
IT資産の複雑化とクラウドサービスの普及により、企業におけるIT資産管理の重要性が高まっています。セキュリティの観点では、IT資産の正確な管理がインシデント予防に繋がります。本記事では、IT資産管理がセキュリティ対策にどう役立つのか、そしてその最適化のポイントについて解説します。
IT資産が「見えない」状態にあることは、セキュリティ上の重大なリスクとなります。管理されていない端末やソフトウエアは脆弱性の温床となり、攻撃者にとって格好の侵入口となります。
例えば、個人が持ち込んだ端末や未承認のクラウドサービスは「シャドーIT」と呼ばれており、情報漏洩や不正アクセスを引き起こす原因となり得ます。また、ライセンスの更新忘れや、利用停止後のアカウント放置もセキュリティリスクです。
これらのリスクに対処するには、IT資産の状態、利用状況、更新履歴を一元的に把握し、管理を強化することが求められます。具体的には、端末ごとの構成管理、承認されたネットワーク以外からのアクセス遮断、ソフトウエアのインストール制限などの対応を通じて、内部不正や外部からの攻撃を未然に防止できます。
適切な運用ルールの整備とツール選定が、IT資産管理におけるセキュリティ対策を持続可能なものにします。
企業によっては、IT機器やクラウドサービスの申請や導入におけるルールが部門ごとに異なり、申請の受け付け方法もメールや口頭などバラバラとなっていることがあります。これでは各IT資産の申請者や利用方法の把握が困難となり、更新や返却漏れ、契約責任の所在不明などのリスクが生じ、セキュリティホールにもつながる可能性があります。
こうした状況を解決するためには、資産管理ツールを活用し、申請から承認、割り当て、返却までのプロセスを一元的に管理することが重要です。運用ルールを明文化することで、管理者の負担を軽減しつつ、セキュリティを強化できます。
IT資産は導入から廃棄や契約終了までの全期間を通じて管理しなければなりません。特に、クラウドサービスで多いサブスクリプション形式の契約では、契約時期などによって更新期限がそれぞれ異なるため、手作業では漏れや重複が発生しやすくなります。
資産管理ツールの中には、契約更新のタイミングや利用状況を自動で通知し、契約を事前に見直せる機能を備えたものがあります。さらに、部署ごとの利用状況や費用を可視化する機能があれば、コスト意識を高めると同時に、無駄な支出を抑えられます。資産管理ツールの導入により、セキュリティ対策とコスト管理を両立させる運用体制の整備が可能となります。

資産管理ツールが持つセキュリティ機能は多岐にわたり、社内の資産を守る重要な防壁となります。
資産管理ツールの基本機能の一つは、端末のOSやソフトウエアの状態監視です。ツールによっては、セキュリティ辞書と照合し、脆弱性のある端末を特定し、パッチ適用の遅れを自動的に通知する仕組みを備えているものもあります。こうした機能により、人的ミスによる対応漏れを防ぎ、ソフトウエアの脆弱性を悪用したゼロデイ攻撃などのリスクに備えることができます。
資産管理ツールには、ユーザーの操作範囲を明確に区分けする権限設定機能を有するものもあります。例えば、閲覧のみ、編集可能、全権限といった段階的な管理により、誤操作や内部不正を防止し、情報漏洩のリスクを低減できます。
また、クラウドサービス利用や資産割り当ての申請・承認を段階的に行えるワークフローを整備することで、情報の見逃しや未承認利用を防ぎ、業務とセキュリティのバランスをとることができます。申請や承認時にメール通知を送る仕組みも、対応遅れや抜け漏れの防止に効果的です。
クラウドサービスの利用が広がる中で、社員による情報漏洩のリスクも増しています。個人アカウントによるオンラインストレージの利用やWebメールでのデータ送信は、シャドーITの典型例です。資産管理ツールの中には、Webフィルタリングやアップロード制御機能を持つものがあります。これにより、特定のサービスへのアクセスや送信行為を制限でき、情報漏洩リスクを減らすことができます。
IT資産管理は、企業のセキュリティ戦略の中核となります。特に、クラウドサービスの利用が増える中で、利用申請、ライセンス管理、コスト把握、更新管理といった業務が複雑化しています。これらの業務を一元管理するためには、統合型の管理サービスの活用が効果的です。
「サブかん」などのサービスは、これらの手続きをスムーズにし、IT部門と従業員の負担を大幅に削減します。クラウドサービスやソフトウエア資産の最適な管理を通じて、企業全体のセキュリティレベルを高めたい企業には、「サブかん」の導入が有効な選択肢となるでしょう。
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