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ダークウェブとは?問題点と今再注目されている理由を解説

レンテックインサイト編集部

ダークウェブとは?問題点と今再注目されている理由を解説

本記事では、ダークウェブの概要や、通常のインターネットとの違い、そしてダークウェブの脅威から身を守るための対策方法について解説します。

インターネットは便利なテクノロジーですが、必ずしも良いことばかりに使われているとは限りません。近年ではサイバー攻撃をはじめとするインターネットを悪用した犯罪行為も増加傾向にありますが、その温床となっているのがダークウェブと呼ばれるWebサイトです。ダークウェブの存在がインターネット犯罪の取り締まりを難しくしているとも言われています。

ダークウェブとは

ダークウェブとは、匿名性を持った特別なネットワーク上に構築されたWebサイトのことです。一部の特殊なブラウザでのみ接続・閲覧でき、Google ChromeやInternet Explorerといった一般的なWebブラウザでは閲覧することができません。また、通常のWebサイトのようにGoogleやYahoo!などの検索エンジンにも表示されないため、一般の人の目に触れることはまずありません。

ダークウェブの利用者は完全な匿名通信が可能であり、近年はその匿名性を悪用した犯罪行為が社会問題になりつつあります。

ダークウェブはどんな問題を抱えているのか

ダークウェブの利用目的はさまざまですが、その大半は違法性の高い取引です。世界各国で取引が禁止されている武器や児童ポルノ、薬物などの違法な物品、企業の機密情報や個人情報、マルウエア作成ツールなどの売買が行われています。これらはいずれも、売買をすることはもちろん、所持しているだけでも日本では逮捕されてしまうようなものばかりです。

はじめからダークウェブの利用ユーザーに対するサイバー攻撃を目的としてダークウェブを利用するケースもあります。物品やデータの取引を装い、取引相手にマルウエアなどをインストールさせるなど、とにかくあらゆるやり取りがサイバーセキュリティ上、芳しくないものであるという問題をダークウェブは抱えています。

なぜダークウェブが再注目されているのか

ダークウェブは以前から存在しているにもかかわらず、なぜ今になって再度注目されているのでしょうか。

その大きな理由の一つといえるのが、仮想通貨の普及です。仮想通貨は暗号通貨とも呼ばれるほど、売買に関与する人の匿名性を担保しやすい取引システムであり、これはダークウェブと非常に相性の良い技術です。

仮想通貨の普及により、匿名性の高い金銭取引が容易になったことで、違法な取引が以前よりもずっと行いやすくなりました。その結果、企業の機密情報や個人情報も「商品価値」を高め、ダークウェブでの販売を目的としたサイバー攻撃を後押ししているというわけです。

また匿名性の高さを有効活用しているケースも世界では見られます。ダークウェブでは企業や政府の監視を回避しながらインターネットを利用できるため、違法性の高い事業に手を染めている企業の告発や、独裁国家への対抗策として用いるケースです。

民主的なネット利用を支える上ではダークウェブのような匿名サービスの存在は必要ですが、現状ではやはりダークウェブを介した違法行為の横行への対処が求められます。

ダークウェブとは?問題点と今再注目されている理由を解説 挿絵

ダークウェブのリスクを回避するための対策

ダークウェブはサイバー犯罪の温床となっているものの、そこで行われている犯罪行為を一個人・一企業の力で抑止することは不可能に近いのが現状です。そのため、ダークウェブのリスクを回避するための対策は、やはりダークウェブに接続しない・利用しないということに尽きます。

特に業務で使うPCでダークウェブにアクセスするような行為は絶対に避けるべきです。自分自身は大丈夫でもほかの従業員がダークウェブにアクセスしてしまう可能性も考えられるので、社内全体で危機意識の共有やインターネット利用の管理を徹底し、脅威を遠ざけることが重要です。

また、インターネットセキュリティソフトやアンチウイルスソフトの中には、ダークウェブを監視・巡回し、個人情報や機密情報の流出が検出された場合に、それをユーザーに通知する機能が備わっているものもあります。このようなソフトウエアの導入に加え、最新のセキュリティ動向にも注目し、最先端の対策を施すのが理想です。

ダークウェブの存在を前提としたセキュリティ対策を進めよう

この記事では、ダークウェブの概要や具体的なリスク、そしてセキュリティ対策の方法について解説しました。

ダークウェブは近年、利用者が急増し、そこで行われる犯罪行為の数も爆発的に増えているといいます。被害に巻き込まれないために、今後もダークウェブの存在ありきでセキュリティ対策を考える必要がありますが、まずは基本的なセキュリティ対策が万全かどうか、確認しておくことが重要です。

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