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CPUの性能の進化とIntel&AMD製CPUの見分け方を解説

レンテックインサイト編集部

CPUの性能の進化とIntel&AMD製CPUの見分け方を解説

コンピューターを人間の体に例えると、CPUはコンピューター全体の処理を司る頭脳のような役割を担います。CPUの性能次第でコンピューターの性能の大部分が決まると言っても過言ではありません。本記事ではCPUの性能がどのように進化してきたか解説します。また、パソコン向けCPUメーカーの代表であるIntelおよびAMDについて、代表的なCPUの見分け方をご紹介します。

CPUの性能の進化

CPUは高速化を求めて進化を続けており、以前は主にプロセスルールの微細化により高速化を達成していました。近年は微細化の限界が近付いているため、CPU内のコア数の増加や多機能化といったアプローチでも進化を続けています。

プロセスルールの微細化

プロセスルールとはCPUなどの半導体製品における製造サイズを表す指標のことで、「〇〇nm」のような単位で表されます。製造サイズが小さいほどチップの面積あたりに配置できるトランジスタの数が増えるため、高集積化が可能です。集積度が高くなると、結果として動作速度が速く、消費電力が少なくなります。

IntelのCPUの場合、2010年ごろは32nm、2014年ごろは14nm、2018年ごろは10nmと微細化が進んできました。そして最先端のCPUでは一けた台にまで達しています。原子サイズのオーダーである0.1nm近くまで達していることから、微細化の限界に近付いているとも言われています。

コア数の増加

CPUに内蔵される演算回路をコアと呼び、主にプログラムなどの命令の処理を行います。かつてのCPUはチップ1枚につき一つのコアが内蔵されていたため、与えられた命令を順番に処理していました。その後、複数のコアを内蔵したCPUが一般的になると、複数の命令を同時に処理できるようになり処理能力が向上しました。近年は1枚のチップに10コア以上内蔵したCPUも登場しています。

また、コアが同時に処理できる命令の最大数であるスレッド数も増加しました。スレッド数が多ければ一つのコアで同時に複数の命令を処理できるため、処理能力の向上につながります。例えば「4コア/8スレッド」の場合、内蔵した4つのコアで最大8つの作業を同時に処理できます。

多機能化

以前はCPUと別のICが持っていた機能をCPUに統合し、CPUを多機能化するアプローチでも高性能化が進んでいます。キャッシュメモリやメモリコントローラ、GPU、NPUなどの機能を内蔵したCPUが開発されています。CPUの新バージョンが開発されると、メモリサイズの増加やGPUの性能向上など、内蔵した機能も高機能化することが多いです。

別のICを外付けするのに比べると、CPUに内蔵したそれぞれの機能と演算回路の間の配線を短くできる点がメリットです。配線が短いと機能と演算回路同士の距離が近いため通信速度が速くなります。さらに配線抵抗が小さくなるので電流が流れた際の熱の消費を抑えられ、消費電力を低減できるというメリットもあります。

CPUの性能の進化とIntel&AMD製CPUの見分け方を解説 挿絵

IntelのCPUの見分け方

Intel Core iシリーズのCPUはシリーズと世代で見分けられ、「Core i9-13900K」のようなモデル名の表記から分類を確認できます。シリーズはi3、i5、i7、i9の4種があり、数字が大きいほど高性能モデルです。モデル名の後ろにある4けたや5けたの数字がCPU型番を表し、その先頭の数字が世代を表します。

i3などのシリーズ名は同じ世代内の性能差を示しており、基本的には世代が上になるほど高性能です。例えば「Core i9-11900K」と「Core i7-14700K」を比べると、世代が上である「Core i7-14700K」の方が高性能となります。

また、モデル名の末尾にある英字の種類はさまざまで、モデルの特徴の違いを表します。末尾の英字なしは通常モデル、「F」ならGPU非搭載モデル、「K」なら倍率ロックフリーモデルなどのように区別されています。

AMDのCPUの見分け方

AMD製CPUの主力製品であるRyzenシリーズについてご紹介します。基本的にはIntelのCore iシリーズと対応しているため比較しやすいでしょう。RyzenシリーズのCPUは、Intel製CPUと同様にシリーズと世代で見分けられ、「Ryzen 9 7950X」のようなモデル名表記から分類を確認できます。

シリーズは3,5,7,9の4種があり、IntelのCore iシリーズと同様に数字が大きいほど高性能モデルです。また後半の4けたの数字が世代とCPU型番を表し、数字が大きいほど最新の高性能モデルとなります。

モデル名の末尾の英字についても、Intel製CPUと同様にモデルの特徴の違いを表します。末尾に英字なしの型番が通常モデルで、「X」が付くと高性能モデルです。なお、Intel Core iシリーズは通常モデルでもGPUを内蔵しますが、Ryzenシリーズの通常モデルはGPUを内蔵していない点にはご注意ください。

PC購入の際はCPUの性能を確認しよう

CPUはプロセスルールの微細化やコア数の増加、多機能化などの発展を遂げながら進化してきました。CPUの進化とともに処理が高速化し、1枚のCPUでさまざまな機能が実現できるようになっています。IntelのCore iシリーズやAMDのRyzenシリーズは、いずれも型番がシリーズや世代を表しており、モデル名表記から分類を確認できます。これまで気にしていなかった方も、PCを購入する際はCPUの性能を意識して選んでみてはいかがでしょうか。

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