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製造業のIoT導入が失敗する理由とは

レンテックインサイト編集部

製造業のIoT導入が失敗する理由とは

生産性の向上を目的として、製造業のIoT導入が大企業を中心に進められ始めています。これから成功事例がニュースで取り上げられるようになると、中小企業への導入が進んでいく可能性があります。

一方でIoT導入がすべての事例において効果を得られているかは疑問の声があります。ニュースとなるのは成功事例が多く、そうではない事例の情報は入手しにくいため現状が分かりにくいかもしれません。失敗する事例には共通点があるため、IoT導入前に失敗の原因を理解する必要があります。

製造業のIoTとは

IoTは「モノのインターネット」と呼ばれ、製造業では工場の工作機械やロボット、センサーなどのデータを高速通信で蓄積します。それにより製造ラインの設備稼働状況、製品品質などがオンラインで可視化できます。

IoTを導入した製造ラインを持つ工場を「スマート工場」と呼び、AIやIoT技術を導入した先進的な工場として注目されています。スマート工場の概念は「インダストリー4.0」を起源としており、日本では「第4次産業革命」として大きな変革期を迎えようとしています。。

製造業にIoTを導入することで得られるメリット

製造業のIoT導入による効果はさまざまで、ここでは大きく三つの項目を説明します。

1.生産管理の自動化

IoTを導入すると生産数や不良品数、ラインの稼働状況などのデータを自動で蓄積できます。そのため生産管理の担当者がエクセルなどに手入力する必要がありません。さらにライン内の設備ごとの停止要因や、不良品の発生内訳などが自動的にグラフ化されるなど使い方次第でさまざまな情報を見える化することが可能です。

2.設備の予知保全

IoTを用いると。収集/蓄積したデータから生産設備が故障する前の予兆を発見できる可能性があります。例えば工作機械のモーター電流値の上昇により、モーター部品の劣化を判別するような方法が考えられます。故障前に定期メンテナンスすることで、設備の長時間停止を予防できます。

3.不良品数の低減

IoTでさまざまな計測データを蓄積すると、どのような環境・条件下において不良品の発生率が増加するかが分かる場合があります。例えば気温や湿度、圧力や流量など各種計測値が品質にどのような影響をおよぼすか判明すれば対策を検討することができます。

製造業のIoT導入が失敗する理由とは 挿絵

製造業がIoT導入において失敗するパターン

導入により多くの効果が期待できるIoTですが、いくつかの原因により失敗する事例があります。

IoTを使いこなせる人材が不足している

せっかくIoTを導入してもそれに精通した技術者が不足していると、システムを使いこなせず効果が得られない場合があります。システムは導入するだけではなく、自社に適した形にカスタマイズしたり改善を加えたりしていくことが必要です。すぐに人材を集めるのは難しくても、人材育成や中途採用などによりこの課題を解決する必要があります。

IoTを導入することが目的になっている

IoTを導入する際に、他社が実施しているからという理由でとりあえず導入するような場合は失敗する可能性が高くなります。IoTは目的を達成するための手段であるため、目的がはっきりしていないと効果が得られないからです。

ネットワークセキュリティーが脆弱

IoT導入時に考慮しなければならないこととして、セキュリティー問題があります。セキュリティーが脆弱だと生産ラインのデータが漏洩し他社に類似されたり、不正アクセスにより故意に誤ったデータに改ざんされる可能性があります。そうした被害に合わないために情報管理部門と共同で仕様を決る、また定期的なセキュリティソフトのアップデートなど対策が必要です。

コストに制限があり機能が不十分

IoTを導入する際にコストを抑えるために中途半端な機能に抑えると、かえって費用対効果が下がる場合があります。安価なサービスのIoTではサポートが不十分であったり、本当に必要だったデータの収集ができなくなるリスクがあるからです。過剰に機能を付けることも問題ですが、目的の達成に必要な機能であれば予算を確保するなどの対応が必要です。

IoT導入を成功させるポイントとは

労働力不足やコスト高などの対策としてIoTを導入する企業が増えています。導入を失敗させないためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

  • 導入の目的をはっきりさせる
  • 導入時の仕様決めを綿密に行う
  • 技術者や実務者の習熟度を上げる

特に初めて社内にIoTを導入する場合は、他社の成功事例を調べて自社に活用が可能か十分な検討が必要です。ポイントを抑えずにIoTを導入すると、導入後にトラブルが発生したり業務に支障が出たりする可能性があります。

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