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液浸冷却システムとは?データセンターの省エネに貢献する冷却技術を紹介

レンテックインサイト編集部

液浸冷却システムとは?データセンターの省エネに貢献する冷却技術を紹介

液浸冷却システムは、サーバーを絶縁性のある液体に直接浸して冷却する冷却技術のことで、データセンターの省エネルギー化や高効率化に寄与すると期待されています。本記事では、液浸冷却の仕組みや種類、さらに導入のメリットや課題について解説します。

液浸冷却システムの仕組み

液浸冷却はサーバーを特殊な液体で直接冷却する方法で、主に発熱量の大きいデータセンターでの冷却に用いられます。

液浸冷却とは

液浸冷却は、絶縁性のある特殊な液体にサーバーを直接浸すことで効率的に冷却する技術です。従来の空冷方式や水冷方式と異なり、サーバーの部品に液体が直接触れることで高い冷却効率が得られます。発熱量が大きいデータセンターなどでの利用が進んでおり、特に生成AIの計算処理などで多大な熱を発生させるGPUサーバーの冷却において、その優れた効果が注目されています。

液浸冷却に用いられる冷却液には、フッ素系の不活性液体やシリコンオイルなど、絶縁性が高く電気を通さない液体を使用します。これらはサーバー機器に影響を与えることなく、安全に冷却します。

液浸冷却の方式

液浸冷却には、主に「単相式」と「二相式」の2種類の方式が存在します。それぞれ冷却液の循環方法に違いがあり、用途に応じて使い分けられています。

単相式液浸冷却は、冷却液がサーバーからの熱を吸収して温められ、その液体が外部の冷却システムに戻って再び冷却されるというシンプルな構造です。液体の状態が変わらないため、運用も比較的簡単で、メンテナンスも容易です。特に大規模な構成を必要としないケースや、システム全体の簡便性を重視する際に多く採用されています。

二相式液浸冷却では、サーバーからの熱によって冷却液が蒸発し、液体から気体へと相変化します。その蒸気が冷却コイルで冷やされることで液体に戻り、再びサーバーを冷やします。この方式は冷却効率が高く、特に高密度なサーバーに適しています。Microsoftなどの大手企業も実運用に採用しており、湿度の変動が少なく、酸素濃度が低いため、サーバーの故障率が低下するとの報告もあります。

液浸冷却システムのメリット

液浸冷却システムの導入には、冷却効率の高さやスペース効率の良さ、静音性の高さといったメリットがあります。

冷却効率が高い

液浸冷却では、冷却液がサーバー部品に直接触れるため、空冷や水冷方式と比べて冷却効率が高いことが特徴です。GPUサーバーのような発熱量の多い機器に対しても優れた冷却効果を発揮し、ファンやポンプといった空調動力を削減できるため、データセンター全体の消費電力を抑えられます。液浸冷却はデータセンターのエネルギー効率を示すPUE(Power Usage Effectiveness)の改善にも寄与し、理想的なPUE=1.1以下を実現することが可能です。

スペース効率が良く、静音性が高い

液浸冷却では、冷却ファンや大規模な空調システムが不要となり、サーバーを高密度に配置できるため、設置スペースを削減できます。また、ファンやポンプの動作音がないため、静音性の高い環境が実現され、データセンター内の作業環境も向上します。この静音性は冷却設備の耐用年数の向上にもつながり、運用スタッフの作業効率にも良い影響を与えると考えられています。

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液浸冷却システム導入の課題

液浸冷却システムは導入コストが高額であるのに加え、運用方式が特殊なためノウハウが必要です。

導入コストが高い

液浸冷却システムでは、冷却液としてフッ素系不活性液体やシリコンオイルなどの絶縁性の液体を使用します。これらの液体は高価であるだけでなく、将来的な供給リスクも懸念されています。また、冷却システム自体の装置も高額であるため、導入時の初期投資は特に大きくなってしまいます。これらの点を考慮し、投資対効果を十分に見極めた上で、導入を検討することが重要です。

専門的な運用ノウハウが必要

液浸冷却は比較的新しい技術であり、従来の空冷方式や水冷方式とは異なる運用のノウハウが求められます。特に冷却効率が高い二相式の液浸冷却の場合は、運用に高度な専門知識が必要です。また、冷却液に直接触れるシステムであるため、サーバーの設置や取り外しには手間がかかるケースもあり、従来のラック式サーバーの管理方法とは異なる対応が必要です。

液浸冷却でより効率的な冷却を実現

液浸冷却システムは、特に発熱量が多いサーバーの冷却手段として、優れた効率性と省エネ性を提供します。データセンターの高密度化や生成AIのような高度な処理を要するサービスの増加に伴い、その重要性はますます高まると見込まれています。しかし、導入にあたっては高い初期投資や専門的な運用管理が必要です。導入の際には、専門家のアドバイスのもと、適切な計画の作成が不可欠です。

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