この記事では、データドリブンと呼ばれる考え方とは何か、どのようなツールがデータドリブンの実現に役立つのか解説します。
DXは企業の喫緊の課題とされていますが、その実現のためにはデジタルツールの拡充だけでなくツールを活用する側のアップデートも求められます。DXに伴い浸透しつつあるデータドリブンの考え方は、データ活用の基礎が詰まった発想であり、全社的に身に付けることができれば、業務効率化や品質改善、さらには新規ビジネスの創出にもつながるでしょう。
データドリブン(Data Driven)とは、意思決定者が個人の経験や主観ではなくデータに基づいて判断を下すという、データ主体の考え方を指します。
ビジネスの現場では、その領域を問わず日々の業務で実に多くのデータを扱います。売上データやWeb収集データ、そのほか顧客情報など、有益な情報に溢れています。これらのデータを統計学的手法やツールの活用によって解析し、意思決定に役立つ指標を見出すことが、データドリブンのアプローチです。
データドリブンの考え方が近年大いに注目されている理由の一つとして、ビッグデータの台頭が挙げられます。世界でデジタル化が進み、あらゆる行動がデータとして収集され、分析できるようになったことで、データを有効活用できるスキルやツールの有無が、組織の競争力に直結するようになりました。
また、AIの登場や便利なツールが広く普及したことにより、従来よりも多くの情報をデジタルデータとして可視化でき、なおかつ費用対効果が高くなっていることも大きな変化です。顧客行動は複雑化し、データなしには行動分析もままならなくなっているという現状も、データドリブンの促進に拍車をかけています。
データドリブンの実践では以下の4つのアクションが求められます。
まずはデータを収集するためのプラットフォームを社内に立ち上げ、それらを数値として見える化できる仕組みを整備しなければなりません。それからデータをツール分析にかけ、意思決定に役立つ指標を発見できたら、ようやく改善に向けた行動を起こすことができます。
データドリブンの実践はその環境を整えるところが最も大きなハードルとなりますが、一度構築さえできれば、以降の業務効率やその質は飛躍的に向上することが期待できます。
データドリブンを実践するには、ツールの導入だけでなく運用者のスキルの拡充も必要です。データの集計や分析といった作業はツールが行いますが、基本的な素養としてロジカルシンキング(論理的思考力)の能力やビジネスへの知見はあった方が良いでしょう。
ロジカルシンキング(論理的思考力)は、問題の発見や分析、そしてその解決に向けたアイデアを効果的に創出する上では欠かせない能力ですし、ビジネスへの知見はそのヒントを探る上で役に立ちます。
また、基本的な統計学の知識や、プログラミングスキルなどデータ活用に役立つ技術を身に付けている人材は、データドリブンの実践に欠かせない存在です。
データドリブンの実践に役立つツールは複数ありますが、代表的なのは「CDP」「MA」「SFA」などです。
CDPは、カスタマーデータプラットフォームの略称で、顧客の属性データや行動データを蓄積しておくためのデータ基盤であり、マーケティングの頼もしい味方です。
MAは、マーケティングオートメーションの略称で、マーケティング施策の中で発生する各種作業を自動化できます。
SFAは、セールスフォースオートメーションの略称で、営業日報の作成や顧客情報の共有、進捗管理などを効率化し、担当者の負担削減に貢献します。
いずれも顧客情報をはじめ社内に蓄積してきたデータを有効活用するためのツールであり、高い業務効率化の効果が期待できるでしょう。
この記事では、データドリブンの概要や考え方、そして必要なスキルやツールをご紹介しました。顧客との関係構築が重要になり、ツールも出揃った中において、データドリブンな考え方やツールの活用は、ビジネスに必須となっています。データを集めて活用するためのスキルを獲得し、ビジネスを成長に導きましょう。