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社用PCのデータ移行方法と気を付けるべきポイント

レンテックインサイト編集部

社用PCのデータ移行方法と気を付けるべきポイント

これまで、3~5年のサイクルでのリプレースが推奨されてきた企業のPC。SaaSの普及によりアップデートを繰り返して機能を拡張することが容易になり、生成系AIや機械学習の活用も進む中でハードウエアも戦略的に更新することが求められます。

そこで必ず発生するのが「データ移行」の手順です。データが消えてしまわないか、多大な工数がかかるのではないかなど、データ移行を前にして不安を抱える方も少なくないでしょう。

本記事では、社用PCのデータ移行方法やその注意点について解説します。

社用PCのデータ移行方法5パターン

PCのデータ移行方法には下記のようなパターンが存在します。

  1. OSの機能を使う方法
  2. ファイルサーバーやオンラインストレージを使う方法
  3. 外付けHDD・SSDなど外部記録媒体を使う方法
  4. LANケーブルやリンクケーブルを使う方法
  5. データ移行ソフトウエアを使う方法

「OSの機能を使う方法」は、Windowsでは『Windows 転送ツール』、Macでは『移行アシスタント』を用いる方法です。しかし、Windows10/Windows11には、『Windows 転送ツール』は備わっていません。 そこで用いられるのが「ファイルサーバーや『OneDrive』などのオンラインストレージを経由してデータを移行する方法」「外付けHDD・SSDなど外部記録媒体を利用するといった方法」です。 この際、Windows10では「バックアップと復元(Windows 7)」や「システムイメージの作成」、Windows11では「Windows バックアップ」アプリ、Macでは「Time Machine」機能などを用いて、バックアップを作成します。

「LANケーブルやリンクケーブルを使う方法」は、直接ケーブルで古いPCと新しいPCを接続してデータを転送するというものです。 「データ移行ソフトウエアを使う方法」は、コストや選定の手間がかかる代わりに細かい設定などが不要だったりUIが優れていたりするのがメリットといえるでしょう。また、同ソフトにはバックアップの作成機能なども備わっていることが多いです。

バックアップの「3-2-1ルール」とは?

PCのデータ移行方法を5パターンご紹介しました。

どの方法を選ぶにしても重要なのが、万が一の接続トラブルや人的ミスの発生に備え「バックアップ」を確実にとっておくということです。そもそも、PCの破損や盗難などにより元のPCからデータを取り出すことが困難になってしまう事態はいつ発生するかわかりません。

そのため、複数のリソースでバックアップを保存する体制を構築しておくことが求められるのです。

バックアップの冗長性を保つためのキーワードとして知られるのが「3-2-1ルール」です。これは、常に3つのコピーを、2種類以上の手段で保存し、1つはオフサイト(遠隔地)に保存することを定めたルールです。クライアントPC、自社サーバー、オンラインストレージの三つの組み合わせで実践されることが多く、この体制を構築し日ごろから破綻なく運用することで、データ移行の際にも既に重要なデータのバックアップ・共有は済ませた上で、速やかに作業を進めることが可能になります。

また、移行した後はデータの流出を防ぐため、古いPCのデータを削除する手順を組み込まなければなりません。データ移行前にはバックアップを確実に保持すること、データ移行完了後には古いデータを削除すること。データ移行においてはこの二つを徹底しましょう。

社用PCのデータ移行方法と気を付けるべきポイント 挿絵

レガシーシステムのデータ移行はより長大なプロジェクトとなる

近年、DXの中心的ポイントとして推進されているのが、メインフレームやオフコンなどレガシーシステムのモダナイゼーションです。こうしたシステムのデータ移行はその膨大なデータや仕様のブラックボックス化から、より長大なプロジェクトとして取り組むことが求められます。

その具体的な手順は以下の通りです。

  1. データ移行プロジェクトの作成
  2. データの構造把握
  3. 移行手順書の作成
  4. データ移行プログラムの作成
  5. サンプルデータによるテスト
  6. データ移行本番
  7. データの確認・見直し

ブラックボックス化したシステムを解析するのは容易なことではありません。不具合が起きてから拙速な対応を迫られることのないよう、早期に移行プロジェクトをスタートすることが求められるでしょう。

ハードウエアもデータも自由に移行・利用できる体制づくりを

社用PCのデータ移行手順と気を付けるべきポイントについて解説してまいりました。近年、PCやスマホなどのハードウエアデバイスをレンタルやリースでサービスとして利用する「DaaS」(Device as a Services)が注目を集めています。ハードウエアの所有だけでなく利用も当たり前になった環境で、データも自由に移行・利用できる柔軟な体制を構築していきましょう。

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