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塗布型RFIDがもたらす次世代のデータ活用

レンテックインサイト編集部

塗布型RFIDがもたらす次世代のデータ活用

この記事では、塗布型RFIDの概要と活用シーンを解説します。小売業界はテクノロジーの進化の影響を受けやすい領域であるため、ハイテクに対しての知見を深めることが高度な業務改革をもたらしてくれることもあります。

RFIDの概要

RFIDは「Radio Frequency Identification」の略称で、専用のスキャナを使ってタグ付けされた物品を一括管理するための技術です。従来のバーコード管理ではバーコードを一つ一つ丁寧に読み込む必要がありましたが、RFIDであればスキャナの受信感度に応じて、一括でタグをスキャンできるため、読み込み効率が非常に高いのが特長です。

スキャナとタグを接近させなくとも読み込みが可能なため、やや遠くにある物品をスキャンしたい場合にも有効です。例えば高所にある商品をスキャンする際、脚立に上ってスキャナを商品に近付けるなどしなくても、RFIDなら脚立に上ることなくそのままスキャンを実行できます。

現場における検品作業の効率化はもちろん、消費者の商品購入手続きの効率化にも役立つことから、段階的に各社で導入が進んでいる技術です。

塗布型RFIDとは

塗布型RFIDとは、化学メーカーの東レ株式会社が2020年に開発・発表した塗布型半導体です。一般的に普及しているRFIDは、高温・真空を駆使した複雑なICチップ製造を施したものですが、今回発表されたのは高性能半導体カーボンナノチューブ(半導体CNT)複合体を採用し、安価な塗布方法でRFIDとして運用できる技術です。

従来のRFIDと同じように使用できるだけでなく、量産コストを低く抑えられるようになったことから、RFIDタグをバーコード感覚でビジネスに導入可能になるとして大きな注目を集めています。

現在は実証実験の段階にあるため、まだ実際の小売業の現場などでは導入が進んでいないものの、これからの発展が期待されているテクノロジーです。

従来のRFIDが抱えていた課題

RFIDはアパレル業界などで導入が進んでいる、バーコードに代わる商品管理技術です。管理業務の効率化などにおいて大きな効果を発揮してきましたが、導入の最大の課題となるのがコストでした。

バーコードは、商品に印刷するだけでよいため、コストを抑えることができましたが、従来のRFIDは小さなチップを一つ一つの商品に取り付けることとなるため、単価の安い商品を扱う際は費用対効果が悪いという問題を抱えていました。

特に個人で小規模に小売業を営んでいるようなケースでは、RFID導入による効率化で得られるメリットよりも、導入コストの方がかさんでしまうため、現在は単価の高い商品を扱う領域にのみ限定して導入されています。

塗布型RFIDがもたらす次世代のデータ活用 挿絵

塗布型RFIDの登場で何が変わるのか

塗布型RFIDは、このようなRFIDが有するコストの問題を解消できる技術となっています。塗布型RFIDの発行コストは、なんと既存のRFIDの10分の1ともいわれており、気軽にRFIDを現場に採用できるというわけです。

塗布型RFIDの登場は、RFIDの恩恵を広い領域で提供できるよう促す効果が期待できます。RFIDは高度で便利な在庫管理や資産管理を促す技術で、POSシステムなどのデータベースと連携することで、高度な売上分析や在庫管理が行えます。

塗布型RFIDにおいてもこれらの技術的特徴は同様で、あらゆる業界において人手不足の解消や万引きの防止、キャッシュレス決済の導入などを円滑に進められるようになるでしょう。

塗布型RFIDの恩恵が大きい事業者とは

塗布型RFIDの登場は、これまでRFIDを導入できなかった資本力や事業規模の小さい中小事業者に大きな恩恵をもたらしてくれるでしょう。導入コストの問題を気にすることなく、既存の管理システムをアップデートできるからです。

気軽にRFIDを活用し、ビジネスのデジタル化を進めることで、高い競争力や質の高いサービスを市場にもたらすことができます。

塗布型RFIDを有効活用してハイテク導入を進めよう

RFIDの活用を促進すると期待されている塗布型RFIDは、今後日本の小売業界にイノベーションをもたらす可能性もある、強力な発明といえます。本格的な普及にはまだ少し時間がかかりますが、早いうちからRFIDの活用用途を整理しておき、積極的な導入を検討したいところです。

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