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協調安全(Safety2.0)が目指す次世代の生産革新について

レンテックインサイト編集部

協調安全(Safety2.0)が目指す次世代の生産革新について

新しい技術の導入による生産性の向上やビジネスの創造は、DXの活性化に伴い進んでいる取り組みです。一方、新技術の利活用は従来の安全対策ではカバーできない懸念事項をもたらすこともあるため、新しい安全対策にも目を向ける必要があるでしょう。

この記事では、特に製造業の現場で注目されている協調安全の概念について、従来の安全管理との違いや生産革新との関係を解説します。

協調安全(Safety2.0)とは

協調安全とは、一言で言えば新しい安全の概念です。Safety2.0の名前で知られることもありますが、厳密に言うとSafety2.0の考え方を導入した安全管理のあり方を指します。

協調安全では、人とモノ、そして環境が相互に情報を共有し、協調することで安全を確保します。

協調安全の実現において、重要な鍵を握るのが技術的手段の存在です。最新のICT(情報通信技術)を最大限活用し、技術の力でリスクから人やモノなどを守ります。

従来の安全管理との違い

協調安全を支える重要な概念として、Safety2.0と呼ばれるものがあります。これは従来の安全管理を踏襲し、アップデートした概念です。

これまでの安全管理のあり方には、「Safety0.0」「Safety1.0」と呼ばれる名称が定義されています。

Safety0.0とは人間の注意力に頼って機械の安全管理を行うモノでした。最も手っ取り早い安全管理の方法ですが、人間は常にヒューマンエラーの可能性をはらんでおり、それが最大のリスクとなっていました。

また、人に頼った安全管理はパフォーマンスが個人の能力に依存しやすい点も、懸念事項として残り続けてきました。

Safety0.0をアップデートする形で定着したのが、Safety1.0です。従来の人間の注意力に頼った安全対策に加え、機械独自のセーフティ機能によって安全管理を行います。

Safety1.0の安全管理においては人と機械が独立して安全管理に取り組んでいました。ここにICTの技術を加え、互いに情報共有ができる仕組みを構築したのが、Safety2.0です。

Safety2.0では、これまで人と機械が独立して(安全管理に)取り組んでいた際には回収しきれなかったリスクまでカバーし、危険を最小限に抑えられます。

協調安全(Safety2.0)が目指す次世代の生産革新について 挿絵

協調安全は生産革新をどのように後押しする?

協調安全は、製造業における現場の安全管理を向上させる概念です。一方、協調安全の実現が生産革新においても効果的であるとして、注目を集めています。

協調安全が生産革新に有効とされる大きな理由は、低リスクで高リターンな生産環境を達成できるからです。

人と機械の情報共有が活性化することで、人・モノ・環境というリソースの把握と、その利活用が進みます。結果、危険事象の発生を予防できるだけでなく、より効果的なリソースの運用が実現するというわけです。

製造業というものづくりの現場で知られる協調安全ですが、近年はそれ以外の現場でも高い導入効果があるとして期待されています。今後協調安全は、ビジネスのスタンダードになっていく可能性もあるでしょう。

協調安全の実現に向けて取り組むべきこと

協調安全を実現する上で、最も必要なのは高度な情報共有環境の整備です。

人と機械の個別の安全管理については、これまでのノウハウの蓄積によって高度に実現できているケースがほとんどです。協調安全の達成は、ここにICTを導入し、人と機械がリアルタイムで情報を共有できる仕組みを構築することで実現します。

情報共有環境の整備は、業界によってさまざまなアプローチがあります。IoTセンサーの設置やウエアラブルデバイスの活用などは、代表的な取り組みです。

ハードウエアはもちろん、ソフトウエアの面でもアップデートが必要になるでしょう。各種ハードやシステムと連携して運用できる環境を整備して、高度なコミュニケーションが行えるようになるのが理想です。

協調安全は日本のものづくりを後押しするコンセプト

この記事では、協調安全とはどのような概念なのか、従来の安全管理のあり方との違いに触れながら解説しました。

人と機械がICTの力で協調することは、従来カバーしてきたリスクの発生をさらに抑制できるだけでなく、これまで見落としてきたリスクや、新たに登場したリスクのカバーに役立ちます。

協調安全の達成にはICT環境の整備が必要な一方、リスク低減に加え、生産性向上のようなメリットも期待できます。段階的に環境整備を進め、安全かつ効率性に優れたビジネスモデルを構築しましょう。

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