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代表的なICパッケージの種類や特性について解説

レンテックインサイト編集部

代表的なICパッケージの種類や特性について解説

電子基板に実装されるICのパッケージには、さまざまな形状が存在し、電気的な特性や実装のしやすさ、コストなどに違いがあります。本記事では、ICのパッケージの主な役割や、代表的なパッケージの種類と特性について解説します。

ICのパッケージの役割

ICは半導体チップの保護や防熱、ほかの部品との配線などを目的として、さまざまな形状のパッケージに収められます。複数のICチップを一つのパッケージに搭載することもあり、デバイスのサイズの小型化、配線のインピーダンスの影響の低減といった効果が期待できます。パッケージの外形は一般的に標準化されており、同じ性能のICでも複数のパッケージ品から選択できるようになっていることもあります。

挿入実装と表面実装

ICパッケージは大きく分けて、電子基板の穴にリードを挿入する挿入実装用パッケージと、基板表面に実装する表面実装用パッケージの二つが存在します。

挿入実装の場合は手付け実装が容易で、回路のデバッグ時にオシロスコープのプローブをリードに当てやすいといったメリットがあります。ただ、リードが基板を貫いて裏面に飛び出すため、部品やパターンを配置できる面積が減少してしまいます。また、リード線が持つ抵抗成分やインダクタンス成分の影響で、回路の電気的特性が変わる可能性があります。

一方で、表面実装の場合は部品の高集積化が可能で基板面積を節約でき、リード線の影響が最小限となるため、高周波回路に適しています。ただし、手付け実装が困難で、基板との接合部分の強度が弱いという課題もあります。

また挿入実装か表面実装かによってはんだ付けの工程で使用する機器が変わり、実装の費用も変わるのでご注意ください。

代表的なICパッケージの種類や特性について解説 挿絵

代表的なICパッケージの種類と特性

代表的な6つのICパッケージと、その主な特性をご紹介します。パッケージによって、電気的特性、電子基板を占める面積、手付け実装の可否や難易度などが異なります。

SIP(Single In-line Package)

SIPは、パッケージの1辺から垂直方向にリード線が出る形状で、基板に挿入実装するものです。パッケージの裏面やリードと反対側の辺に放熱器を取り付けたものは、モータドライバICなどでよく使用されます。

DIP(Dual In-line Package)

DIPは、パッケージの向かい合う2辺から垂直方向にリード線が出る形状で、基板に挿入実装します。挿入実装用パッケージの主流であり、汎用ロジックICなど、さまざまなICに使用されています。リード線が長いため手付け実装が容易ですが、省サイズや高周波特性を求める場合は表面実装用パッケージの方が適しています。

SOP(Small Outline Package)

SOPは、パッケージの向かい合う2辺からリード線が出る形状で、パッケージと同一面上に表面実装されます。表面実装用パッケージの主流で、リード間のピッチが広ければ、手付け実装がしやすいです。さまざまなICに使用されており、MOSFETなどの発熱しやすい部品の場合にはパッケージ底面に放熱パッドを設けることもあります。

SON(Small Outline Non-leaded package)

SONは、パッケージの向かい合う2辺にある電極パッドで基板に表面実装できるようになっており、SOPと同様にさまざまなICに使用されています。リード線がないため手付け実装は困難ですが、電気的特性の良さがメリットです。また、基板上で占める面積が小さいため、高密度実装が可能です。

QFP(Quad Flat Package)

QFPは、パッケージの4辺からリード線が出る形状で、パッケージと同一面上に表面実装されます。このパッケージはマイコンや複数の機能を集積化したICなど、外部と接続する信号の多い場合によく用いられます。リード線が4方向に広がるため、手付け実装はできても取り外すのは困難となります。

BGA(Ball Grid Array)

BGAは、パッケージの底面にボール形状のはんだを格子になるよう並べたパッケージです。複雑な機能を持つマイコンなど、LSI(大規模集積回路)によく用いられます。QFPよりピン数を多くでき、より高密度で省サイズにすることが可能で、電気特性にも優れています。また、ICの発熱を基板に逃がしやすいのですが、ピンが隠れてしまうため、 手付けでの実装や取り外しは困難で、はんだの不良を発見しにくいことがデメリットです。

用途に応じたパッケージを選定しよう

ICのパッケージはさまざまな形状があり、サイズや電気的特性、実装のしやすさなどが異なります。自分で手付け実装をしたい場合や、デバッグをしやすくしたい場合は、挿入実装用パッケージが適しています。一方、基板上のスペースを節約したい場合や高周波特性を考慮する場合は、表面実装用パッケージが良いでしょう。パッケージの違いによってコストや入手性も変わるため、それらも考慮に入れて選定することをおすすめします。

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