新型コロナウイルスの影響によって、日本ではテレワークが急速に普及しました。アフターコロナの現在においてもテレワークは確実に定着しており、情報システム担当者はそのことを意識した上で施策を練らなくてはなりません。本記事では、アフターコロナのテレワーク導入率に関する調査を参考にしながら、これからのテレワークへの向き合い方をご紹介します。
国土交通省が実施した令和5年度テレワーク人口実態調査によると、令和5年度における雇用型就業者のテレワーク導入率は全国平均で24.8%となっています。コロナ禍をピークにテレワーク実施率は年々減少しているものの、15%前後だったコロナ禍以前に比べると高い水準を維持しており、テレワークは確実に定着しているといえるでしょう。
テレワークの実施頻度については、1週間あたりの平均日数が2〜3日となっており、出社とテレワークを組み合わせる「ハイブリッドワーク」が拡大傾向にあります。実際に、調査対象のテレワーカーのうち7割以上が週1日以上の出社と組み合わせたハイブリッドワークを希望しているという調査結果が出ており、今後の主流になっていくと予想できます。
また、若い世代ほど勤務先の方針に従って出勤する割合が低く、テレワーク可能な働き方ができるように勤務先と交渉したり、転職や独立起業を検討したりする傾向が強いという調査結果も出ています。この傾向はテレワークを経験した人の方が顕著であり、「テレワーク可能であること」が就職先や転職先を選ぶ上での指標の一つになっていくと考えられます。
令和5年度テレワーク人口実態調査によると、現在もテレワークを継続している人の約4割は、テレワークを実施するようになってから生活全体への満足度が上がったと回答しています。その主な要因として挙げられているのは、以下の内容です。
これらはテレワークのメリットといえますが、その一方で無視できないデメリットも存在しています。
このように、テレワークにはメリット・デメリットの両方が存在しています。そのバランスをとるという意味でも、ハイブリッドワークは適切な選択肢といえるでしょう。
これからの主流になっていくであろうハイブリッドワークを成功させるには、テレワーク時とオフィスワーク時のどちらであっても快適に業務ができる環境を整備しなければなりません。情報システム担当者は、そのための施策を練っていく必要があります。
例えば、テレワーク時の業務効率を高めるには、外付けモニターやヘッドセットなどのPC周辺機器を支給したり、デスクやチェアの購入費用の一部を会社が負担したりするのが効果的です。自宅でのテレワークが困難な従業員に対しては、コワーキングスペースなどの活用を許可するといった柔軟な対応が求められます。オフィスの環境整備の例としては、フリーアドレスの導入やオープンスペースの設置などが挙げられます。
また、ハイブリッドワークで課題となるのが従業員同士のコミュニケーションです。ハイブリッドワークでは「誰が・どこで・どのような業務をしているのか」が曖昧になるため、適切にコミュニケーションを取りながら業務を遂行する必要があります。コミュニケーションを活発化させるために、Web会議システムやチャットツール、プロジェクト管理ツールといったITツールを積極的に活用すると良いでしょう。
最後に忘れてはならないのが、セキュリティ対策です。オフィスのみで働くのに比べて、テレワーク時はセキュリティリスクが高まります。そのため、PCのログ管理ツールを導入する、VPN接続を徹底する、といった施策が必須です。さらに、注意事項や守るべきルールを定め、従業員に対してセキュリティ教育を行うことも重要になります。
アフターコロナの現在においても、テレワークは働く人にとっての魅力的な選択肢となっています。テレワークが普及した影響で就職先や転職先がテレワーク可能な企業かを重視する人も増えているため、優秀な人材を確保するという観点でも、企業はテレワークを積極的に取り入れていくべきです。情報システム担当者はそのことを念頭に置きながら、自社の従業員が快適に業務できる環境を構築していきましょう。