ホームITスタンドアロン型はなぜ時代遅れ?これからの機器のあり方を考える

IT Insight

スタンドアロン型はなぜ時代遅れ?これからの機器のあり方を考える

レンテックインサイト編集部

スタンドアロン型はなぜ時代遅れ?これからの機器のあり方を考える

最先端のソフトウエアの運用が世界で進む中、ハードウエアのあり方についても多様化が進み、各社で見直しが進んでいます。この記事では、スタンドアロン型と呼ばれるIT機器の強みとそれらが抱える課題、そして課題解決のための対策について解説します。

スタンドアロン型の概要

スタンドアロン(Stand Alone)とは元々「独立、孤立」という意味を表す単語で、ITの世界では外部の機器やシステムといったネットワークに接続していない状態で稼働できる機器・ソフトを指します。

インターネットが広く普及したことで、近年のIT製品にはインターネットに接続して使用することを前提としたものが増えています。

また、既存のPCにインストールして使用できるソフトもあるなど、これらの製品は初期費用が小さく抑えられたり、ハードウエアを別途用意する必要がなかったりという恩恵がある一方、外部システムに依存しやすいことからデメリットもあるものです。

スタンドアロン型は、そんな外部システムへの依存リスクのない、単体での自律稼働ができることによって評価されている製品で、クラウドコンピューティングが主流となっている今でも一定の人気があります。

スタンドアロン型のメリット

スタンドアロン型のIT機器は、まずセットアップが容易である点が評価されています。外部機器との連携や互換性の確認などが必要なく、単体で動作するので電源周りの環境設定も簡単です。

独立した製品であるため、特殊性の高い機器などの場合は使い方を覚えるのに時間がかかることもありますが、近年はスタンドアロン型の製品もユーザビリティなどの側面においてはポピュラーな製品を踏襲したものも登場しており、過度な心配は必要ありません。

そしてスタンドアロン型の最大のメリットともいえるのが、優れたサイバーセキュリティ環境が整っている点です。サイバー攻撃は近年増加傾向にある脅威ですが、その主要因となっているのがインターネット接続です。

多くの企業が採用するクラウドサービスやインターネット接続が前提となっているシステムは、インターネット経由でサイバー攻撃を受けるリスクをゼロにすることはできません。

一方、スタンドアロン型の製品はインターネット経由でサイバー攻撃を受けるリスクはないため、USBメモリなどで直接ウイルスをインストールされたり、システムユーザが不正に情報を持ち出したりする以外はリスクがないといえます。

最近ではこのようなスタンドアロン型のセキュリティ能力の高さを再評価し、導入を進めるケースも見られるほどです。

スタンドアロン型はなぜ時代遅れ?これからの機器のあり方を考える 挿絵

スタンドアロン型の課題

スタンドアロン型はセキュリティ面で優れたパフォーマンスを発揮しますが、一方で注意すべきこともあります。

スタンドアロン型の機器は、維持コストがそうでないモデルに比べて大きくなる傾向にあります。というのもインターネット経由でのセキュリティアップデートなどが行えず、必要に応じてUSBメモリなどを使ってセットアップする必要があるからです。

また、クラウドとは異なりハードウエアを常に手元に置いておく必要がある以上、リモート運用はできず、ハードウエアを設置するためのスペース費用もかかるなど、スマートな働き方を阻害する可能性は否めません。

こういった要素を天秤にかけ、スタンドアロン型の製品を扱う必要があります。

ネットワーク型について

スタンドアロン型とは正反対の製品といえるのが、ネットワーク型です。ネットワーク型の製品は近年主流となっており、インターネットを通じてまとめてシステムを運用管理できるなどの効率の良さ、そして維持管理コストの小ささや働き方改革の推進力となるポテンシャルの高さから、評価が集まっています。

ただ、ネットワーク型の製品を扱う上で注意しなければならないのが、やはりセキュリティ上の課題です。インターネット経由でサイバー攻撃を受けてしまうリスクが大きく、セキュリティ対策に多大なコストを支払う必要が出てきます。

自社のセキュリティ課題に目を向け、スタンドアロン型・ネットワーク型それぞれの活用を進めよう

この記事では、セキュリティレベルの高さから評価されているスタンドアロン型製品の概要をご紹介しました。

コストの都合上、従来から使われてきたスタンドアロン型は大規模な導入・運用に不向きですが、セキュリティ対策の面では有用なため、基本システムはネットワーク型、機密性が高い業務システムにはスタンドアロン型を使用するなど、併用を進める企業も増えてきました。

スタンドアロン型とネットワーク型の特徴を理解し、それぞれを上手に使い分けることで最適なシステム環境を構築したいところです。

IT Insightの他記事もご覧ください

Prev

Next