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MDM(モバイルデバイス管理)とは? 基本的な機能や導入の注意点も紹介

レンテックインサイト編集部

MDM(モバイルデバイス管理)とは? 基本的な機能や導入の注意点も紹介

スマートフォンやタブレットなど、業務にモバイル端末を用いるのはDXの第一歩です。また、その活用方法もメールや社内チャットによるやり取りや社内システムへのアクセスのみならず、カメラ機能を活用しての報告やデータ読み取りなど多様化しています。 しかし、端末が増えるにつれて管理の手間やセキュリティリスクが高まるのもまた事実。そこで導入が進んできたのがMDM(モバイルデバイス管理:Mobile Device Management)です。

──MDMとは何? 基本的な機能は? 導入時に何に注意すべき?

本記事では、上記のようなよくある疑問にまとめて回答いたします。

MDMは“モバイル端末の管理に特化したサービスおよびソフトウエア”

MDMとは、モバイル端末の管理に特化したサービスおよびソフトウエアです。現在はSaaSとして、端末に付与されるIDごとに数百円程度の料金が月額課金されるサブスクリプション型の利用形態が主流です。また、サービスによっては数万円程度の初期費用が必要となる場合もあります。

MDMの市場規模は右肩上がりに拡大しており、そのサービスの充実化も進んでいます。例えば、EMM(エンタープライズモバイル管理:Enterprise Mobility Management)と呼ばれる製品は、MDMに加えてMAM(モバイルアプリケーション管理:Mobile Application Management)、MCM(モバイルコンテンツ管理:Mobile Contents Management)といった機能も持ち、端末の管理だけでなくBYODの実現などにも寄与します。また、多くのMDM・EMMはモバイル端末だけでなくPCの管理にも用いることが可能です。

また、サーバーを自社で管理できる安心感や既存のシステムとの連携性などを理由に、クラウドではなくオンプレミスでMDMが導入される場合もあります。

MDMの基本的な機能とメリット

MDMの概要が把握できたら、基本的な機能をより詳しく見ていきましょう。はたして、MDMはどのようなモバイル端末の管理を可能にするのでしょうか。

モバイル端末の設定・バージョン管理

台数が増加するほどに手間が増大するモバイル端末の設定やアプリケーションの追加を一括・リモートで行えるのがMDMのメリットの筆頭です。部門や個人ごとに設定を変更することもでき、バージョンや端末位置などの情報も一元管理が可能になります。

モバイル端末の権限設定・不正の検知

セキュリティ・ガバナンスの強化にあたって欠かせないのが、情報の持ち出しや不正利用を防ぐための設定です。MDMでは接続できる記憶装置やアプリ追加の権限、接続できるWi-Fiなどを設定するとともに、JailBreak、root化など意図的に端末の権限設定を破ろうとする行為も検知し、警告やロックといった措置を行うことも可能になります。

リモートロック・リモートワイプ

主に端末が盗難・紛失などの被害にあった場合に役立つ機能です。リモートロックは遠隔で端末をロックすること、リモートワイプは遠隔で端末のデータを消去することを意味します。退職者によるデータ持ち出しの対策としても有効です。

さらに、EMMにはアプリケーション単位の権限設定やデータ管理(MAM)、業務用ファイルごとのアクセス管理や配信(MCM)などの機能も搭載されます。アプリやコンテンツなど管理する対象をより細分化することで、個人のデバイスを業務に持ち込むBYODも容易になるでしょう。

よくある失敗パターンを避けるための、MDM導入の注意点

モバイル端末の管理において便利な機能を多数搭載するMDMですが、導入・運用にあたって注意すべきこともあります。よくある失敗パターンと紐付けて見ていきましょう。

必要な機能の範囲を特定する

MDMには初期費用の有無や月額料金の差などサービスごとに必要なコストが異なり、また提供される機能やサポートが異なります。そのため、「月額料金が低いことを理由にサービスを選んだが、必要な機能やサポートは最低限だった。オプションを追加すると、結局ほかのサービスよりも高額になってしまった」というケースも生じえます。MDMをこれから導入しようという企業は、必要な機能を見極め、まずはトライアルなどを活用して目的と製品が合致しているかを判断した上で、サービスを本格利用しはじめましょう。

セキュリティと利便性のバランスをとる

MDMの導入でよくある失敗パターンとして挙げられるのが「セキュリティを理由に機能が大きく制限されたことで、モバイル端末で得られるはずの利便性がそがれてしまう」という問題です。トライアルなどで実際にMDMを導入してテストしてみることは、この対策としても機能します。社用端末の利便性を阻害することは、個人所有の端末を勝手に業務で利用するシャドーITの横行にもつながり、かえってセキュリティ・ガバナンスに対してマイナスに働く可能性もあります。

法人スマホへの切り替えに伴い、MDM市場は今後も拡大の見込み

企業のモバイル端末の利用と管理はセットであり、その管理のためのツールとしてMDMは広く普及しています。大手キャリアの3G回線のサービス終了が進む中で、フィーチャーホンからスマホへの法人携帯の切り替えも進んでおり、MDM市場は今後も拡大が予想されます。導入がまだという場合は、自社の端末管理について見直してみることをおすすめします。

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