この記事では、DX実現において情報システム部門が担う役割や、同部門が解消すべき課題について解説します。
DXを実施するにあたって、大きな役割を担うことになるのが情報システム部門です。ただ従来業務も並行して進めなければならないことや、組織全体の改革も求められる以上、DXの全ての業務を既存の情報システム部門に任せられるわけではなく、全社的な役割分担が求められるでしょう。
従来の情報システム部門の役割は、社内システムの導入や保守管理、ヘルプデスクといった業務が主でしたが、DXを進める場合、その役割は少し異なります。DXの実施に伴う全社的なIT活用の推進やノウハウの共有、人材育成などの役割を担うこともあるなど、多様化する業務に注目したいところです。
DX実践に伴い、社内における各種デジタルツールの導入や運用の支援は、情報システム部門が担う場合があります。このような業務には一定のITスキルが求められることから、元々ITに知見のある部門である情報システム部門において、必然的にこのような業務が発生するわけです。
導入したデジタルツールの使い方を広めたり、DXの重要性について能動的に呼びかけたりすることも、情報システム部門の役割です。
ヘルプデスクと異なる点としては、主体的な情報発信が同部門に求められる点です。ヘルプデスク業務の場合、情報システム部門は現場でトラブルが起きた時にのみ動きますが、ノウハウ共有においては日常的な積極性が求められます。
デジタルツールを有効活用できる人材育成についても、情報システム部門が活躍します。DX人材を積極的に育てることで、現場にデジタルツールでの運用を効率よく広められるような人材を配置でき、結果的に情報システム部門の負担軽減にもつながります。
上記のような業務が新たに発生する情報システム部門ですが、既存の情報システム部門はDXを前提としていない体制となっており、いきなりDXといっても思うように機能しない可能性があります。
というのも、情報システム部門はあくまで数ある部門の中の一つであるため、DX推進の意思決定権が弱い立場にあり、思うように施策を進められないからです。
また、既存業務の負担が解消されないと、新たに発生するDX業務の時間を確保できない、あるいはそもそも情報システム担当がDXに対して知識と経験をアップデートできておらず、DXを推進できる立場にないことも問題となる可能性があります。
DXは全社的に取り組むべき施策ですが、既存の情報システム部門は全社に呼びかけられるほどの権限を持っていないケースがほとんどです。そのため、いきなりDXを情報システム部門に任せたとしても、意思決定に多大な時間がかかり、思うように進められず頓挫してしまうことがあります。
そもそもDXは企業を抜本的に改革する必要のある一大プロジェクトであるため、既存業務の合間を縫って取り組めるようなものではありません。情報システム部門に人材を追加するなどリソース不足を解消する、もしくは情報システム部門とは分離して新たに専門チームを立ち上げるなど現状への対策がないと、円滑なDXプロジェクトの遂行は難しいでしょう。
ITは常に進化し続けている領域であるため、情報システム部門の担当者全員が最新のDX事情に詳しいとは限りません。特にDXにおいてはハイテク活用が鍵を握るため、情報システム部門の担当者へ常に勉強の機会を与えておかないと、期待されているような立ち回りは得られない可能性があります。
上記のような情報システム部門が抱える問題を解消する上では、DX推進室の立ち上げや、推進室と情報システム部門での業務分担、そして経営者層を含めた全社的なプロジェクトへの参画が必要になるでしょう。
スピーディにDXを進めるためには、まずその企業において経営者直下にDX推進室を新たに立ち上げ、意思決定権を持たせることが重要です。数多くの承認を待たずして施策を投下できる体制が整えば、自ずとスピーディにプロジェクトを進められます。
DXに関するマネジメントや施策の検討はDX推進室、現場での導入支援などは情報システム部門に任せるといった役割分担で、業務負担を分散することも大切です。
既存業務を維持しつつ、DXも並行して進められる体制を整備することで、既存業務への影響を最小限に抑えることができます。
DXは情報システム部門やDX推進室に丸投げするのではなく、全社一丸となって取り組む姿勢も大切です。そのためには全社的にDXヘの関心を高め、プロジェクトに協力することが求められます。
この記事では、DX推進に伴う情報システム部門の役割の変化や、情報システム部門がDX業務を遂行する上で必要なことをまとめました。
DXは単なるIT導入に留まらない、企業の文化をアップデートする取り組みでもあります。IT業務だからといって情報システム部門にDXを投げてしまうのではなく、それぞれが役割を分担しながら、負担を分散しつつDXを進められる体制作りが必要です。