インターネットが日常生活に欠かせない存在となった現代において、安全かつ安心してインターネットを活用するための知識は必須です。内閣サイバーセキュリティセンターでは、インターネットに関するリスクやその対処法を紹介する「インターネットの安全・安心ハンドブック」を公開しています。本記事では、ハンドブックの概要と活用方法について紹介します。
インターネットの安全・安心ハンドブックでは、インターネットの安全利用に関する基本的な情報を提供しています。中高生から大人までインターネットを活用するすべての人を対象としており、初心者でもサイバーセキュリティ関連の問題が理解できるよう、分かりやすく平易な表現で解説していることが特長です。ハンドブックは内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が公式サイトにて公開しており、最新版は2023年1月に改訂されたVer.5.00です。
全7章あるハンドブックの内容について簡単にご紹介します。まず、プロローグとして、インターネットにおけるサイバー攻撃の具体例やマルウエアのような攻撃方法について紹介しています。
第1章ではサイバーセキュリティの基礎について、第2章ではサイバー攻撃の手口やリスクについての解説があります。第3章ではSNSやネットとの付き合い方、第4章では災害やテロ、海外でのトラブルへの対処方法を紹介しています。
第5章ではスマホやパソコン、IoT機器のセキュリティ設定について、第6章ではパスワードや暗号化技術について解説しています。最後に、第7章では中小組織におけるセキュリティ対策の重要性と、その実施方法についての解説があります。
ハンドブックは、学校や家庭においてセキュリティ意識を高めるための教材として活用できます。また、ハンドブックをあらゆる場面で活用できるよう、さまざまな形態での配布が認められています。
ハンドブックはセキュリティの基礎やサイバー攻撃の手口、スマホやパソコンを安全に利用するための設定方法など学生向けの内容も充実しています。そのため、中学校や高校における授業の教材としても活用でき、中高生のセキュリティ意識の向上に役立つでしょう。専門知識なしでも読めるため、学生に教える教師がセキュリティ知識を習得するのにも役立ちます。
また、ハンドブックの内容は家庭内でセキュリティを考える際にも活用できます。こどもがSNSの利用によって遭遇する可能性のあるトラブルや被害についての解説も載っています。シニアにとって役立つような、ITを活用した安否確認や事故防止を可能とするサービスの紹介もあります。
中小企業や小さなNPO、一般社団法人などの小規模な団体が、セキュリティ対策を実施する際の参考資料としてもハンドブックを活用できます。中小組織向けの内容は主に第7章にあり、企業向けのセキュリティ対策、テレワークのルール作り、最低限把握すべきセキュリティ法律などを解説しています。
さらに巻末の付録として、セキュリティ部門担当者にとって役立つガイダンスの紹介があります。サイバー攻撃を受けた場合の対応方法、セキュリティの設定マニュアルなどの資料の紹介、セキュリティスキル向上のためのヒントなどが記載されているので、目を通しておくとよいでしょう。
ハンドブックの著作権はNISCにありますが、内容に改変を加えなければ、さまざまな形での利用、配布、販売が認められています。PDFや紙に印刷したものを無料配布したり、印刷して製本したものを実費販売したりすることが可能です。ページ単位やイラスト単位に分割した状態での利用や配布も認められています。
ハンドブックの一部をネットで配布したり、ウェブサイトにダウンロードサイトのリンクを設置したりすることも可能です。さらに、使用する団体名を表紙に入れた状態での利用や、自団体のセキュリティ資料と合体しての配布も可としているなど、幅広い活用の仕方が認められています。
インターネットの安全・安心ハンドブックは、サイバーセキュリティの基礎から実践的な対策までを幅広く網羅しています。学校教育や家庭内での指導、中小組織におけるセキュリティ強化など、さまざまな場面で役立つでしょう。
さまざまな形での配布が認められていることから分かるように、積極的にハンドブックを活用することが推奨されています。学生にインターネットの使い方を教えたり、業務としてセキュリティ対策を検討したりする際には、参考にしてみてはいかがでしょうか。