この記事では、SaaS(Software as a Service)の導入に失敗してしまう理由や、導入を成功に導くためのポイントを解説します。
クラウドサービスの一種であるSaaSは、業務効率化や人材不足の解消において手軽に導入し効果を発揮してくれる製品です。しかし多くの導入企業はSaaSの恩恵を享受できているものの、一部の企業ではSaaSを導入しても今ひとつ効果が出ないばかりか、業務効率が下がっているというような声も聞かれます。
そもそもSaaS導入は、「生産性向上に役立つ」「新しい市場を開拓できる」「働き方改革に貢献する」といったメリットが期待できることに魅力がある施策です。
SaaS導入は、既存業務のデジタル化や情報共有の効率化、作業負担の解消などを促せる施策です。従業員一人あたりの生産性を高め、少数精鋭で従来通り、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮できるよう改善できます。
生産性の向上やデジタル化によって、従来よりも多様な顧客と接点を持つ機会が生まれ、市場開拓が促進されるのもSaaSの強みです。特定の地域やターゲットに依存せず、インターネットを通じて、成長の機会を日本全国、あるいは海外に見いだすことができます。
クラウドサービスであるSaaSは、オフィスワークに限定されない働き方の実現にも貢献します。柔軟な働き方を実現して働き手の多様化するニーズに応え、優秀な人材の確保や定着にもつながるでしょう。
一方で上記のようなメリットが得られず、SaaS導入に失敗する企業では、下記のような理由を抱えているケースが多く見られます。
一つ目の失敗例は、SaaSへの過度な期待です。SaaSはあくまでツールの一種であり、あらゆる課題に対する万能薬ではありません。ただ導入するだけでは意味がなく、上手に活用しなければ導入効果は見込めないため、主体的に運用する仕組みづくりが必要です。
営業担当者のセールストークを鵜呑みにしてしまい、漠然とSaaSを導入してしまった企業に見られる失敗例です。
二つ目の失敗例は、SaaSの運用ルール等の利用環境を丁寧に構築しなかったケースです。新しくSaaSを導入する場合、運用ルールについても丁寧に検討し、ルールを確実に現場で適用する必要があります。
SaaSはその製品によっては従来活用していたツールでの業務プロセスとは大きく乖離する可能性があり、従来の業務プロセスに慣れている従業員はその新しく導入したSaaSの利用を億劫に感じることもあるでしょう。こういった事態を回避し、導入効果を得るためにも、SaaS活用を徹底して仕組み化する必要があります。
三つ目の失敗例は、コスト面での検討が甘いというものです。SaaSは初期の導入コストが安いことで知られていますが、長期的な運用コストについては必ずしも安価であるとは限りません。また、課題解決に適した製品を導入し、うまく活用しないと、コスト相応の導入効果は見込めないという問題もあります。
また、SaaSのカスタマイズやセキュリティ負担を踏まえると、想定よりも費用がかかることもあるため、トータルコストでどれくらいになるのかを試算しておくことも大切です。
SaaS導入における失敗を回避するためには、課題設定を正しく行うことや、SaaSへの理解を全社的に深めること、また、SaaS運用のシナリオやルールを厳格に定めることが大切です。まずは自社がどのような業務課題に直面しているのかを正しく把握し、具体的に洗い出すことを心がけましょう。
その上で導入ツールを検討し、検討の結果導入の決まったSaaSがどのような製品なのか、導入によってどのような効果が得られるのかについてを、導入担当者だけでなく全社的に理解を深めてもらう必要があります。
また、SaaSをどのように利用し、業務プロセスに取り込むのかをルール化・仕組み化することで、SaaSの利用を億劫に感じてしまうのを回避可能です。
この記事では、SaaS導入が失敗に終わる理由や、導入を成功に導くためのポイントを解説しました。
SaaSは便利なツールですが、導入するだけで全ての問題が解決するわけではありません。導入企業の自助努力もある程度求められるため、よくある失敗のケースを参考にしながら、運用を進めていくことが大切です。