現在Excelは多くの企業で日常的に多用されているビジネスの基本ツールです。報告書・管理表の作成やデータ集計などさまざまな用途で活用されています。またExcelを効率化するテクニックや、Excelの検定資格制度などはビジネススキルの一つとして認知されています。
そのExcelから脱却する「脱Excel」という言葉が近年使われるようになっています。本記事では、脱Excelとはどのような取り組みなのか、なぜ脱Excelが必要となってきているのかを解説します。
脱Excelとは企業が業務で使用しているExcelを廃止して、新たなツールへと移行する取り組みのことです。脱Excelの目的はDXを推進することで、具体的にはデータベースをクラウド上に移行するといった例があります。
すべての業務において脱Excelが適しているわけではありません。脱Excelに向かない業務があり、むやみに進めると効率が下がる恐れがあります。また、以前からExcelを使用している担当者にいきなり脱Excelを進めると混乱を招く可能性があります。
ニュアンスが近い言葉に活Excelという言葉がありますが、これはExcelをより効率的に使うために、別のツールで機能を補完する方法です。一方で脱ExcelはExcelから別のツールに完全に移行して、業務の効率化を図る方法です。
それでは脱Excelが必要だと言われる理由を5つご紹介します。
Excelは汎用性が高くさまざまな業務で活用できる特長がある一方で、専用テンプレートを作成するためには多くの工数や時間がかかります。高機能なテンプレートではビジュアルベーシック(VBA)を使いこなす必要があるため、誰でも簡単に作成できるわけではありません。さらに複雑なテンプレートはメンテナンスするのに時間がかかる可能性があります。
Excelで資料を作成した場合、関係者との情報共有のためにはメールでの展開やファイル共有サーバーへの保存が必要になります。クラウド上で情報共有する方法と比べて手間がかかるため、この点は脱Excelによる改善が可能です。さらにExcelでは同一のファイルを社外者と共有して作業したいというときは、共通のサーバーが使えないため何度もメールでのやり取りが発生してしまいます。
専用Excelで業務を管理している場合、担当者が変更になると使い方が分からず混乱する場合があります。複雑なVBAが組まれていると他者が見ても理解できないこともあるため、業務の手順が変更になってもExcelを更新できない可能性があります。
ベンダーロックインとは特定のベンダーやソフトウエアがないと業務が成り立たないことを言い、Excelがないと仕事が回らなくなるというリスクはベンダーロックインに該当します。MicrosoftがExcelを廃止する可能性が絶対にないとは言い切れないため、脱Excelを検討する理由の一つになります。
Excelでは大量のデータを扱ったり、複雑な計算やグラフ作成をしたりすると処理量が増大してPCの動作が遅くなることがあります。さらにPCがフリーズして、作成中のExcelがバックアップできずに削除されてしまうこともあります。
脱Excelできると情報共有がスムーズになるなどのメリットがありますが、切り替えには課題もあります。例えば業務の多くがExcelで管理されていると、脱Excelすると切り替えトラブルなどが起きる場合があるので、移行する場合は適切な代替ツールを用意してトライアルを実施する必要があります。
Excelの代替となるツールにはWebデータベースやGoogleスプレッドシートなどがあります。WebデータベースではExcelの持つグラフ作成や集計機能は利用でき、Web上のデータを社外も含めた関係者間で共有できます。Googleスプレッドシートも同じくExcelと同等の表計算ができるツールで、特別にソフトウエアをインストールする必要なく、手軽に利用できます。
Excelは依然として利用者が多く根強い人気があるソフトですが、代替ツールの登場で脱Excelが進む可能性があります。業務の種類によっても脱Excelが可能な場合と、そうではない場合があるため、メリット・デメリットを見極め、検討して進める必要があります。