情報システム担当者は、企業のIT基盤を支える重要な役割を担っています。業務を円滑に進行するためにさまざまな業務を行っており、企業のDXやセキュリティ強化などもサポートしています。ビジネス活動において情報システム担当者の仕事は欠かせないものといえるでしょう。

しかし、昨今のビジネス環境の変化に伴い、情報システム担当者の仕事内容や求められるスキルは変わりつつあります。本記事では、情報システム担当者の仕事内容や、今後求められるスキルや知識について解説します。

情報システム担当者の主な仕事内容

はじめに、情報システム担当者の仕事内容をご紹介します。主な仕事内容は、下記の5つです。

• ITインフラストラクチャーの設計と管理
• システムの導入・管理
• サイバーセキュリティ対策の立案・運用
• ヘルプデスク
• IT資産管理

ITインフラストラクチャーの設計と管理

まず代表される業務は、企業のITインフラを設計・管理することです。企業のネットワークやサーバー、ストレージなどの基盤を構築し、安定して稼働させることを目的としています。

システムの導入・管理

次に業務システムの導入・管理です。システムを導入した後は、システムが円滑に稼働するように定期的なメンテナンスやアップデートを実施します。セキュリティパッチの適用も仕事の一つです。

サイバーセキュリティ対策の立案・運用

次に企業のデータとネットワークを守るためのセキュリティ対策を立案・運用です。ウイルス対策ソフトやファイアウォールの導入、侵入検知システムの運用などを実施します。さらに、データの暗号化やアクセス権の設定なども実施することで、外部からの攻撃だけでなく、内部の人間によるデータ漏洩や改ざんなどを防止することが可能です。セキュリティインシデントが発生した際は、被害を最小限に抑えるために迅速に対応します。

ヘルプデスク

次にヘルプデスク業務です。社内でITに関する問題が発生した際に迅速に解決することや、従業員が業務をスムーズに進められるように支援することです。例えば、社内のパソコンや周辺機器のトラブルシューティングや、業務システムの使い方に関する質問対応などが挙げられます。

IT資産管理

企業が保有するハードウエアやソフトウエアの管理も、情報システム担当者の重要な仕事です。定期的にコンピュータやサーバー、ネットワーク機器、ソフトウエアライセンスなどの棚卸しを行い、ライフサイクルに応じて更新・廃棄を実施します。

情報システム担当者の役割が変化した背景とは？

DX推進やサイバー攻撃の増加に伴い、情報システム担当者の役割は変化しつつあります。これら背景にどのようなものがあるかを詳しく解説します。

ビジネス戦略にITの利活用が不可欠になっている

従来の情報システム担当者の仕事といえば、システム導入のサポートやヘルプデスクなどが中心でした。しかし、近年ではITがビジネス戦略の中心的な要素となっています。ITを利活用することで、データを活用した意思決定や業務プロセスの自動化、顧客体験の向上といったことが可能になり、ビジネスを成功に導くことができるのです。

ほかにも、データ分析によって市場のトレンドを予測したり、クラウドサービスを利用して新しいビジネスモデルを素早く展開したりといったことも可能になります。情報システム担当者には、ITに関する知識はもちろん、ビジネス全体を深く理解したり、IT戦略を立案したりといった能力が求められています。

DXの推進

DXとは、企業がデジタル技術を活用し、ビジネスモデルや業務プロセスを根本的に変革する取り組みのことを指します。DXを推進することで、企業は市場の変化に迅速に対応できるようになり、競争力を向上させることが可能です。

情報システム担当者は、DX推進を支えるための技術的基盤を提供する役割を担います。例えば、クラウドサービスの導入やデータ分析ツールの提供、AIを活用した業務の最適化といった取り組みが挙げられます。

サイバー攻撃の増加

情報漏洩やランサムウエア攻撃、フィッシング詐欺などのサイバー攻撃は、企業の信頼性を低下させ、大きな損失を引き起こす可能性があります。サイバーセキュリティの重要性は年々高まっており、情報システム担当者はこれまで以上に強固なセキュリティ対策を立案・実行することが求められています。

これからの時代の情報システム担当者に求められること

これからの時代の情報システム担当者は、下記のスキル・能力を身に付けることが重要です。

企業ビジネスに関する深い理解

情報システム担当者は、企業のビジネス全体を理解し、それに基づいてIT戦略を立案・実行する能力が求められます。ビジネスのニーズを的確に把握し、経営目標を達成するためのITソリューションを提案できることが重要です。

例えば、業務プロセスの効率化、コスト削減、新しい市場開拓などの経営課題を解決するために、どのようなIT技術やシステムが役立つかを考え、積極的に提案することが求められています。

クラウドサービスの知識

クラウドサービスは、現代の企業にとって不可欠なインフラとなっています。クラウドサービスを利用することで、企業はインフラ運用を柔軟に実施し、コスト効率を向上させることが可能です。

情報システム担当者には、AWSやAzure、GCPなどの主要なクラウドプラットフォームに関する知識が欠かせません。特にクラウド環境の設計・構築や運用、セキュリティ管理などのスキル・知識を身に付けることが大切です。

DX推進をサポートするスキル・知識

情報システム担当者には、DXを成功させるためのスキルや知識も必要です。例えば、AIやIoT、ビッグデータなどの最新技術を導入し、企業の業務改善や新しいビジネスチャンスの創出をサポートする能力が求められます。企業内の業務プロセスを自動化し、データ駆動型の意思決定をサポートできるデータ分析ツールの知識や使いこなすスキルも必要です。

強固なセキュリティ対策を講じるスキル・知識

情報システム担当者には、強固なセキュリティ対策を講じるスキル・知識が不可欠です。特に近年では、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを使って業務を行う機会が増えており、エンドポイントのセキュリティ対策が重視されています。

エンドポイント（PCやスマートフォンなど）に対し、ウイルス対策ソフトやアンチマルウエアの導入・管理を行うスキルや、MDM（Mobile Device Management）を活用して、エンドポイントのリモート管理やポリシー適用などを行うスキル・知識などが必要です。

変化に対して柔軟に対応する能力

IT業界は常に進化しており、技術トレンドやビジネス環境も日々変化しています。情報システム担当者は、新しい技術やトレンドを素早くキャッチアップし、必要なスキルを継続的に学び続けることが重要です。さらに、企業のニーズや市場の変化に応じて、IT戦略を柔軟に見直し、最適なソリューションを提供することが求められています。

これからの情報システム担当者は、新しい技術トレンドをキャッチアップする姿勢が重要

情報システム担当者の仕事は、IT技術の進化やビジネスの変化に伴い増加しています。これからの情報システム担当者には、ITに関する知識に加えて、ビジネス全体の理解とそれに基づく戦略的な視点が求められます。新しい技術トレンドを常にキャッチアップすることで、企業の成長を継続してサポートできるでしょう。