ホームITCX(コーポレートトランスフォーメーション)とは?企業が変化に適応するための取り組みを解説

IT Insight

CX(コーポレートトランスフォーメーション)とは?企業が変化に適応するための取り組みを解説

レンテックインサイト編集部

CX(コーポレートトランスフォーメーション)とは?企業が変化に適応するための取り組みを解説

昨今では、大企業を中心にCX(コーポレートトランスフォーメーション)という言葉を耳にするようになってきました。CXはDXとの関係性も深く、変化の激しいこれからの時代に適応するために重要な取り組みと考えられています。本記事では、CXの概要や企業が取り組むべき理由、実際に取り組む際の方法について解説します。

CX(コーポレートトランスフォーメーション)とは?

CXとは、企業が経営戦略や組織体制を変革し、ビジネス環境の変化に対応することです。顧客ニーズの変化や働き方改革、デジタル化、環境問題への対応など、昨今のビジネス環境は急速かつ大きく変わり続けています。そのような状況下でも企業が継続的に成長するには、変化に柔軟に対応できる組織体制でなくてはなりません。CXでは従来の企業のあり方を大きく見直して、変化に対応できるように作り変えることを目指します。

CXという言葉は、株式会社経営共創基盤 代表取締役CEOの冨山和彦氏が2020年6月に出版した「コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える」という書籍をきっかけに広く知られるようになりました。

CXとDXとの関係

CXとよく似た言葉にDXがありますが、両者は異なる概念となっています。DXはデジタル技術やデータを用いてビジネスモデルを変革することを指しますが、CXはデジタル技術に限らず、経営戦略や組織体制といったより広い領域での変革を目指すものです。ただし、経営戦略を見直すためにデータを収集・分析するといったように、CXを実現するにはDXが有効な手段となることも多いため、両者は密接に関わっているといえます。

また、同じくCXと略される言葉に「カスタマーエクスペリエンス」がありますが、こちらは全く異なる意味を持ちます。「カスタマーエクスペリエンス」はマーケティング関連の用語であり、製品やサービスの機能・性能・価格などの直接的な価値だけでなく、購入するまでの過程や購入後のアフターサービスなどの感情的な価値を顧客に訴求するという意味なので、混同しないようにしましょう。

CXに取り組むべき理由

上述した「コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える」という書籍では、年功序列や終身雇用といった日本的な経営モデルは崩壊しつつあり、グローバル化やデジタル革命といった変化に対応するのが困難であると述べられています。

また、直近では政府が発刊した「2024年版ものづくり白書」において、日本のグローバルな製造業企業は欧米に比べて利益率が低い傾向にあるという課題が示されました。その原因としては、日本企業の多くが組織設計をはじめとするさまざまな権限を海外子会社に委譲する「連邦経営」を行ってきた結果、企業グループ全体を横断したシステムやルールを整備・統一できておらず、非効率的な状況が生まれているからだと考察されています。

日本企業に多い「連邦経営」では組織全体の統制が弱くなり、統合的な組織戦略を立案してスピーディに遂行していくのが難しい傾向にあります、グローバル化やデジタル革命などの変化に柔軟に対応しながら企業が競争力を高めていくには、日本的な経営モデルから脱却するためのCXが必要といえるでしょう。

CX(コーポレートトランスフォーメーション)とは?企業が変化に適応するための取り組みを解説 挿絵

CXに取り組む方法

上述した「2024年版ものづくり白書」では、CXの方向性を三つの観点で説明しています。これらを参考にしながら、CXに取り組む方法を考えていきましょう。

ファイナンス

日本企業の経理・財務部門はCEOや事業部門との関係性が浅く、戦略的な支援や意思決定の支援といった業務には関与できていない傾向にあります。しかし、本来はファイナンス起点でのデータドリブン経営に貢献していくことが求められており、組織全体の実績を把握した上で、限られた資本・キャッシュを可能な限り最適に配分する役割を担わなければなりません。

現在の経理・財務部門では、過去の実績の分析や予算管理に多くのリソースが割かれています。本来の役割を果たすためには、デジタル技術などを活用してこれらの業務にかかる工数を削減していく必要があるでしょう。

HR

年功序列や終身雇用といった日本企業の特徴は世界的に見ても特殊であり、グローバル展開には適していない傾向にあります。今後、グローバルで優秀な人材を確保するには、評価基準の統一や、重要なポストに必要なスキルを定義するといった取り組みが求められるでしょう。

また、日本企業の人事部門は給与や採用といったバックオフィス的な役割が中心となっていますが、本来は経営戦略の実行と成長を人材面から支える役割が求められます。そのためには、人材の最適な配置を目的とした人材の可視化や、そのためのシステム・データベースの整備といった基盤づくりを進めるべきです。

DX/IT

多くの日本企業では、業務効率化を目的に各部門が個別にITシステムを導入した結果、データが独自に管理されており企業グループ全体でデータを適切に共有できない状況になっています。このような状態では経営判断に必要な情報を入手するのが難しく、適切な判断ができません。

IT部門は上述した状況を踏まえて、各部門が個別に最適化したITシステムを企業グループ全体で横断的に管理できる体制を整えていく必要があります。ERPのような基幹システムに統一するのが理想ですが、グローバルで一本化するには膨大なコストがかかります。システムをどの範囲まで統一すべきかについては、費用対効果を考えたうえで実行することになるでしょう。

CXを意識した企業経営が重要になっていく

CXは非常に幅広い概念であり、容易に実現できるものではありません。5年、10年といった中長期的な目線で将来なりたいイメージを定め、現在の姿と比較しながら少しずつ取り組んでいくことになるでしょう。CXの概念を理解した上で、まずは現在の課題とそれを解決する方法を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

IT Insightの他記事もご覧ください

Prev

Next