DXは多くの企業で実践が進む取り組みですが、その中で重要な役割を果たすのが次世代通信規格です。最新の無線通信技術を取り入れることで、従来よりも高度な生産性を達成できたり、新しい事業の創造に役立てたりできます。
この記事では、そんな次世代通信規格の中でも注目度の高い「Wi-Fi HaLow」について、その強みやDXにおける可能性をご紹介します。
Wi-Fi HaLowは正式名称では「IEEE 802.11ah」という通信規格で、さらに省略して「11ah」の名前でも知られています。
現在広く普及しているWi-Fi規格では、2.4GHzや5GHzといった周波数帯が使用されています。
一方で、Wi-Fi HaLowは1GHzにも満たない、920MHzでの運用を想定しています。一般的なWi-Fiよりも通信量に劣る反面、広範囲での通信環境を整備することができることから、無線通信をより柔軟に活用するための手段として注目を集めている技術です。
Wi-Fi HaLowは既存のWi-Fi技術をアップデートするような高速通信技術ではありません。しかし、既存のWi-Fiを凌ぐ強みもあることから、その活用可能性に大きな注目が集まります。
Wi-Fi HaLowが持つ強みとして、以下の4つがあげられます。
● 広範囲な情報伝達
● LPWAとしては高速な部類の伝送速度
● 省電力
● 免許が不要
Wi-Fi HaLowは、1kmもの伝達距離を確保することが可能です。従来のWi-Fiでは数百メートルが限界であったことを考えると、革新的な伝達能力といえます。
Wi-Fi HaLowは、省電力で動作する通信規格のLPWAに分類されますが、LPWAの中では高速なのが特長です。数Mbpsという伝送速度は通常のWi-Fiとしては物足りないものの、簡易的な情報を送受信する上では十分です。
Wi-Fi HaLowは、少ない電力消費で動作できるのもメリットの一つといえます。バッテリー交換の負担が発生せず、小さなソーラーパネルで半永久的に運用できるIoTデバイスの開発を強力に促すでしょう。
Wi-Fi HaLowは画期的な通信技術でありながら、あくまでWi-Fi規格の一種であることもポイントです。目新しい無線通信技術の活用には免許の取得が必要なケースもありますが、Wi-Fi HaLowの場合はその必要がありません。
そのため、同技術を使った最新ソリューションの開発が活発に行われる可能性も高いといえます。
Wi-Fi HaLowの優れた伝達能力と省エネ能力は、DXによるスマートシティ化を強力に後押しすることが期待されています。
例えば日本全国にスマートカメラを設置し、交通インフラの管理や防災に役立てるといったプロジェクト等です。
農業や水産においても、作物や養殖の管理業務の効率化に役立ち、生産性向上や負担軽減を実現可能です。
産業においてはロボットのファームウエア更新を自動化し、保守管理の品質向上や業務効率化に役立てるような使い方ができます。
Wi-Fi HaLowは頼もしい通信技術ですが、現状では課題もあります。
Wi-Fi HaLowはまだ一般に普及が進んでいない技術ということもあり、運用にかかるコストは高くなってしまいます。対応デバイスが少なく、数も限られており、すぐに安価で高速な通信環境を整備することが難しいためです。
とはいえ、Wi-Fi HaLowの利便性についてはすでに多くの企業から注目されており、目下技術開発が進んでいます。認知度の向上と普及率の高まりに伴い、今後は段階的に高いコストパフォーマンスを発揮するようになるでしょう。
この記事では、Wi-Fi HaLowの概要や強み、そしてDXにおける可能性について解説しました。
Wi-Fi HaLowはIoTデバイスの普及と開発を後押しするポテンシャルを秘めており、スマートシティ化を強力に後押ししてくれる技術です。今後認知度や関連技術の向上が進めば、その真価を存分に発揮してくれるようになるでしょう。