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Catena-Xとは?欧州の動向と日本企業への影響

レンテックインサイト編集部

Catena-Xとは?欧州の動向と日本企業への影響

2050年までのカーボンニュートラル達成が求められる中で、CO2を大量に排出している自動車業界は対応が必要となってきています。すでに電気自動車や燃料電池車など脱化石燃料への取り組みが各国の自動車メーカーや部品メーカーで進められています。さらに今後は自動車の原料調達から廃棄まで、製品のライフサイクル全体で環境性能の向上が必須になります。 そうした社会情勢の中で企業間の環境に関わるデータを共有するシステムの需要が増しており、欧州で開始されたCatena-Xは新たな取り組みとして注目されています。

Catena-Xとは

Catena-Xは自動車業界で運用が開始されたデータ共有システムです。共有されるデータには、温室効果ガス排出量やサーキュラーエコノミーに関わるデータなどをメインにさまざまな情報が含まれています。類似のデータ共有システムにはIDSAやGAIA-Xがあり、どちらも欧州で実施されている企業間データ共有の仕組みです。

Catena-Xは企業間で公平でオープンなデータ交換をP2Pで行うことができるシステムです。自動車メーカー、部品メーカー、材料メーカー、商社など関連企業が直接データベースにアクセスできます。ドイツ自動車メーカーなどが中心となりルール作りがされています。

Catena-Xに参加する企業

Catena-Xにはドイツの自動車メーカーだけでなく、部品メーカーやIT関連企業をはじめ国外の企業も参加しています。現在の主な参加企業は以下の通りです。

1.自動車メーカー

  • メルセデスベンツ(独)
  • フォルクスワーゲン(独)
  • BMW(独)

2.自動車部品メーカー

  • ボッシュ(独)
  • シェフラー(独)

3.その他

  • マイクロソフト(米)
  • SAP(独)
  • ドイツテレコム(独)
  • シーメンス(独)
  • BASF(独)
  • DMG森精機(日)

Catena-Xとは?欧州の動向と日本企業への影響 挿絵

Catena-Xのメリット・特徴

Catena-Xは世界中で広がっているカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに関するデータを統一されたルールで共有するシステムです。例えば、欧州を中心に始まっているカーボンフットプリントでは、自社だけでなく取引先を含む温室効果ガス排出量のデータが必要なため、Catena-Xでデータを共有することでその算出が容易になります。

Catena-Xのデータ共有は、参加企業がそれぞれ対等な形で情報収集できる仕組みになっています。自動車産業では完成品メーカーから部品メーカー、部品メーカーから材料メーカーのようなピラミッド構造があります。従来は上流工程のメーカーに対して情報が集約される形が取られていましたが、Catena-Xでは対等に情報をやり取りできます。

データ共有では運用ルールやセキュリティ、データ信憑性確保といったポイントがカギとなります。例えば、Catena-Xでは参加する企業が安心してデータを提供できるように、自社の提供するデータの利用条件や利用先を指定することができます。また、セキュリティの面では共有のアプリを使用することを条件としているため、データの漏洩リスクを下げることができます。

日本においても同様のデータ共有システム「ウラノス・エコシステム」の立ち上げが進んでおり、2024年度からのサービス提供を目指しています。ウラノス・エコシステムは自社データの機密を保持しながら、経営におけるリスク回避に必要なデータを企業間で共有することを目的としています。このシステムで共有されたデータを基にカーボンニュートラルに限らず環境課題や労働力不足など社会的な問題に対応することが検討されています。

Catena-Xが日本企業に与える影響とは

2023年から開始されたCatena-Xに参加している日本企業はまだ多くありません。とはいえ今後欧州でビジネスを展開するグローバル企業は、取引先からCatena-Xなどのデータスペースへの参加を要請されるケースが増えることが予想できます。

さらに今後は米国でも規制が開始される可能性があります。米国で炭素国境調整措置が適用されるようになれば、そこでビジネスを展開する日本企業も温室効果ガス排出量などのデータ開示を要求されるようになります。

日本国内でしかビジネスを展開していない企業であっても、国内規制が欧州や米国のように変更されると対応が必要になります。国内で開始される「ウラノス・エコシステム」のようなデータ共有システムへの参加などの検討が必要になる可能性があります。

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