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SD-WANとは?進化するネットワーク管理の技術を徹底解説

レンテックインサイト編集部

SD-WANとは?進化するネットワーク管理の技術を徹底解説

近年のリモートワークの普及に伴い、インターネットの接続拠点やトラフィックが増加しています。通信パフォーマンスを維持・向上するために役立つのが「SD-WAN」と呼ばれる技術です。SD-WANを利用すれば、ネットワークの管理・運用を効率的に実施できます。

本記事では、SD-WANの特長やメリットについて解説します。最新のネットワーク管理技術もご紹介しますので、参考にしてください。

SD-WANとは

SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)とは、広域ネットワーク(WAN)をソフトウエアで定義・制御する技術のことです。従来のWANは、専用のハードウエア機器や専用回線を使用してネットワークを構築・管理していました。SD-WANの特徴は、仮想化技術を活用し、ソフトウエアを通じてネットワーク全体を制御・管理できる点です。

SD-WANの特長・メリット

SD-WANの主な特長・メリットは以下のとおりです。

柔軟なネットワーク管理

SD-WANを活用すれば、複数の回線(専用回線やインターネット、LTE/5G回線など)を効率的に利用できるようになります。ネットワーク条件に応じて最適なルートを選択し、帯域幅を自動で調整することで、通信の品質を最大化することが可能です。

コスト削減

SD-WANの利用は、コスト削減にもつながります。高価な専用回線の利用を最小限に抑え、より安価なインターネット回線を組み合わせることで、コストを最小限に抑えられます。

セキュリティの強化

SD-WANでは、ネットワーク全体のセキュリティポリシーを一元的に管理できます。すべての拠点で同じレベルのセキュリティを維持することが可能です。

パフォーマンスの最適化

SD-WANでは、アプリケーションごとに最適な回線を選んでトラフィックを分散させることもできます。リアルタイムでネットワークの状態を監視し、最適な回線やルートを選定することで、ビデオ会議やVoIPなどの重要なアプリケーションのパフォーマンスを向上させることが可能です。

設定の簡素化・運用の自動化

SD-WANは、従来の物理的なネットワーク設定に比べ、ソフトウエアベースで簡単に設定・管理できます。管理コンソールを使ってネットワーク全体の設定を一元管理できるため、新しい拠点の追加や設定変更が迅速に行うことが可能です。また、設定を自動化できるため、運用の負担軽減にもつながります。

高いスケーラビリティ

SD-WANを利用すれば、ビジネスの成長に応じてネットワークを容易に拡張できます。新しい拠点の追加なども簡単に実施できるため、柔軟なネットワークインフラを構築することが可能です。

進化するネットワーク管理の技術

SD-WANの普及に伴い、昨今のネットワーク管理の技術は大きく進化しています。ここでは、最新のネットワーク管理技術を5つご紹介します。

ゼロタッチプロビジョニング

ゼロタッチプロビジョニング(ZTP=Zero Touch Provisioning)とは、ネットワーク機器を手動で設定せず、自動的に設定を適用する仕組みのことです。従来、新しいネットワーク機器(ルーターやスイッチ)を導入する際には、技術者が手動で設定する必要がありました。ゼロタッチプロビジョニングを使えば、現場に行かなくても自動で設定できるようになります。

ゼロタッチプロビジョニングは、新しいオフィスにSD-WANルーターを導入する際などに役立ちます。ネットワークに接続するだけで、オフィス内のルーターを自動で設定することが可能です。現場に行かなくても機器のセットアップが可能になるため、ネットワーク管理者の負担軽減につながります。

ネットワーク機能の仮想化

ネットワーク機能の仮想化(NFV=Network Function Virtualization)とは、ハードウエア機器で実行していたネットワーク機能(ルーターやファイアウォール、ロードバランサーなど)をソフトウエアで実現する技術のことです。ネットワーク機能がソフトウエアとして提供されるため、ネットワーク機能の追加・削除を容易に実施できます。

専用のハードウエアが不要になるため、機器の購入や保守コストを削減できるのがメリットです

AIと機械学習によるネットワーク運用の自動化

AIや機械学習は、ネットワーク管理におけるトラフィックの最適化や障害検知、トラブル対応などを自動化する際に役立ちます。AIがリアルタイムでネットワークの動作を監視することで、パフォーマンス向上やセキュリティ向上をサポートします。

AIは、ネットワークトラフィックや使用状況をリアルタイムで分析し、適切なルートや帯域を選択できます。機械学習では、過去のデータからパターンを学習し、将来のネットワークトラブルを予測することが可能です。

AIや機械学習を活用することで、トラフィックの自動最適化やトラブルの事前対応などが可能になります。将来的に発生する問題を予測した上で対策を講じられるため、ダウンタイムやネットワーク障害の発生を未然に防げます。

ネットワークのセグメンテーション

ネットワーク・セグメンテーションとは、大規模なネットワークを物理的またはソフトウエアによって、より小さなサブネットワークに分割する方法です。ネットワーク全体のセキュリティとパフォーマンスを向上させることができます。

例えば、企業のネットワークを営業部門・経理部門・IT部門といった形で分けることができます。これにより、各部門は独立したネットワークの中で業務を行い、ほかの部門とは直接通信しないように制限することが可能です。例えば、下記のようなメリットを享受できるでしょう。

●セキュリティ強化
ネットワークが分かれているため、一つの部門で問題が起きても、ほかの部門に影響が広がりにくくなります。例えば、営業部門でネットワークトラブルが発生しても、経理部門には影響がおよびません。

●アクセス制限
部門ごとにセキュリティルールを設定できるため、重要な情報を扱う部門にはより厳しいセキュリティ対策を施すことができます。例えば、経理部門のネットワークには特定の社員しかアクセスできないように設定することが可能です。

●効率的な運用
ネットワークを分けることで、ネットワーク通信の混雑を減らし、各部門の通信を円滑にできます。ネットワークのパフォーマンスも向上します。

クラウドネイティブなネットワーク管理

クラウドネイティブとは、クラウド環境でアプリケーションやサービスを設計・構築する考え方のことです。従来のオンプレミス(自社のサーバーや機器を使う)のネットワーク管理とは異なり、クラウド上でネットワークの制御や運用を実施します。

例えば、管理者がインターネットを介してネットワークを操作・監視するといったことが挙げられます。クラウドベースのダッシュボードからネットワーク全体を一元管理する形です。

加えて、設定を変更したり、トラフィックを確認したりといった作業をどの場所からでも実施できます。必要な設定変更を遠隔からすぐに行えるため、トラブルがあった際も迅速に対応することが可能です。

ネットワーク管理の人件費も抑えられるため、浮いたリソースをコア業務に回すこともできるでしょう。

SD-WANの管理・運用では、最新技術の活用がポイント

今回は、SD-WANの特長やメリット、進化するネットワーク管理の技術について解説しました。SD-WANの主な特長・メリットは以下のとおりです。

  • 柔軟なネットワーク管理
  • コスト削減
  • セキュリティの強化
  • パフォーマンスの最適化
  • 設定の簡素化・運用の自動化
  • 高いスケーラビリティ

昨今のネットワーク管理の技術は大きく進化しており、ネットワーク管理では以下の技術がよく使われています。

  • ゼロタッチプロビジョニング
  • ネットワーク機能の仮想化
  • AIと機械学習によるネットワーク運用の自動化
  • ネットワークのセグメンテーション
  • クラウドネイティブなネットワーク管理

ネットワーク管理を効率化したい、セキュリティを向上させたい場合は、これらの技術を積極的に活用することをおすすめします。

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