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「Notion」とは? 情シスが知っておきたい万能ツール

レンテックインサイト編集部

「Notion」とは? 情シスが知っておきたい万能ツール

皆さんは、「Notion」をご存じでしょうか。 タスク管理やドキュメント作成、データ分析やデータベースの一元管理など、さまざまな機能を持つオールインワンの情報管理アプリケーションです。その幅広い機能や分かりやすいUIが評価され、情報システム部門を中心にプロジェクト管理や社内wiki作成、IT資産棚卸など多岐にわたる業務で活用されているNotion。

本記事では、その機能、使い方、活用のコツについて、初心者が押さえておきたい基礎知識をお届けします。

Notionで何ができるのか? 6つのポイントで基本機能を解説

Notion(ノーション)はどのような機能を持ち、なぜ多くの組織で活用されているのでしょうか。まずは6つのポイントで基本機能を押さえましょう。

【1】ドキュメントの作成・編集

Notionの基本的な機能で、音声、動画などマルチメディアを含むドキュメントを簡単に作成、編集できます。ドキュメントはシンプルなメモから複雑なマニュアルまで幅広く対応し、情報システム部門での技術資料やFAQ、マニュアルなどの作成に幅広く活用されています。またAI(Notion AI)によるテキスト生成や要約、翻訳なども可能です。

【2】データ分析・表計算

Notionが万能ツールと言われ重宝されるのは、ドキュメント作成や管理とCSVデータを取り込んでの分析などの表計算機能の両方を兼ね備えていることが大きく関係しています。Excelなどの専門ソフトに比べて不足する機能もあるものの、データの並べ替えやフィルタリング、関数など基本的な機能はテーブルに用意されており、グラフの描出やダッシュボードの作成などもシームレスに行えます。

【3】タスク・プロジェクト管理

Notionのデータベース機能は、タスク管理やプロジェクト管理をサポートします。スプレッドシートのような感覚で情報を整理でき、カレンダーやKanbanボードなど見せ方のテンプレートも複数用意されているため、プロジェクトの進捗情報や担当者ごとのタスクの割り当てなどを効率的に管理できます。カスタムプロパティを設定することで、一つの画面内の情報量も柔軟に調整可能です。

【4】ナレッジ管理・社内wiki

ナレッジ管理や社内wiki構築においてもNotionはよく用いられます。データベース機能により、例えば、技術的なトラブルシューティングやFAQ、社内マニュアルなどをデータベースに整理し、簡単に検索・参照できるように設定可能です。ドキュメント同士をリンクで関連付けたり、タグを設定したりすることで、必要な情報に迅速にアクセスしやすくなります。

【5】Webページ作成・他サービスとの連携

notionで作成したページは「外部全体」「リンクを知っている全員」など範囲を指定して公開することも可能なため、求職者やセミナー参加者など外部向けに情報を発信する場として用いられることもよくあります。 また、Google DriveやSlack、Zapierなどの外部サービスと連携させることで社内の情報を結びつけるハブとしてNotionの可能性はさらに広がります。

【6】テンプレートの活用

Notionにはあらかじめ用意されたテンプレートが豊富に存在し、情報システム部門の業務に即座に対応できる環境を素早く構築できます。前述の通り、テンプレートにはプロジェクト管理やナレッジベース作成用などがあり、カスタマイズの自由度も高いため、自社のニーズに合わせた使い方が可能です。

Notionには個人向けで無料のフリー、ビジネス向けで有料のプラス、ビジネス、エンタープライズの4つのプランがあります。本格的な組織での活用ではプラス以上の契約が基本となり、また無料トライアルの枠を超えたAI利用には別途料金がかかるものの、無料の枠内でも一通りの機能は試せるため、まずは一度利用してみるのが良いでしょう。

なお、本記事の内容は2024年10月時点のものになります。

Notionを情報システム部門が導入するメリットとは?

Notionの機能や用途について基礎的な内容をご紹介しました。ここからは、一歩進んで、Notionを情報システム部門が導入するメリットを三つのポイントで押さえていきましょう。

メリット1:手軽に利用できる

子ページ・親ページのシンプルな関係性や豊富なテンプレートを利用して思い通りのページを作成できる優れたUIが、Notionがリリース時から急速に広まった第一の理由と考えられます。また、SaaS型のクラウドツールであり環境構築の手間なく簡単に利用し始められること、初歩的な利用であれば無料でも可能なこともその普及に大きく貢献したはずです。

メリット2:多様な機能が集約されている

Notionは、ドキュメント作成、タスク・ナレッジ管理、データ整理など、さまざまな作業を一つのプラットフォームで一元管理できます。これにより、複数のツールを切り替える必要がなくなり、ツール管理の手間やコストが削減されます。また、情報の統合により、全社的な情報共有が容易になり、ナレッジベースの構築も進めやすくなります。

メリット3:チーム作業を促進する

その役割を端的に「コネクテッドワークスペース」と言い表す通り、Notionはリアルタイムでのコラボレーションが可能で、複数のメンバーが同時にページやデータベースを編集したりコメントしたりできます。また、メンション機能やコメント機能を使ってチーム内のコミュニケーションを効率化でき、迅速な意思決定が可能になります。前述の通りSlackなどと連携して更新の通知を自動化することも可能なため、作業の遅延や情報の行き違いを防ぐことができ、チーム作業が促進されます。

はじめてのNotion活用で押さえておくべき三つのTips

Notionの基本機能や使い方について解説してまいりました。最後に、Notionを使い始める前に意識しておきたいTipsを三つ押さえましょう。

情報の公開・持ち出しルールを定め、権限を設定する

情報をシームレスに共有できる機能が多く、外部との連携性も高いNotionですが、そのメリットは意図的、非意図的にかかわらず情報流出のリスクともなります。そのため、Notionを社内で活用する前には情報の公開範囲や持ち出しに関するルールを明確に定めるべきです。基本的にはワークスペースの外部公開やユーザーの招待、ページのエクスポートはできないよう設定し、必要な場合は公開用のワークスペースを作る、管理者が招待するなど都度対応するルールを設けるのがベターでしょう。

子ページやプロパティの乱立化対策を施す

情報の公開、持ち出しと同じくNotionの操作性の高さが裏腹に働くことで引き起こされかねないのが子ページやプロパティの乱立です。情報の構造や階層が整理されず、命名規則もばらばらといった状況ではデータベースの使い勝手が著しく低下し、情報活用の効率にマイナスの影響を与えます。ページ作成やプロパティ追加が全体に及ぼす影響を最初に周知するとともに、親ページ/子ページ間の関係性を利用して、オーナーが定期的に運用状況を見直せる状況をつくりましょう。

Notion以外のツールも活用し、連携させる

Notionは多機能ですが、すべての業務を完全にカバーできるわけではありません。詳細なデータ分析はExcelやPython、文章作成はWordやGoogleドキュメントなど、それぞれに得意分野があり、だからこそNotion自体も他ツールとの連携に力が入れられています。基本的にオンラインで利用することを前提に設計されているのも、忘れてはならないポイントです。特に、慣れてきたタイミングではNotionになるべく作業を集約したくなりますが、必要に応じてほかのツールと連携させることで最適なワークフローを構築することを意識しましょう。

Notionの持つ、使いやすさとカスタマイズ性のバランスをまずは体感してみては

DXを進める組織での活用が増えている万能アプリ、Notionの機能と活用のポイントについてご紹介しました。Notionの原型の開発は2016年に京都で行われたことが知られています。使いやすさとカスタマイズ性のバランスを重視した優れた製品設計には、そこで感じたきめ細やかな“おもてなし”の感性も反映されているのかもしれません。まずは同製品の操作性やメリットを実際にトライアルで利用して確かめてみてはいかがでしょうか。

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