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工場の自動化を推進するFAサービス

レンテックインサイト編集部

工場の自動化を推進するFAサービス

ファクトリーオートメーション(FA)は、労働力不足の解消や品質管理などを目的として企業を中心に導入が進んでいます。FA技術の開発も進められており、スマートファクトリーという言葉が一般的に使われるようになっています。

実際に導入した企業では生産データを効率的に収集・活用することで設備故障や品質不良の低減といった成果を上げだしています。一方で導入にはまだ課題も残っており、今後の対策が期待されています。

ファクトリーオートメーション(FA)とは

ファクトリーオートメーション(Factory Automation:以下FA)とは、簡単に言うと工場の生産工程を自動化する技術のことです。例えば、画像処理装置を使用して不良品を見つけ出す技術を用いて、従来作業者が目視検査していた工程を自動化することが可能です。そのほかにも製品を搬送する産業用ロボットや、生産数をカウントするセンサーなどさまざまな技術があります。

FAの歴史は1950年代の製鉄企業が発端となっています。「ストリップミル」という金属を板状に延ばす機械の登場により、連続して圧延や鋳造が可能になり生産性が大幅に向上しました。

その後、産業用ロボットの登場やセンサー技術の発展によりFAの導入が進められました。1970年代からは生産工程のデジタル化が進み、PLC制御の発展、NC装置を搭載した工作機械の登場などで高度化が進みました。

2020年代からはインダストリー4.0と呼ばれる、AIやIoTの導入が始まっています。IoTの正式名称は「Internet of Thing」で、インターネット上で生産設備や計測器などを繋いでデータを駆使する技術です。大量のデータを高速に扱うことが可能であり、さらにAIを活用すれば効率的な不良率低減や設備故障未然防止などに役立つといわれています。

FA導入のメリット

FAを導入して工程の自動化を進めることで得られるメリットはさまざまです。

生産性の向上

FAの導入により作業の正確性や速度を上げることで生産性の改善が可能です。例えば完成品の出荷検査では、人による検査では疲労による集中力低下で検査時間のバラつきが起きる問題があります。一方で画像処理診断を用いると、高速で安定した診断が可能になります。

人為的なミスが減る

FAの導入は、人為的なミスを減少させて不良率低減することが可能です。例えば一つのラインに作業手順が異なる複数の製品を流動させると、人為的なミスで作業手順を間違える可能性が高くなります。その点FAを活用すると画像処理で流動している製品を判断し、ロボットが正しい手順で作業を行うことができます。

危険な作業をロボットに任せることができる

工場では危険な薬品を扱う場所や、重量物を運搬する作業などリスクの高い作業があります。リスクの高い作業場では安全対策が必要になりますが、それでも労働災害が起きる可能性が残ります。そうした環境において産業用ロボットを活用することで、危険な作業はロボット中心に対応し、作業者が怪我や病気になるリスクを低減することができます。

工数削減により人件費を削減できる

FAの導入によって単純な作業を自動化することで人件費削減が可能です。例えば製品にボルトをひたすら組み付けるだけの作業などは、簡単なロボットで自動化が可能で、さらにスピードアップさせることでの生産性向上も考えられます。さらに、IoTを導入することでデータの集計や分析作業なども自動化できると、生産管理部門や品質管理部門の人件費削減にも繋がります。

工場の自動化を推進するFAサービス 挿絵

FA導入の課題

導入するとさまざまなメリットが得られるFAですが、いくつかの課題も残っています。

導入コストが高い

FAの導入には初期投資が必要で、導入内容や範囲によっては非常に高額になる場合があります。単純にロボットを入れて作業だけを自動化する場合と、ロボットとセンサーや工作機械を連動させる場合などでは投資額が変わります。IoTやAIまで導入を検討するとさらに初期費用は高額になります。

費用対効果が出ない場合がある

FAを導入しても必ずしもコスト低減に繋がらない可能性があります。最新のIoTシステムを導入して稼働しても、生産性が上がらないケースなどが考えられます。IoTで大量のデータを高速で集められても、それを利用する側が正しい使い方をできなければ効果が限られてしまうからです。

自動化対応できる技術者が足りない

FAの導入には生産設備やIT機器を扱える技術者が必要です。しかし、多くの企業ではIT技術に精通した人材の確保が困難になっています。ベテラン技術者のIT技術の知識不足や、労働人口の減少による人員不足などがその原因といわれています。

FA技術により工場のスマート化が進む

FAはこれから労働人口の減少や、海外メーカーとのコスト競争などの理由で導入が求められるようになってきます。さらに、「SMKL」や「CC Link IE TSN」など新しいFA技術の開発が進められており、今後はより高度な効率化が期待できる。技術者不足や初期投資などの課題はありますが、総合的な判断で導入を検討する必要がある主要な課題となっています。

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