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Phindとは?開発者向けAI検索エンジンについて解説

レンテックインサイト編集部

Phindとは生成AIモデルを用いた検索エンジンのことで、主にプログラムのコーディングをする開発者を対象としています。 Phindは、無償で使用できるにもかかわらず、GPT-4を上回る性能を持つとして注目を集めています。

本記事ではPhindを使用したことがない方に向けて、Phindの概要や基本的な使い方、主な特徴について解説します。

Phindとは

Phindは生成AIモデルによって駆動する検索エンジンで、インターネットからの情報に基づいてAIが回答を生成します。 特に、回答と併せて情報源としたWebサイトの情報も出力してくれることが大きなメリットです。 ほかの生成AIでは生成された答が正しいかどうか確認する手間が生じますが、Phindの場合は表示されたWebサイトにアクセスすれば、すぐに事実確認ができます。

Phindで使用できるモデルはPhindモデルとGPT-4、GPT-3.5-Turboの三つで、アカウントの登録が無くても利用可能です。 ただし、GPT-4は1日あたり10回までという制限があります。有料プランに加入するとGPT-4を使用できる回数が増え、ほかにもPhindモデルの処理が高速化する、入力できる文章量の制限が増える、といった特典があります。

Phindの性能面では、特にプログラムのコーディング能力が高く、運営元の発表によるとGPT-4を上回るとのことです。 Phindはコーディングと関係ない質問にも回答してくれますが、検索先のサイトの文章をそのまま抽出することが多い傾向です。 Phindの出力した文章をそのまま使用すると著作権の問題も発生しうるため、情報源となるWebサイトは確認しておくとよいでしょう。

基本的な使い方

Phindの公式サイトにアクセスすると、無償かつアカウントの登録なしでも検索を始められます。 画面中央の検索窓に質問文を入力すると、Web検索した結果をもとに回答の文章が生成され、併せて出典となるサイトの情報も羅列します。 なお、検索窓の下の「Phind Model」をクリックするとGPT-4など別のモデルの選択も可能です。

画面上部の「Chat」をクリックすると、コーディング作業に役立つペアプログラマーモードを開始できます。 このモードでは、こちらが投げかけた質問の意図を明確にするため、AI側から質問を返してくれるようになります。 AIとのやり取りを通すことで、より的確なコーディングが可能です。また、Phindにアカウントを登録してサインインすると、過去の検索履歴を閲覧できるようになります。

Phindの特徴

PhindはGPT-4よりコーディング能力が高いため、GPT-4ユーザーでもPhindを選ぶ人が多いといわれています。 有償プランではPhindの応答が高速になるほか、入力した情報をAIモデルのトレーニングに使用されることがなく、安心して使用できます。

GPT-4より高いコーディング能力

現在のPhindモデルは、CodeLlama-34Bと呼ばれるモデルをファインチューニングしたものです。 CodeLlama-34Bはコーディング能力を評価するベンチマークのHumanEvalにおいて、GPT-4のスコアを超えています。そのためPhindはコーディングする人々の間で人気があり、PhindのDiscordコミュニティでは、GPT-4を無期限利用できるユーザーの多くがPhindモデルを使用しているとのことです。

さらにPhindはGPT-4よりも5倍高速に文章生成が可能です。AIが文章を処理するとき「トークン」という単位で文章を認識しますが、Phindはシングルストリームで1秒あたり100トークン処理できます。 また、一度の応答で最大16000トークンに対応しており、そのうち入力可能なのは最大12000トークンで、残りの4000トークンは結果出力用としています。

プランによる違い

Phindの有償プランには月額15ドルのPHIND PLUS、月額30ドルのPHIND PRO、年間300ドルのPHIND PRO YEARLYの3種類があります。

有償プランに加入するとGPT-4モデルの使用上限が増え、PHIND PLUSでは1日あたり30回、それ以外のプランでは1日あたり500回まで使用可能です。
また、NVIDIA H100を搭載したGPUクラスターが利用できるようになり、Phindモデルの推論が高速になります。 PHIND PRO以上のプランに入れば、一度に入力できるトークン数が増え、新機能への早期アクセスが可能といった特典もあります。

注意点として、有償プランではトレーニングに使用されるデータをオプトアウトしています。 オプトアウトとはユーザーが入力したデータをAIモデルの学習データから除外することをいいます。
反対に、無償プランではユーザーの入力したデータはトレーニングに使用されている可能性があると考えるべきでしょう。 これはユーザーにとって必ずしもデメリットというわけではなく、ユーザーのデータをトレーニングに使用しているからこそ、無償でサービスを提供しているのではないでしょうか。

コードを生成するならPhindを使ってみよう

普段コーディング用途で生成AIを利用している方であれば、GPT-4よりも性能が高いPhindがおすすめです。 無償かつアカウント登録なしですぐに検索ができるため、使用したことがなければ一度試してみてはいかがでしょうか。

ただし、無償利用の場合は入力データをトレーニングに使用される可能性があります。検索の際に会社の機密情報や個人情報などを入力しないよう十分注意してください。

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