソリューション営業統括部長の三浦 宏道氏、同部の大枝 言扶子氏、HRソリューションチーム課長の中村 克彦氏にお話を伺いました。

時計製造の精密技術から生まれた総合ITソリューション企業

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 時計製造の精密技術から生まれた総合ITソリューション企業

セイコーソリューションズは、時計で有名なセイコーグループの一員として、独自の発展を遂げてきた企業です。同社の成り立ちについて、三浦氏は次のように説明します。

「もともと、セイコーの時計製造工程で自動化システムを開発していた部門が起源です。TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol) が普及する以前から、さまざまな機械をつないで自動化を実現していた技術に注目が集まり、外部への販売を開始したのがスタートでした。2013年に、グループ内のシステム部門を統合してセイコーソリューションズが設立されました」

現在の同社は、勤怠管理だけでなく幅広い事業を展開しています。ネットワーク時刻同期システム、タイムスタンプサービス、金融機関のATM接続システム、タクシーの決済端末システム、子ども用見守り携帯など、「つなぐ」技術を核とした多角的なソリューションを提供しています。

このような多様な事業基盤が、勤怠管理分野でも同社の強みとなっています。「勤怠管理の知識だけでなく、いろいろなシステムのノウハウを活用して、幅広い提案ができるのが当社の特長です」と中村氏は語ります。

勤怠管理システム市場課題|デジタル化の遅れと選択肢の多様化

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 勤怠管理システム市場課題|デジタル化の遅れと選択肢の多様化

勤怠管理システム市場の現状について、中村氏は次のような分析を示しました。

「大企業では早期にシステム化が進んでいますが、中小規模の企業では、まだまだ紙やエクセルでの管理が多いのが現状です。システム化すると逆に管理が複雑になってしまうという理由で、デジタル化に踏み切れない企業も少なくありません」

一方で、システム導入を検討する企業が直面するのが、選択肢の多さという課題です。「競合が多い業界になっているため、お客さまとしても何を選べばよいか分からないという悩みが多く聞かれます」と中村氏は指摘。

また、ハードウエア面では、客観的な勤怠記録の必要性が高まっています。三浦氏によると、2018年に文部科学省が教職員の働き方改革推進のためタイムレコーダー導入を指導したことを皮切りに、医療業界でも同様の動きが広がっているといいます。

「医師の場合、技術研鑚と患者の治療の境目がなく、長時間の連続勤務が横行していました。そのため、打刻機を使った客観的な勤務時間管理が求められるようになっています」(三浦氏)。

セイコーソリューションズが提案する統合型ソリューション──esTIME、ESTEN、かんたん雇用契約forクラウドの連携

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 セイコーソリューションズが提案する統合型ソリューション──esTIME、ESTEN、かんたん雇用契約forクラウドの連携

セイコーソリューションズが提供する勤怠管理ソリューションは、クラウド勤怠管理システム「esTIME(エスタイム)」、クラウド対応ICカードリーダー端末「ESTEN(エステン)」の二つの製品で構成されています。 また、その他の人事関連サービスとして雇用契約デジタル化サービス「かんたん雇用契約forクラウド」の提供も行っています。

esTIMEは、単純な勤怠管理にとどまらない多機能なクラウドシステムです。中村氏は主な特長として次の点を挙げます。

「勤怠管理だけでなく、プロジェクトごとの工数管理機能を持っているのが大きな特長です。プロジェクトにおける業務量や人数を把握することで、適切な業務量の調整や管理が可能になります。自治体では科目管理にも活用いただいています」

また、複数の勤務形態や締め日の管理、シフト管理、お客さま専用のデータ出力テンプレート作成機能など、柔軟な運用に対応できる機能を備えています。総合行政ネットワーク(LGWAN)にも対応しており、自治体での活用も進んでいます。

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 ESTENは、業界内で最薄クラスのコンパクトなデザインが特長のICカードリーダー端末です。

ESTENは、業界内で最薄クラスのコンパクトなデザインが特長のICカードリーダー端末です。中村氏が実機を示しながら説明します。

「4.3インチカラータッチパネルを搭載し、12個の機能を設定可能です。一画面には最大4個の機能を同時に表示でき、操作性にも優れています。そして、大きな特長は、機能ごとに背景色を変更できることです。出勤は青、退勤は赤といった具合に色分けすることで、打刻間違いを防ぐことができます。これは他社製品にはあまり見られない機能で、お客さまから高い評価をいただいています」

さらに、音声再生機能も搭載しており、視覚と聴覚の両方で打刻確認ができるため、視力に不安のある方にも配慮した設計となっています。

「かんたん雇用契約forクラウド」は、雇用契約に関わる一連の手続きをデジタル化するサービスです。「働き方改革関連法案への対応として、外国人やパート・アルバイトなどの雇用契約書類の作成から保存まで、クラウド上で一元管理できます」と中村氏は説明します。

これら三つのサービスは相互に連携が可能で、雇用契約の管理から勤怠管理まで一気通貫でのソリューション提供を実現しています。

導入事例|国立病院機構での大規模展開

同社のソリューションは、さまざまな業界で導入が進んでいます。特に注目すべき事例として、三浦氏は国立病院機構での展開を挙げます。

「国立病院機構の140病院すべてにESTENを導入いただきました。従来は半数程度を手書きの出勤簿で管理していましたが、これにより客観的な勤務時間の把握が可能になりました」

また、派遣会社での活用事例として、三浦氏は次のような効果を紹介します。「派遣先でのスタッフの勤務状況を、チームリーダーが手作業で集計して本社に報告していた業務が、ESTENによるデータ自動収集により大幅に効率化されました。月末の集計作業が格段に楽になったという声をいただいています」

ほかにも、同社の製品は、勤怠管理の枠を超えた多様な用途で活用されています。三浦氏は興味深い事例を紹介します。

「ICカードリーダー端末がゴルフ練習場でボールの貸し出し管理に使われた事例があります。ICカードをかざすとボールが出てくるというシステムです。入出力の仕組みを応用すれば、さまざまなサービスに活用できる可能性があります」

また、病院では会議室での研修出席管理にも活用されているといいます。「大きな病院で、必修研修の出席確認にESTENを使用している事例があります。講習受講の履歴管理として活用されています」(三浦氏)。

このような多様な用途での活用に、柔軟な対応が可能な背景について、三浦氏は次のように説明します。「大手クラウドベンダーの場合、標準機能からの逸脱には対応が困難ですが、当社では個社対応での開発も可能です。これが当社の強みの一つです」

柔軟なカスタマイズと手厚いサポートにより競合優位性を確保

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 柔軟なカスタマイズと手厚いサポートにより競合優位性を確保

競合が多い勤怠管理システム市場において、同社はどのような差別化を図っているのでしょうか。中村氏は三つの主要な強みを挙げます。

「第一に、お客さまの求めるものに柔軟に対応できることです。多様な事業で培ったノウハウを活用し、勤怠管理だけでなく幅広い提案が可能です。第二に、自社でタイムレコーダーを製造していることです。同一企業の製品なので、連携がスムーズで価格面でもメリットを提供できます。第三に、導入から運用まで手厚いサポートを行っていることです」

特にサポート体制については、他社との明確な違いがあると中村氏は強調します。「パッケージ製品では、マニュアルを見て自分で設定するのが一般的ですが、当社では複数回の打ち合わせを通じて、お客さまの運用に合った初期設定をお手伝いします。導入後も定期的な打ち合わせやWeb会議でのサポートを継続しています」

実際のサポート事例として、大枝氏は次のような例を挙げます。「タイムレコーダーを設置する際にインターネット環境がないというご相談を受けた際、同じグループで提供しているWiFiルーターと組み合わせて提案し、受注に至った事例があります」

今後の展望として建設業・製造業への展開とマイナンバー対応を検討

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 今後の展望として建設業・製造業への展開とマイナンバー対応を検討

今後の事業展開について、同社では建設業と製造業をターゲットとした取り組みを強化する方針です。

建設業界について、三浦氏は次のような可能性について示唆しました。「建設現場では、人手不足解消のため適切な勤務時間管理が求められています。利便性を高めるため、従来のICカードを活用した管理方法だけでなく、リストバンド型のICタグを活用する方法も検討しています」

技術面では、マイナンバーカード対応も検討されています。中村氏は次のように説明します。「マイナンバーカードの普及が進む中、自治体を中心にマイナンバーカード対応への要望が増えています。ICカードを別途準備する必要がなく、なりすまし防止にも効果的です」

また、システム面では予測型のアラート機能の強化も計画されています。「現在の残業時間ペースから、月末の残業時間超過を予測してアラートを出す機能を検討しています。規定時間を超えてからではなく、超える前に警告することで、実際の残業時間削減につなげたいと考えています」(中村氏)

製造業や自治体では、セキュリティ上の理由からクラウドサービスの利用を避ける傾向もあります。この点について、中村氏は次のような対応方針を示します。 「他社の勤怠管理システムでは、クローズド環境での提供が困難な場合が多いのが現状です。当社では、お客さまの環境に合わせた柔軟な対応が可能で、これも差別化要因の一つです」

三浦氏も、大規模災害時のBCP(事業継続計画)の観点から、クラウド環境の有効性を説明します。「地震などの災害時、オンプレミス環境では情報収集が困難になりますが、クラウド環境であれば本社機能で各拠点の出勤状況をリアルタイムで把握できます。これにより、適切な災害対応が可能になります」

「技術力」と「サポート力」で差別化を図る統合型HRソリューション

勤怠管理のデジタル化で働き方改革を支援──セイコーソリューションズが提案する統合型HRソリューション 挿絵 「技術力」と「サポート力」で差別化を図る統合型HRソリューション

セイコーソリューションズの勤怠管理ソリューションは、時計製造で培った精密技術と「つなぐ」技術をベースに、柔軟なカスタマイズと手厚いサポートで差別化を図っています。esTIME、ESTEN、かんたん雇用契約forクラウドの連携により、雇用契約の管理から勤怠管理までトータルでのソリューション提供を実現し、さまざまな業界での課題解決に貢献しています。

今後は建設業や製造業での展開拡大、マイナンバーカード対応、予測型アラート機能の強化など、さらなるサービス向上を目指しており、働き方改革の推進に向けた同社の取り組みが注目されます。

「勤怠管理のデジタル化は、単なる効率化にとどまらず、従業員の皆さまのワークライフバランス向上にもつながります。お客さまの課題に柔軟に対応できる当社のソリューションを、ぜひご検討いただければと思います」(三浦氏)。

IT Insightの他記事もご覧ください

Prev

Next