アルテリア・ネットワークス株式会社
西日本営業本部長 大庭 好晴氏
営業推進本部 営業推進部 企画チーム 担当課長 白子 正氏
ウィズコロナの時代を迎え、本格的なテレワークの基盤を整備する企業が増えています。アルテリア・ネットワークス社ではセキュアなテレワーク基盤を提供する「セキュアテレワークパッケージ」において、完全閉域型のモバイル通信サービス「セキュアモバイルアクセス LTE(N)」を提供しています。ワークスタイル変革を支えるセキュアテレワークパッケージの魅力についてアルテリア・ネットワークス株式会社 西日本営業本部長 大庭 好晴氏、営業推進本部 営業推進部 企画チーム 担当課長 白子 正氏に伺いました。
アルテリア・ネットワークス社は、光ファイバー基幹ネットワークとIPバックボーンネットワークの2階層を独自の基盤として持っています。ブロードバンドの黎明期に業界のパイオニアとして創業し、ユニークな役割を果たしてきました。
現在は拠点間、クラウド、データセンタなどと接続する「ネットワーク事業」インターネット接続やIP電話などのサービスを提供する「インターネット事業」マンション全戸一括型のインターネット接続サービスを提供する「マンションインターネット事業」を展開しています。
同社は通信キャリア各社と同様に自ら電気通信回線設備を持っていますが、大都市に特化したエリア展開という特徴があります。「設備を企業、人が集まる都市部に集中させることで設備投資を抑え、リーズナブルに通信回線を提供しています」(大庭氏)。
またアクセスポイントの設置を都市部に絞り込むことで高速な通信を実現しています。「新幹線の駅と同じで、アクセスポイントが少なければ少ないほど利用可能領域のカバー率は低くなりますが、遅延が抑えられて高速になります。」(大庭氏)。
アクセスポイントを都市部に集中させることで、BtoBに特化したコストバランスの良い高品質な通信を提供し、差別化を図っています。
コロナ禍という未曽有の危機に直面して、企業での通信環境は大きく変わろうとしています。「今までは社内で仕事をするのが当たり前だったのですが、現在は自宅やサテライトオフィスなど、場所を選ばない働き方によって外から社内ネットワークに接続するようになりました」(大庭氏)。
リモートアクセスの最大の課題はセキュリティリスクです。社内からインターネットにアクセスする場合は、必ずFW(ファイアウォール)を経由します。出口を一つにして正しい通信のみにフィルタリングすることで、外部からの攻撃や不正アクセスを防止します。一方で、各利用者が自宅から接続する場合は、FWを経由せずインターネットに接続しSSL-VPN方式で社内ネットワークに接続するのが一般的です。「利用者が1000人いたら1000通りの出口があり、セキュリティリスクが高まります」(大庭氏)。
さらにSSL-VPNで接続する際には、VPNの設定作業が必要です。また、利用者もID/パスワードを入力してVPNへ接続しなければならず、操作が煩雑で情報システム部門の負担が増えます。
こうした問題を解決するのが、同社が提供する完全閉域型のモバイル通信サービス「セキュアモバイルアクセス LTE(N)」です。「一番の特徴は、外部からインターネットを経由せずに社内ネットワークに接続できることです」と大庭氏が語るように、セキュアモバイルアクセス LTE(N)では、利用者は端末に挿した専用SIMによりLTE回線でアルテリア・ネットワークス社のネットワークを経由して社内ネットワークに接続します。NTTドコモやKDDIのLTEの閉域網とアルテリア・ネットワークス社の閉域網が相互接続しており、アルテリア・ネットワークス社の閉域網から社内ネットワークに接続するセキュアな仕組みを持っています。
利用者や情報システム担当者の負担が少ないのも魅力です。「端末を起動すると自動的に社内ネットワークに接続されるので、利用者が操作に困るということがありません。また現状のシステムをそのまま使用できるので、情報システム担当者の負担も大幅に軽減できます」(白子氏)。
2020年1月にはNTTドコモのXi®網LTE回線を利用した大容量定額制閉域モバイル接続サービス「セキュアモバイルアクセス LTE(N)」の提供を開始しました。10G・20G・30Gのプランがあり、端末の使用状況によって選択できます。
セキュアモバイルアクセスLTE(N)では、企業側のシステム構成を変えずにセキュアな通信が実現できます。
コロナ禍が長期化し、リモートワークは長期化・恒久化する見通しです。しかし多くの企業では現状のリモートワークの基盤に課題を抱えていると同社は見ています。主な課題を三つ挙げていただきました。
「緊急事態に対応するため、セキュリティの問題はいったん置いておき、とりあえず外から社内ネットワークに接続できるようにしたという企業が多いのが実情です」と大庭氏が語るように、現在のリモートワークの基盤でセキュリティに不安を抱える企業も少なくありません。また、端末を持ち出す形になるため紛失による情報漏えいのリスクも高まります。
リモートワークにより対面でのコミュニケーションが激減したために、生産性が低下するという問題に直面しています。「在宅で仕事をすると、ちょっとしたことをすぐに人に聞けず、作業が滞るという問題もあります」(白子氏)。
在宅勤務では管理者の目が届きにくいため、新たな労務管理体制を構築する必要があります。「隠れ残業や勤務中に一時的に業務から離れる“中抜け時間”など、在宅勤務ならではの労働管理の難しさがあります」(白子氏)。
こうした課題を包括的に解決するために、同社は通信回線だけでなく、リモートワークに必要な端末やサービスをワンストップで提供したいと考えていました。そこで端末レンタルを手掛けるオリックス・レンテックと提携し、「セキュアテレワークパッケージ」を発売しました。
端末と同社のセキュアモバイルアクセス LTE(N)、そして「Microsoft Teams」や「SecureSeed Plus」「BizMobile Go!」といったリモートワークに必要なサービスが一通り揃っており、まとめて月額1万8000円~(税別)/台のレンタル料金で提供しています。
セキュアモバイルアクセス LTE(N)は、パッケージに含まれるさまざまなサービスと組み合わせることでリモートワークの課題を解決します。それぞれのサービスについて活用方法を紹介していただきました。
セキュアモバイルアクセス LTE(N)によって現状のシステム構成を変えずに安全な通信を実現します。またBizMobile Go!で遠隔で端末を管理することで情報漏えいを防ぎます。「BizMobile Go!はリモートで端末のロックや初期化が可能なため、紛失の際も情報が流出しない仕組みになっています」(白子氏)。
リモートワイプ機能を用いて、紛失・盗難時に端末を初期化して第三者の端末利用を阻止することができます。
「VoiceConnect」によって端末に050で始まる電話番号を付与し、外線の発着信ができます。「外線にかけると通話料金がかかってしまいますが、SIMを実装した端末同士であれば通話は無料です。バックオフィス部門の方は仕事用の携帯電話を持っていないことが多いので、好評をいただいています」(白子氏)。Microsoft TeamsのWeb会議と組み合わせて、よりストレスのないコミュニケーションを実現します。
画面をタッチして電話をかけることができます。
厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」では、端末の使用時間を客観的な就業の記録として残すことを推奨しています。「SecureSeed Plus」を利用すると、アプリケーションやWebアクセスといった操作ログから稼働時間を可視化することができます。「端末を指定して稼働状況を調べることができるので、不正利用の防止にもつながります」(白子氏)。
例えばメニューから「土日のWindowsログオン(情報)」をクリックすると、休日の勤務状況を把握できます。
今後、セキュアテレワークパッケージはどのように進化するのでしょうか。「例えば建設業であればCADデータを扱うアプリケーションが必要になります。業種や企業規模に特化したアプリケーションでパッケージを作っていけると情報システム部門の負荷が軽減できると思います」(大庭氏)。
その第一歩として今回汎用的な機能をパッケージ化し発売したことで、多くの人が利用できる基盤が誕生しました。「セキュアテレワークパッケージをまず使っていただいて、利用者にとっても情報システム部門にとっても便利なことを実感していただきたいですね」(大庭氏)。「端末はMicrosoft Surfaceなので、画像が鮮明です。Web会議で資料を共有する際もとても見やすいですよ。リモートワークに最適なパッケージなのでぜひ使ってみてください」(白子氏)。