OpenAIが提供するChatGPTは、世界中の企業・個人が利用しており、生産性向上に大きく寄与しています。特に2024年12月に新たに発表されたChatGPT o1 pro（以下、ChatGPT Pro）は、高度な機能を備えたプランとして注目を集めています。

ChatGPT Proは月額200ドル（約3万円）と他のプランよりも高額です。そのため、具体的に何ができるのか、従来のプランと何が違うのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、ChatGPT Proでできること、従来のプランとの違いについて解説します。企業でChatGPT Proを導入・運用する際のポイントも解説しますので、参考にしてください。

ChatGPT Proとは

ChatGPT Proとは、最新のGPT-4 Turboを利用できるプランのことです。ChatGPT Proの主な対象は、複雑な問題解決や高度なAI機能を必要とするビジネスパーソンや研究者などです。

ChatGPT Proの特徴

ChatGPT Proの主な特徴は下記の3つです。
・高度なAIモデルを利用できる
・処理スピードが大きく向上している
・トラフィックの多い時間帯でも快適に利用できる
それぞれの特徴を解説します。

高度なAIモデルを利用できる

ChatGPT Proでは、GPT-4 Turboと呼ばれる最新モデルを利用できます。GPT-4 Turboは、従来のGPT-4よりも高速かつ応答精度が向上しているのが特徴です。そのため、長文の処理や複雑な質問に対してよりスムーズに対応できます。

処理スピードが大きく向上している

ChatGPT Proは処理スピードが大きく向上しており、大量のテキストを処理する際においても快適に利用できます。無料版やPlusプランよりも応答時間が短縮され、スムーズな対話が可能です。特に負荷が大きいコード生成やデータ分析などにおいてもスムーズに処理できるのがメリットです。

トラフィックの多い時間帯でも快適に利用できる

ChatGPT Proは、トラフィックの多い時間帯でもスムーズに利用できます。無料版では、利用者が多い時間帯にアクセス制限がかかることがありますが、Proプランでは安定した環境で利用することが可能です。

従来のプランとの違い

ここでは、無料版やChatGPT Plusとの違いについて解説します。

ChatGPTのプラン一覧

各プランで利用できるモデル・価格は下記のとおりです。

無料版との違い

無料版はGPT-3.5のみ利用できますが、リクエスト数にも制限があるため、長文の生成や複雑な処理には適していません。処理速度や回答精度はChatGPT Proの方が優れています。

ChatGPT Plusとの違い

ChatGPT PlusではGPT-4を利用できますが、高負荷時には使用制限がかかる場合があります。一方、ChatGPT Proでは最新のGPT-4 Turboを無制限に利用でき、応答速度や処理能力が大幅に向上しているのがメリットです。

ChatGPT Proの活用事例

ChatGPT Proは幅広い分野で活用できます。たとえば、下記の用途で活用することが可能です。

プログラミング

ChatGPT Proを活用すれば、コードの自動生成や最適化、バグ修正のサポートが可能になります。たとえば、特定のプログラミング言語のコードを記述し、エラーの指摘や修正案を提案してもらうことが可能です。また、アルゴリズムの設計やパフォーマンス向上のアドバイスなども受けられます。

ライティング

ChatGPT Proは、高品質なコンテンツ作成をサポートすることも可能です。ブログ記事やニュース記事、SEO対策を意識したライティングなど、多様な文章を作成できます。また、誤字脱字の修正や文法チェック、文章の流れの改善などもサポートできます。

データ分析

ChatGPT Proでは、データアナリストや研究者向けにデータの解析や可視化、統計分析の支援などもサポートできます。PythonやSQLを使ったデータ処理のコードを生成したり、統計的な手法を提案したりなど、より効率的なデータ分析を実現できるのが強みです。

アイデア出し

ChatGPT Proは、新しいビジネスアイデアの提案やマーケティング戦略の策定、プロジェクト計画の立案など、多様な用途で活用できます。たとえば、新規商品開発のアイデアをAIと共に考えたり、広告コピーやキャンペーンのコンセプトを検討したりすることも可能です。

ChatGPT Proを導入・運用する際のポイント

企業がChatGPT Proを導入・運用する際は、下記の流れで進める必要があります。
1.利用目的の明確化
2.企業アカウントの作成
3.試験運用（PoC）
4.情報管理ルールの策定
5.チェック・承認フローの設定
6.利用状況の監視と評価
それぞれのポイントを解説します。

1.利用目的の明確化

ChatGPT Proの活用方法を明確に決めない状態で導入すると、下記のような失敗につながるため注意が必要です。
・導入後に活用方法が分からず、結局あまり使われない
・どの部署が使うのか決めていなかったため、導入効果を測定できない
・用途が曖昧なまま進め、不要なコストがかかる
企業でChatGPT Proを導入する際は、どの業務で活用するのか・導入後に期待する効果（業務時間の短縮やコスト削減、顧客対応の品質向上など）・どの部署・チームがメインで利用するのかの3つを最低限決めるようにしましょう。

2.企業アカウントの作成

ChatGPT Proを企業で導入する際は、個人アカウントではなく、企業専用のアカウントを作成することが必須です。企業利用で個人アカウントを使うと、管理が煩雑になり、セキュリティリスクが増大します。たとえば、以下のようなリスクにつながるため注意が必要です。
・利用状況を一括管理できず、無駄なコストが発生する
・機密情報を扱う業務で管理が行き届かない
これらのリスクを防ぐためには、企業専用のアカウントを作成し、一元管理する必要があります。

3.試験運用（PoC）

ChatGPT Proを導入する前には、小規模な部署やチームで試験運用（PoC：Proof of Concept）を実施し、業務への適用可能性を検証します。試験運用を実施することで、業務に適しているか、効果が見込めるかを事前に確認できるでしょう。

4.情報管理ルールの策定

ChatGPT Proはクラウド上でデータを処理するため、機密情報の入力は厳禁です。企業のデータを守るためにも入力してはいけない情報を明確に定める必要があります。入力してはいけない情報の例としては、下記の情報が挙げられます。
・顧客情報（氏名、住所、電話番号、取引情報）
・社内機密情報（契約情報、未公開の売上データ、経営戦略）
・パスワードや認証情報
・個人情報・財務情報

5.チェック・承認フローの設定

ChatGPT Proは高度なAIであるものの、必ずしも正確な情報を提供するとは限りません。そのため、人間によるチェックを併せて実施する必要があります。たとえば、下記のルールを設定することをおすすめします。
・AIが生成した文章は必ず上長または担当者が確認する
・データ分析の結果は専門家が再確認し、正確性を保証する
・メール文を作成した際は、送信前に上司の承認を得る

6.利用状況の監視と評価

ChatGPT Proの利用状況を定期的に監視し、業務改善に役立っているかを評価することもポイントです。運用を開始したら、下記のような形で監視・評価するようにしましょう。
・利用ログを定期的に確認し、不適切な利用がないかチェックする
・月1回、利用レポートを作成し、業務改善の効果を測定する
・社員のフィードバックを収集し、運用ルールの見直しを実施する
上記のポイントを押さえることで、ChatGPT Proを安全かつ効果的に業務で活用できます。

ChatGPT Proを活用し、業務を効率化しよう

今回は、ChatGPT Proでできること、従来のプランとの違いなどを解説しました。ChatGPT Proはプログラミングやライティング、データ分析、アイデア出しなど、幅広い用途で活用できます。ChatGPT Proを活用し、日々の業務を効率化しましょう。